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学術都市キーン4

 能力値が更に上がってるのは想定通りだけど、魔力にしろスキルにしろ増えすぎじゃない?

 神々の祝福って明らかに向井と川崎のだよな。

 そのうち無駄に大胸筋とか上腕二頭筋だけ膨れ上がってバランスの悪い身体になりそう……。


 二人はしげしげとカードを見てから俺に返してくる。


「なるほど、魔力偏重の大した能力値だ。それにしても即死無効か、人間でこんなスキルを持っている者は初めて見たな」

「人間だと珍しいのか?」

「珍しいな、いや神族、魔族や不死族以外で持っているのが珍しいと言った方が良いか。生は有限であるのが常だからな。とはいえ、刹那の生を必死に生きるからこそ人含め有限の生を持つ者らは美しいともいえるが」


 ガイラルはニヒルに笑う。

 なんていうかこいつ俺らがイメージする魔王とはなんか違うけど、泰然としてるな。

 やけに落ち着いててこいつの方が神っぽいまである。

 別に誰かと比べたわけじゃないよ?

 話を聞かない某向井とかほぼ筋肉の話しかしなかった川崎の事じゃないけどね!


「お前人間好きなんだな」

「他の魔王よりはな、もっとも我は種族関係なく悪人が嫌いだ。我は暫く貴様につきまとうつもりだが気をつけよ、もし我の機嫌を損ねたら死を与えよう」

「…………」


 おいおいおい、いきなり何言い出したのこいつ。

 むかついたら殺す宣言されちゃったよおい。

 ってまてよ。


「お前俺に付きまとうって言った?」

「いかにも」

「いかにもじゃねーよ、むかついたら殺すとか言ってる奴を側に置きたくねえよ」

「まあまあ、我も少しだが気に入っている貴様を殺したくない。悪いことをしなければ良いだけではないか」

「悪い事をしたくてする人間はそういねえから」

「そういうものか? 分からんが善処せよ」

「はいはい」


 気分としてはいつ爆発するかわからない爆弾を隣に置いてる気分だぜ。

 出来れば離れたいけど、こいつ絶対離れないよなぁ……。

 ため息をついているとユウハ様と目があった。

 ずっと黙ってるから具合でも悪いのかと思っていたところだ。


「どうした?」


 ユウハ様はさっきの俺以上に顔をしかめている。


「今更だが私本当にお前の師匠でいいのかな?」


 本当に今更な事を言ってきた。


「いいんじゃない、それとも何か問題でもあるのか」

「だって私お前より弱いぞ? 魔力も無いし、獣人だしミニミ族だし……」


 徐々に声が小さくなっていく。


「ずっと気になってたけど獣人とかミニミ族ってなんか悪いものなのか? さらっとしか説明受けてないからよくわからないんだけど」


 俺が言うとユウハ様はびくりと震えて俯いてしまう。

 あれ、もしかして俺地雷踏んだ?

 ちらっとガイラルを見るとガイラルはわざとらしく咳き込んでから口を開いた。


「しょうがあるまい、無知な貴様に我が説明しよう。獣人は基本的に人間より下に見られている」

「何で? どっか人間に劣ってんの? むしろ五感とか優れててなにかと勝ってそうだけど」

「それを詳しく話すには歴史を語らねばならぬが、簡単に説明するがこの世界では6000年前に全世界、全種族を巻き込んだ戦争が起きている」


 へえ、初耳。全世界、全種族って凄いな。


「それでだ、戦争とは当然勝者と敗者がいるのだが」


 あー、成る程。


「人間が勝者で獣人は敗者なのか、でも6000年も前の話だろ?」


 ガイラルは頷く。


「うむ、理解が早くて助かるな。確かに6000年前の話ではあるがその影響は未だにあるのだ」

はえー……そんなことがあったのか。

「さらに言えばミニミ族は獣人の中でも基本能力が低いほうだからな、扱いはしかるべきだ」

なるほどねぇ、だからユウハ様はミニミ族どうこう言われた瞬間に下向いたのか。

「んー……」


 とはいえだ、正直種族と弱いかどうかはどうでもいいと思う。


「説明でなんとなくわかったけどさ、別に種族の優劣って歴史が決まるわけじゃないしどうでもよくない? それに、師匠が絶対弟子より強くなきゃいけないわけじゃないし、他でどっか一つでも勝ってればいいじゃん」


 俺が言った瞬間、ユウハ様がバッと顔を上げる。

 その目はちょっと涙目だ。

 相変わらず泣き虫だなこいつは。

 そもそもそんなに気にすることないじゃん、だって。


「ユウハ様ってここじゃ元学校の教授なんだろ? なら弟子の俺より確実に頭良いんだから師匠で良いんじゃねえの」

「だが……本当にいいのか?」

「弟子の俺が良いっつってんだから良いよ。それよりさ、街の案内してよ。ユウハ様と違って俺この街知らないしさ」


 俺が言うとユウハ様はぐいっと服の袖で目元をぬぐい、そしてちょっと偉そうに顔を上げ腰に手を当てる。


「し、しょうがないな。優しい師匠が弟子の為に案内してやるか。私について来い、遅れるなよ?」

「はいはい」


 ユウハ様は意気揚々と歩き出し、俺はそれについて行くことにする。

 ちなみに後ろを見ればガイラルは何が面白いのか、楽しそうにうんうんと頷いていた。

 お疲れ様です、白雪ななかです。

 駄文をここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。

 さて、報告で話しましたが、私怪我してしまったせいで現在左手が使えないので、更新が普段以上に遅れるかもしれないという事です。

 左手は早めに治るとは思いますが、もしこんな小説の更新を楽しみにしてる方がおりましたら本当に申し訳ありません。

 ちなみに今日は携帯で書いてます。

 遅れるかもしれませんが精一杯頑張って書きますのでどうかお許しください。

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