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対能力者部隊 Cの5班  作者: 木ノ村 定
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Cの5班チュートリアル(2)「メオル視点」

5話目です。ワードで書き溜めた分を編集しつつ出しているので少し時間がかかってます。

13時を過ぎた頃に荷物が届いた。衣類と小物が入ったキャリーケースと銃が保管されている自分の胸ほどまでの高さのケース。あとは整備用の道具。


手伝いましょうか?と班長から申し出があったが、2往復くらいで済みそうなので断っておく。


荷物を運び終わり、早速銃のケースを抱えて1階の隅にあった訓練場に入る。

ケースを開き、愛銃を取り出す。


全長約1mと中々な大きさだが、対機械兵の銃器としては標準サイズである。

威力や安定性、頑丈さを確保するための機構を備えているので、重さはかなりのものである。これを抱えて走るのはきついが仕事なので仕方ない。


銃は戦闘員として配属された後に部隊の方から支給品という形で貸与される。


最後に使ってから期間が空いたので簡単に点検しておく。簡単な点検や整備は自分でできるように教え込まれるのでやり方は染みついている。


何も異常はなかったので早速練習することにした。


まずは目と耳を保護するためのヘッドセットを着用する。


付属しているゴーグルは目を眩ませるような過剰な光のみをカットし、暗視機能までついた優れもの。ヘッドフォン部分にはマイクも付いており、激しい銃声の中でも会話ができるようになっている。


次にグローブと防弾チョッキを装備する。練習で大けがをするなど笑えない。

装備し終わったら、訓練場の後ろにある箱から訓練用の弾丸が入ったマガジンを7つ取り出し、6つを防弾チョッキに付いているマガジン用ポケットに差し込んでおく。


銃の後ろ側の上面についたカバーを開き、そこにマガジンをガチャリとはめ込んでカバーを再び閉じる。

すると弾が装填される。後は安全装置を外せば発砲可能だ。


定位置に付き、安全装置のレバーを上げて解除する。


10m先の的に狙いを定めて引き金を引く。


ズパンッと銃声と共に的の紙に穴が開く。

近い距離しか練習できないが感覚は簡単に戻ってきそうだ。


マガジン1本には5発の弾丸が込められていたので、それが7本、計35発の練習を終える。反動で少々肩が痛むが少し休めば治るだろう。


銃の整備と片付けを終え、談話室に戻ると相変わらずくつろぐ班長といつの間にやら帰ってきたテルシアの姿があった。


テルシアはテーブルの上に何やら紙束と分厚い本を並べて、それらをじっくり眺めている。


「テルシアちゃん、おかえり。…それ何?」

「レメラ市の地図。地下施設の資料とか色々。」

と資料の山から目を離さずに答える。


横から覗くと、かなり細かい地図と地下施設の設計図などがずらり。


レメラ市といえば大陸の南西端に位置する街でF班の担当区域だったはず。真世界団の襲撃はほぼなく、安全で海も近いと観光地として評判のある市だ。


しかし、観光目的にしては調べる対象がおかしい気がする

いや、違和感しかない。地理ならまだ分かるが普通の観光に行くのに地下施設の設計図など頭に入れる必要はほぼないだろう。


「なんでまた地下施設なんか?」

今度は集中しているのか、それとも意図的に無視したのか答えはなかった。


班長も資料を眺めている。私も空気に押されて資料を真面目に見るが情報量が多すぎて、何を見ればいいのか全く分からなかった。


班長が興味を失ったのか、資料から目を離し、またぼんやりし始めたので私も資料から離れる。結局何がしたいのかよく分からなかった。


特にすることもなかったので自室に本でも取りに行こうとドアに向かう。同時に「ビビッ、ビビッ」と何かのアラーム音が聞こえてきた。


何の音かと談話室を見回すと班長がポケットからなにやら端末を取り出す所が目に入る。どうやら音はその端末から鳴っているようであった。


タッチパネル式らしき画面をスライドし、耳に当てる。


「…はい、了解しました。」

端末をポケットに入れながら班長が立ち上がる。


「招集がかかったので留守にします。多分今日の夜までには帰ってきますが、連絡は取れないと思うので何かあったらナウクリーさんに指示を仰いでください。」


何かあったんですか?と口を開きかけたが、班長はその前に部屋を出て行ってしまった。

テルシアの方を振り返ると相変わらず資料を見ている。いつものことなのだろうか。


談話室を出ると同じ階にある班長室から着替えた班長が出てくるところが見えた。


隊服を着こみ、肘や膝にはサポーター。リュックを背負って小脇にヘルメットを抱えている。

走って出口へと向かっていく。いつの間にか拠点の前に装甲車が止まっているのが見える。


装甲車は班長を乗せて走って行ってしまった。

連絡からそんなに時間はかかっていなかったが、ここまで手際が良いということは重要な任務でもあるのだろうか。


本を手に談話室に戻るとテルシアが資料を置き、背伸びをしている所であった。


「終わったの?」

「終わってないけど疲れたからきゅうけーい。」


班長のいなくなったソファーに腰を下ろし、班長が出ていったことについて聞いてみることにした。


「班長が急に出て行っちゃったけどいつものことなの?」

「うん、あの音の連絡の時は急いで行っちゃうんだよ。聞いてもはぐらかされちゃうから何してるかは知らないけど、私たちには関係ないみたい。」


班長が単独で行く任務など初耳だが、何かの会議だろうか。でも会議にしては装備が物々しかった。


「班長さんも特別監察対象だから、応援要請とかうけたんじゃないかなぁ。どんな能力かは聞かせてもらってないけどね。」

「え!?班長も!?」


班長も特別監察対象であったことに衝撃を受ける。今まで見たこともなかった監察対象がこの班には2人もいるのか。


「…もしかして班長も未成年だったりするの…?」

「うん、17歳だよ。」

班を任される班長であるという事実と普段の落ち着いた振る舞いもあって、完全に年上だと思っていた。


年下の上司と分かり、接し方が不自然にならないか不安になってくる。まさかこの年で経験するとは思いもしなかった。


「知らなきゃ良かったかなぁ…。」

ぼやいてみるが結局いつかは分かってしまうだろうことなので考えるのを諦めることにした。


5話目どうだったでしょうか。次からやっと戦闘シーン出てきます。

もし良ければ一言でも感想をいただければ幸いです。

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