肉食女子
「——、ぎ——、むぎ——、つむぎ!」
「うー……なに?」
「今何時だと思ってるの?朝の七時半よ!遅れるわよ?」
「ん——、七時……半……?やばい!遅れる!なんで早く起こしてくれなかったの?」
「起こしたよ、叩いて殴って蹴って——」紬は母の話が入っていなく、急いでいた。やばい、やばすぎる間に合わない。
「朝ごはんは?」
「ごめん、いらない。」
紬は急いで、制服に着替え家を出て行った。
「行ってきます!」
走って駅に向かうといつも乗ってる電車が来て、ギリギリ間に合った。すると、匠先輩が同じ車両にいて話しかけてきた。
「おはよう。」
「おはようございます!匠先輩。どうしたんですか?」
「偶然だね?息切れしてるけど大丈夫?」
「だっ大丈夫です!いつもの寝坊です!」
「変わらないね。」微笑みながら匠先輩はそう答えた。
「もしよかったら、一緒に登校しない?」
「え!」
一緒にいけたら嬉しいが、こんな神と二人で学校に行ってるところを見られたら肉食女子に目の敵にされる。
「嬉しいんですけど、友達がいるので。」
「そっかー、それは残念。じゃー今日の帰り道とかどお?」
「か、帰り道ですか?!えっと……」
「まさか、帰り道も無理?」
そんな悲しそうな顔で見ないでください、先輩。いや、紬負けてはダメ、断らないと。断らないと。こと……。紬は頑張って断ろうとしたが、イケメンの眼差しに負けてしまった。
「わかりました。今日の帰り一緒に帰りましょう。」
「よかった!ありがとう。」
さらば、紬よ——
紬は自分の教室に着くと、葵と楓に匠先輩と放課後一緒に帰る約束をしたことを話した。
「あらら、頑張ってください。」
「まぁーイケメンの眼差しには負けるよね。わかるわかる。」
「女子達に殺されるかもしれない。。。」
「大丈夫、私たちがついてるでしょ?」
「ありがとう。二人とも大好き——」そう言いながら、三人で抱き合っていた。時間を忘れて——
「なんか、感動の会話してるところ悪いんだけど、ホームルーム始まってるんだが、席に座ってもらえかな?三人とも」
「すっすみません。」
——お昼休み——
「紬ー、お昼食べに行こう!」
「うん。今日は天気がいいから中庭がいいなー。」
「そうですね、そうしましょう。」
三人は中庭のベンチでお昼を食べ始めた。すると、どこかで見たことのある男の子一人が紬たちの方に近寄ってきた。
「あっあの!!この前はお世話になりました。」
男の子は紬に向かってそう言った。
「君は——」