表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/61

第拾陸話 沖縄

 友美ちゃんと喋った翌日。わたしと友美ちゃんは長門に乗って沖縄本島に向けて出港した。勿論、作戦の為の第五師団も長門ともがみに分けて乗船している。

 わたしは甲板に出て、海風を浴びていた。


「こうして海風に当たるのもやっぱりいいな~」


「そうね~。でも葵姫。あんまり自由にやりすぎないでね!」


「分かってるって!」


「とか言いながら、その着物の下に水着着てるでしょ」


「ば、ばれた!」


「葵姫の考える事なんてお見通しよ」


「と言いつつ、友美ちゃんだって軍服の下に着てるんじゃないの?」


「ギクッ! ばれたか……」


「考えることは同じだね~」


「そうね」


「「あははッ!!」」


 わたし達は長門の甲板で笑いあった。


「総員に告ぐ、間もなく琉角王国に到着する。上陸の準備をせよ」


 一二三からの思念伝達による連絡だった。わたしも準備があるので、用意された部屋に友美ちゃんと戻ることにした。

 わたしが準備を終えるとほぼ同時に、船が港に着いた。

 まず、もがみに乗船していた部隊が上陸し、整列して城へ向けて行進を開始した。それの後にわたしは用意された輿(こし)に乗って、先に行進した部隊の後を追った。勿論周りには護衛の部隊と友美ちゃんもいる。そしてその後長門に乗っていた部隊が行進を開始した。つまり私が第五軍に挟まれた形になっている。

 住民達はブルベル王国との海戦に勝利した大日本帝国(ダイヤマトテイコク)が琉角王国を救いに来たと歓喜し、わたし達を迎え入れた。しかし、国王を始めとした国のトップ達は慌てふためいていた。

 わたし達は特に邪魔されることなく城内に入り、宮殿の目の前にわたしの輿が到着した。

 わたしは外の様子が少し気になり小声で友美ちゃんに問いかけた。


「友美ちゃん。外の様子はどんな感じ?」


「琉角王国の国王を始めとしたトップが緊張した様子でこちらを見ています」


「分かった。なら、ちょっと脅かしてっみるね」


ピキッッッッ!!!!


 わたしは皇帝覇気を発動した。琉角王国の国王を始めとしたトップ達はよろめき、冷や汗を掻いていた。琉角王国の兵士達は最初わたし達の事を警戒していたが、わたしの皇帝覇気で気絶してしまった。


「やはり、あの輿の中の者が伝説の勇者なのか……」


 琉角王国の大臣達がぼそぼそと話していると輿のすだれが開き、化粧をし、桜色の輝くように美しい着物を身に纏った大日本帝国(ダイヤマトテイコク)天皇である白雪 葵姫が姿を現した。

 そしてわたしはそっと一歩一歩宮殿へと近づき、琉角王国国王の前に来るとお辞儀をして話し出した。


「初めまして。大日本帝国(ダイヤマトテイコク)天皇、白雪 葵姫と申します。以後お見知りおきを」


「よが、琉角王国国王、ショウシである」


「それでは、ショウシ王。我々の目的についてゆっくり話ましょうか」


「ああ。この軍の事と言い、ゆっくりと聞こう。会議室を準備してある。こちらへ」


 そう言われるがまま、わたしは護衛の友美ちゃんと、第五軍司令官の満月ちゃんだけを連れて宮殿の奥へと進んだ。

 宮殿内は紅色の漆喰が潤沢に使われており、床以外どこを見ても紅色か、装飾に使われている金のみだった。案内された会議室も同じようになっており、中央にはベースは紅色だが、装飾として所々金が使われている大きな長いテーブルと椅子が置かれていた。

 わたし達は案内された席に着くと、わたしとショウシ王が対面になる形になった。


「それでは、まずは先日のブルベル帝国から我が国を守ってくれた事に礼を言う」


 さっきから思ったが、あくまでも対等に接してきている。下手にでれば速攻で国を取られると思っているのだろう。まぁ、ぶっちゃけそうするつもりだったが……。


「いえいえ。あんなのは我々の艦隊にかかればコバエを仕留めるよりも簡単ですよ」


「そうであったか。では次に、今宮殿の前に整列している大軍はなんだ?」


「それは、同じアジアの国である琉角王国を西の帝国から守る為ですよ」


「つまり、この軍は我が国に常駐する事になると?」


「そういう事ですね。勿論拒否しても構いませんが、次ブルベル帝国が攻めてくるときは前回以上の数でしょうね」


「それでは、貴殿らの軍も耐えられないのではないか?」


「心配ご無用です。我々の軍隊は西の帝国すらまともに扱う事の出来ない武器を基本装備としています」


「ほう。それは興味深い。だが、それは、我が国を貴殿らの国に併合しようという根端ではないのか?」


「フフフ。ご理解いただけているのなら話は早い。我々はあなた方の国を併合する代わりに、あなた方にはある程度の自由な自治と安全保障を与えます。勿論、自由と言ってもこちらの方針には従っていただきます。ですが、ショウシ王のこの島のトップという地位は変わりません。他の皆さんも同じです。最初だけ政治顧問としてうちの者が政治には関与しますが……。それと、当然ですが宗教や文化の強制はしません。寧ろ今の琉角王国の文化を推進してください」


「それを我々が拒否すればどうなる?」


「我々はあなた方を見殺しにします。それに、もしかしたら宮殿の前に居る一部の兵士達が何故か暴れだしてしまうかもしれませんね」


「分かった。貴殿らの要求を受けよう」


「「「「「「王よ!!」」」」」」


 ショウシ王の答えに大臣達は慌てて立ち上がった。


「どうせ滅ぶならば、皆の命が保証される方が良かろう」


 この人、偉そうな割には意外と国民や部下の事を思ってるんだな。

 わたしはなんだかんだでショウシ王が結構信頼できる人なような気がした。


「では、こちらの書面にサインを」


 わたしは、友美ちゃんに持ってもらっていた、書面をショウシ王に差し出した。ショウシ王は素直にサインを書き終えると、こちらに書面を返してくれた。


「では、これからこの島を頼みます」


「ええ。勿論です」


「この事は翌日、国民に知らせます。ですから良ければ一日この島に滞在なさってください。宮殿の客室がございます」


「分かりました。ではそうさせていただきます」


「失礼だが、これからよとシラユキ様は家来と王。敬語は何か違和感がございます」


「そうですか? わたしは例え自分より下の立場の人間だとしても、尊重の意を示すべきだと思いますがね。人間はそれぞれ他人より優れているところがあるのですから」


「ハッハッハッ!! これは、一本取られましたな! 船旅でお疲れでしょうし、もうおやすみになられては?」


「ありがとうございます。そうさせてもらいます」


 わたし達はそれぞれ客室に案内され、兵士達は国の宿で泊まることになった。

 しかし! わたし達は第二の目的があるのだ!! そう、それは……。


「「「「「海だーーーーッッッッ!!!!」」」」」



 そう、わたし、友美ちゃん、満月ちゃんは城を抜け出し、一二三と幸樹ちゃんは船を抜け出してビーチに来ていた! それもほぼ誰もいないプライベートビーチ!!

 わたし達の夏はまだ終わってないぜーーーーッッッッ!!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ