表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/61

第拾参話 拡大

 わたし達がオフィスパーティーを開いた翌日。メルテムさんが改めて私の事務室に来ていた。


「昨日は飲んで暴走してしまい、すみませんでした……」


 初手はメルテムさんの謝罪から始まった。そんな頭を下げるメルテムさんに慌てて駆け寄るわたし。


「そんなの、楽しかったんだからいいじゃないですか! そんなことより、今日はどんなご用件で?」


「そうだった。この国の今後の方針と、我々はいつ本国に戻れるのかを聞きたかったんだ」


「そうでしたか。それでしたら少々お待ちください」


 わたしは、経験上この世界と元の世界の形は同じようなので、瞳ちゃんに描いてもらっていた元の世界の世界地図を取り出した。すると、メルテムさんは目が飛び出るほど驚いていた。


「な、何故この国にこのような地図が? それに我々がまだ地図にできていないような場所もありるし……。いったいあんたらは何者なんだ?」


 わたしは、笑みを浮かべながら答えた。


「にしし。この辺りでは、"勇者”と呼ばれていますが、"神”かもしれませんね」


「あはは。冗談はよしてくれ……」


「そんなことより、現状の我々をお伝えしましょう」


 わたしは、まずい方へ話が行きそうだったので、無理やり話を元に戻した。

 わたしは、沖縄近海を指さしながら解説を始めた。


「長門と、もがみはこの辺りで今、訓練を行っております。訓練が終了するまではしばらく待っていただけなければなりません」


 と言いながら実は周辺の島々に併合を促していた。先程、もがみの指揮を行っている幸樹ちゃんと長門の指揮を行っている一二三からあった報告では、上陸し併合するように促しただけで、与那国島と、西表島は承諾し、今は、長門が石垣島で併合を促しているらしい。因みにもがみは先に沖縄に向けて出港していた。まぁ、そんなこと外部には言えるわけもないのであくまで、“訓練”と言っておいた。


「分かった。だが、家族を本国に残し、一刻も早く帰りたい者もいる。できるだけ早くお願いしたい」


「分かりました。では、帰港したら、できるだけ早く支度を済まさせましょう。その時のオズマン帝国の案内は、メルテムさんにお願いします」


「任せとけ! 送ってもらえるんだ。そんなことならいくらでもしようじゃないか!」


「ありがとうございます。これを機に、両国の国交が盛んになる事を期待しています。もう、ご質問はありませんか?」


「最後に一つだけいいか?」


「なんでしょう」


「アキ天皇。この地域の開放を目指すと言っていたが、それは世界最強の国々を相手にするということか?」


「わたしの口から言えるのは、わたし達の今後の行動は今後の西欧諸国にかかっているという事です」


「なるほどな。今日はありがとな。では、あたしはこれで失礼する」


「分かりました。また一緒にお酒でも飲みましょう」


「あぁ。晩酌なんかしたくなったらいつでも呼んでくれ」


「あはは。分かりましたよ」


 わたしと、メルテムさんは固く握手をすると、メルテムさんは帰っていった。

 わたしは、一息つくと、友美ちゃんに連絡をとった。


『もしもし友美ちゃん?』


『あ~。葵姫どうしたの?』


『いや、例の計画は順調かと思って……』


『一応準備は出来てるよ。それに向けて満月ちゃんには兵士を訓練してもらってる』


『まあ、臣民兵を使ってもいいけど、実戦は大事だしね。それに、兵士は海軍が殆ど持ってちゃったし』


『流石に今の兵力で戦艦と、護衛艦の乗員を揃えるのはかつかつすぎ! 地元の漁師さん達まで徴兵してたじゃない』


『だって~。海を知ってる人がそれくらいしかいないんだもん。それに、人員の確保はこれからできるから』


『まぁね。それで? 一二三達はどんな感じなの?』


『後残すは石垣島と沖縄本島だけ。石垣島には長門が停泊してて、もがみは先に沖縄本島に向かってる』


『そう。じゃ~また連絡ちょーだい』


『はーい』


 わたしが友美ちゃんとの思念伝達を切ると、ちょうど一二三から連絡が入った。


『もしもし葵姫? 良いニュースと悪いニュースが有るけど、どっちから聞きたい?』


『いきなりだね~。じゃ~良いニュースで』


『良いニュースは石垣島の住人も併合を承諾した』


『ほうほう。良いじゃん。昨日今日とは思えない成果じゃん! で? 悪いニュースは?』


『それなんだが、もがみが三隻の軍艦と思われる物をレーダーで捕捉した後、確認したところ、黒煙を複数発見した。恐らく沖縄本島に向かっている』


『もがみなら追い抜けるでしょ?』


『そうなんだが、その後が問題でな……。お前から聞いたメルテムさんの話から察するに、黒煙ってことは石炭で動くブルベル帝国の船だろ? もし、沖縄本島を取りに来てるとしたら確実にもめると思ってな……』


『いや、逆にこれは使えるよ。沖縄本島を守るっていう大義名分で併合させてくれるかもよ?』


『そうだといいんだが……。とりあえず今は幸樹に全速力で沖縄本島に向かわせてる』


『分かった。長門も全速力で沖縄本島に向かって! ブルベル帝国の船より早くつけそう?』


『あぁ。最大戦速なら絶対いける』


『分かった。一刻も早く沖縄本島との対話を諮って!』


『了解!』


 これは、ちょっと計画を変更しないといけないかもな……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ