第弐拾参話 送別会
という事で本日は、オズメン帝国及びブルベル帝国の人々の為の送別会だ~!!
町は花や提灯で彩られ、人々は昼間っから飲んで歌って踊って、まさにどんちゃん騒ぎだ。
わたしも勿論、そんな中に混じることが……!!
できるわけも無かった……。せめてスピーチまでは待っていてくれと、メイド達に止められてしまった。しかも、転移組八人に加え、アルゴさん、ワークナーさん、ショウシさんが同じ部屋に閉じ込められていた。
「畜生。これじゃ~酒も飲めね~じゃね~か!」
「まぁまぁ。ワークナー殿。わしらはありがたいことに、この国の要人なのじゃから、ここは我慢じゃ」
「アルゴ殿に言われたらしかたね~」
「にしても、この国の祭りも実に賑やかですな。皆さん今度は琉球のいや、沖縄の祭りにも来てください。うまい酒もあります」
「そちらも実に楽しそうじゃ」
「俺も泡盛って奴をグイッといきたいぜ」
転移組以外の三人も仲が良さそうで良かった。なんだかんだでずっと三人で話している。
今回は大日本帝国の要人がみなステージに上がり、乾杯をするという事になっている。正直わたしだけでもいいだろうと思ったが、国を挙げて祝いたかったので、要人の方には忙しい中来ていただいた。後、わたしを置いて、どんちゃん騒ぎするのは許せなかった……。
すると、扉をノックする音が聞こえると、メイド達が入って来た。
「みなさま。お着換えの準備が出来ましたので、それぞれのお部屋にご案内いたします」
わたし達はそれぞれの部屋に案内され、着替えを済ますと、そのままステージのある広場まで案内された。
因みに今回の衣装は水色地に白の桜の柄が入った着物だ。十二単なんかを着させられるのではとドキドキしたが、今回は緩いお祭りなので見送られた。正直ほっとした。元居た世界で一度、体験で着させてもらった事があるのだが、暑いし重いし動きにくいし、わたしには苦痛だった。
昔の人や皇后様、その関係者の方々をさらに尊敬するきっかけになった。
わたし達が案内されたステージに上がると、目の前には大勢の人が集まって歓喜の声をあげていた。
「この度はみんなご苦労様! みんなが二か国の三百名に及ぶ人々の命を救い、差別や誹謗中傷をする事なく受け入れ、看病してくれた事をわたしは心から誇りに思う。そして、オズメン帝国及びブルベル帝国の人々よ! インフラ整備や、文化交流で我々に恩を返してくれた事、心から感謝する。これからも我々の国同士が良き関係になる事を願っている。
今日は、オズメン帝国及びブルベル帝国の人々の送別会だ。堅苦しいのはこのくらいにして、みんな――――ッッ!! 酒かジュースは持ったか!!」
「「「「お―――――――ッッッッ!!!!」」」」
「それじゃー! カンパ――――イッッッッ!!!!」
「「「「カンパ――――イッッッッ!!!!」」」」
「宴だ――ッ! みんな飲め――――ッッ!!」
「「「「お―――――――ッッッッ!!!!」」」」
その時、わたしはステージから飛び降りて、継がれていたジョッキ二杯を一気に飲み干した。
「ちょっと葵姫!!」
「姉さんってば~」
「まぁええやろ!! うちも行で――!!」
「いいな! おい! 瞳! 俺らも行くぞ!」
「ちょッ! 待ってよひふみん!!」
「俺達も行くか? 満月」
「うん。忠政君。一緒に行こ」
「え~。皆さんまで……」
「葵君。これは諦めて。あたしもいっきま――す!!」
「も~! 仕方ないですね~! 僕も行きますよ~!」
それに転移組は続いたが、残った三人はゆっくりステージから瞬間に飲んだくれ達に連れられ、そのままどんちゃん騒ぎに巻き込まれる事になった。
わたしがおっさんと飲み比べをしていると、メルテムさんが近づいてきた。
「おい! アキさんよ~! そんなおっさんじゃなくて、あたしと勝負しろや!」
「おいおい。姉ちゃん。流石に葵姫天皇陛下に失礼じゃねーか」
「いいんですよ。親しくされるのは嫌いではありませんから。いいでしょう! まとめて相手してあげますよ!!」
「流石アキさん! 今日は飲むぞ――!!」
それからどんちゃん騒ぎは夜通し続いた。
わたしは自分の部屋で二日酔いと闘っていると、部屋をノックするとともに、頭を抱えたメルテムさんが入ってきた。
「あらら。メルテムさんも二日酔いか~」
「流石にあんなに飲んだらな……。それより、昨日はありがとうな。今日は皆、泣きながら帰国の支度をしてるぜ」
わたしはそれはただ単に全員二日酔いで辛いか、昨日の宴が恋しいだけではと思ったが、まぁ、いい方に捕らえるとしよう。
「喜んでいただけて良かった。わたしも皆さんが居なくなるのは心悲しいですよ」
「よしてくれ。そんなこと言ったら別れが辛くなるだろうが」
「でも、これで最後ではありませんから。絶対わたしも、あなた方の国に行きますから」
「お! そうか! ならケバブを食べてくれ! あれは旨いぜ~。あたしの大好物だ!」
「えぇ。覚えておきます」
「だが、うちの国に来ても、立場的に王室とかとお上品な物を食べるのか。あたしの行きつけの店には連れてってやれないな」
「大丈夫ですよ。わたし、抜け出すのは上手いので」
「ハハハッ! そうか! ならあたしがしっかり見張っていないとな!」
「ハハハッ!! そうですね」
短い時間だったが、わたしは本当にいい友を持った。




