表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/12

Chapter2 非常食

 ボクは命を狙われている。


 誰にかって?

 もちろん、目の前にいる人間の少女、チトに、だ。


「お腹、空いたね」


 いよいよ来たかその時が……。

 自然と自慢の黒毛を逆立て身構える。


「ボクは減ってない」

「うそ」

「ホントさ、キミが毎日パン屑しかくれないものだから、以前よりやせ細ってしまった。肉がスカスカになるほどには、ね」


 それを聞くと、チトはくすくすと笑った。


「それはごめんなさい。でも骨でスープを作ることは出来るよ?」


 一層警戒の念が際立った。


 しかし、チトは何かをしようとする様子はない。

 ただ西にある王国に向かって岩肌の道を行くだけ。


「それに今はその時ではないでしょう? 非常の時に食べるから、『非常食』って言うの」


 そう、ボクはこの少女の旅仲間なんかじゃない。


 ただの『非常食』だ。


 いつ殺られて食われるか。警戒する毎日。

 正直もう疲れた。


 チトは五センチ大のパン屑をボクに与えた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ