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愛情  作者: 紅葉
10/11

学校を後にし、歩いていると、朝、匠先輩と一緒に帰ると約束したことを思い出した。

「あー!」

「どうしたんですか?」

「今日匠先輩と帰るんだった……」

「まぁ、そうなんですか。」

「ごめん!帰れない。」

「そうですか。では、また明日!」

 紬は匠先輩に連絡をして、急いで戻った——

 楓は家の車を呼び、一人で帰った。



額に何か温かいものがのっている感覚がある。そういえば、小さい時お母さんとお父さんがいない時も、同じようなことが起きたな。その時は——くんが……。葵は昔のことを思い出していると、ふと思った。先生は会議でいなくなって、保健室で休んでいるのは私だけなのに誰が私の上にてをのせているのか、と。葵はそっと目を開けると、そこには蓮が葵の額の上に手をのせていた。


「なっ。」

 葵は顔が真っ赤になった。

「お、起きたな。大丈夫か?」

「なんであんたがいるの。」

 葵は蓮が来てくれたのは自分のことが心配で、自分から行動してくれたと思い、内心嬉しがっていた。しかし、それは違った。話していると、葵のお母さんが途中で入ってきた。

「大丈夫?葵。あら、久しぶりね。元気?蓮くん。」

「はい。お久しぶりです。」

「ありがとうね。私が来るまで葵の体調見てもらっちゃって。」

「いえいえ、大丈夫です。」

 葵はやっぱりかと思った。蓮は心配になり来てくれたのではなく、私の親に頼まれてきたのだ。自分の意思できてほしかった。私はまだ妹ポジションなのか?蓮は葵が落ち込んでいるとは知らずに、葵の母と楽しく話していた。葵だけが、その場の空気から浮いていた。

「葵、大丈夫?さっきより元気なさそうだけど」

「大丈夫だよ、お母さん。でも、そろそろ家に帰りたいな。」

 こんな場所にいたくない。蓮といたくない。つらい。悲しい。

「そうね、帰りましょうか。蓮くんありがとうね。今度おうちにいらっしゃい。」

「はい、ぜひ。葵もまた明日な。」

「……うん。」

 蓮は葵が先程よりテンションが低いことが気になった。さっきあれほど、元気そうだったのに——。

 


葵と葵のお母さんは車で家に帰り、蓮も家に帰ろうと門を出た。すると、男の人が立っていた。蓮は誰か待っているのかなと思い、その人の前を通ると、あのと声をかけられた。


「君。ジョーカーの桐生蓮くんだよね?」

「はい、そうですけど、あなたは?」

「僕は佐々木匠。一応キングって呼ばれてます。紬ちゃんの第二のお兄ちゃんみたいな感じかな?」

 その名前を聞いて、中学の時にいた先輩を思い出した。

 紬がとても仲良しそうにしていた先輩で、確か紬の兄と幼馴染だった人。しかし、蓮はこの匠という人が紬と仲良しているのが、気に食わなかったし、いつも笑顔で。何を考えているのかわから苦手だった。

「お久しぶりです。中学の時そんなに仲良くなかったと思うのですが、何のようですか?」

「少し兄からの忠告?かな」

 最初の笑顔の時とは裏腹に少し怖さがある笑顔で話した。

「ぼくはもう紬ちゃんに中学の時みたいな思いしてほしくないんだ。だから紬ちゃんと話さないでくれるかな。」

蓮は何故あのことをこの人が知っているのか不思議に思った。匠先輩はあれが起きる前に引っ越したので、知らないはずなのに。

「嫌だと言ったら?」

 

プルルルル——

 

匠先輩の携帯が鳴った。開くいて見ていると元の笑顔に戻って言った。

「忠告はしたからね。僕からの話は終わりだから、また明日。」

 匠先輩は帰っていった。

「匠先輩ね。」

 あの犯人はまだ捕まってないし、まさか——。

 

そう思いながら、蓮も暗闇の中帰っていった。



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