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反逆者と逃避行

長く空いてしまったけど続きです

「それについては俺から話そう」


少し離れた位置から様子を伺っていたフェルが紅月達の前に進み出た。そして紅月達に話した内容を語り始めた





「つまり私達の中にはまだ"魔石"があるのですか」


「あぁ。1度発動した"暗黒星(ブラックスター)"を取り除く事は俺には出来ない。発動前なら俺でも可能なのだが···」


全てを語りそう申し訳なさそうに頭を下げるフェルだったが次の言葉に全員がパッと表情を明るくさせる



「だが1人だけ発動した"暗黒星(ブラックスター)"を取り除ける奴を知っている」


「本当なの!フェル」


「それは誰なんだ!!」


詰め寄ってくる紅月達にフェルは目を細め答えた


「...海焔国より南西に位置する"蒼天国(そうてんこく)"の守り神で俺と同じ竜王の"蒼天竜王 エスカトール・ドラゴン"だ」






"蒼天国"─南東に位置する空に最も近い霊峰─蒼天峰─


『遂に発動したのか"狂王"のシナリオが...』


ゆっくりと頭を持ち上げ風に乗って流れて来る音にこの霊峰の主である"蒼天竜王 エスカトール・ドラゴン"ことハクア・エスカトールは小さく溜息を付いた


『やはりアイツが見た未来は正しかったようだな』


俺も動かねばならないな───·····


バサッと翼を羽ばたかせハクアは霊峰から飛び立った。やがて巡り会うであろう旧友を思いながら─·····











「よし!なら今すぐ"蒼天国"に行こう!!」


思い立ったら即行動あるのみ!グッと拳を握り叫ぶ紅月に全員1人除くが目を見開く。紅月の無茶振りは今に始まった事では無いがそれでも戸惑いは隠せない


「えっ?今から旅立つの紅月??」


「流石に急すぎないか?」


「いや、俺は紅月の案に賛成だ。早いうちに海焔国から離れた方がいい。恐らく俺達は国に反する"反逆者"として見なされている筈だからな」


「は!?何で俺達が"反逆者"扱いされんだよ!!」


「そうよ私達は国に所属する”竜使い”そう易々と”反逆者”にされる訳ない」


「答えならあるぞ。お前達の胸元に」


スっとクリスト達に胸元を指差し見るようにフェルが促す。クリストは恐る恐る胸元を除くとそこには黒い星を象った"紋章"が薄ら暗い光を放ちながら浮かび上がっていた


「な、何だよ···コレ」


「いつの間にこのような”紋章”が···」


「その"紋章"こそ”反逆者”の証。体内にある”暗黒星(ブラックスター)”を介して”黒星院”にお前達が裏切り者だと伝達している」


「マジですの?」


「成程つまり追手が来るから早々海焔国を離れた方が良いと言うことか」


「あぁ」


「そう言う事なら仕方ない。フーラ」


「任せて!!”遠隔の(ストロング・アイ)”···どうやら陸と海路はもう駄目みたいね。ユナイトの兵士が集まってるわ」


「ターナ」


「分かってますよクリスト。陸と海が封鎖されているとなれば...空も直に封鎖されるでしょうから"蒼天国"へ向かうにはこの樹海を通り抜け"氷雪国(ひょうせつこく)"を経由したルートが一番最短でしょうね」


「リリア」


「えぇ。樹海を抜けるならこの樹海の王である"蛇龍(ジャコウ)"を倒さないとならにゃい。属性は"草"にゃよ」


「うん。経路はそれでいいとして経由する"氷雪国"って確か"ユナイト"と敵対してたっけ??」


「あまり良好な関係とは言えないな」


「まぁ"氷雪国"は"氷雪竜王 ブルースノウ・ドラゴン"が守護する国であり俺を含めた竜王は皆"狂王"を敵視しているからな」


「竜王全員が”狂王”を?どういう事にゃよ?」


「俺達も知りたい」


「それにさっき言ってた”あの子”とどういう関係があるの?フェル」


「うむ。それは···」


テキパキと準備しながら聞いてくる紅月達の質問に答えようとするもそれは招かれざる客によって阻まれた


「動くな!!」


「我々は"ユナイト国 八咫烏部隊"教皇様の命により"反逆者"である紅月・アル・インフェルノイド及びその仲間を連行する!抵抗しようものなら容赦はしない!!」


「随分と早い到着だね」


「恐らく誰かが通報したんでしょうね」


「それと”紋章”の影響もだな」


ゾロゾロと集まって来る兵士達に紅月達は互いに顔を見合わせた。チラッと視線を辺りに逸らせば気まずそうに視線を逸らす市民がチラホラ居るのが伺えた


「どうやら通報したのは彼らですね」


「まぁ仕方ないだろうよ」


「それで紅月どうやって切り抜けるつもりだ?」


「ん?簡単だよ。ね、フェル」


「あぁ。寧ろその人数で俺達を捕らえようと言う方が無謀だろう」


そう言うや否やフェルが軽く床に手を置くと兵士と紅月達の間に亀裂が入るとマグマが噴き出す。やがてそれは蛇の姿に変わり次々と兵士へ襲い掛かった


「な!?何だコレはっ!?」


「ぎゃあ!!腕がっ!!」


「ひぃいい!!」


慌てふためく兵士たちを後目に紅月はフフン!と胸を張りながら得意気に笑う


「地の利は俺達にある。なんてったってフェルはこの国の主で竜王だからね」


「ん?確か海焔国の竜王って...」


「灼熱の焔をもちあらゆる物を粉塵へと化す"爆炎竜王 インフェルノ・フレイムドラゴン"」


「フェルがその"爆炎竜王"よ!!」


「え?」


「今は説明する暇など無い。今のうちに逃げるぞ!全員俺に捕まれ」


「掴まれってまさかフェル···」


「そのまさかだ」


「またアレで移動するの!?」


「え?何??何するのフェル??」


「いいから、さっさと俺に掴まらんかぁああ!!」


『イエッサー!』


「くっ?!待てっ!」


どうにかマグマの蛇を潜り抜けた兵士が紅月達を掴もうとするも"パリッ"と電気が走り紅月達の姿は一瞬にして消え兵士の手は空を切るのだった


「逃げられたか!!」


「あの人数ではそう遠くに行けるはずない!探せぇ!」


「はっ!!」




「無事切り抜けたみたいやなぁ…出番ないやん」


「仕方ねーだろ?とにかく早く"フリード"に報告しよーぜハヤテ」


「せやなダリス」


バタバタとその場から離れる兵士達を家の屋根から見下ろす2対の影。2人はニッと笑みを浮かばせ静かに姿を消した





"氷雪国"─ブルークリスタルに囲まれた祭壇奥──


「ククッ...時は来たみたいだなぁ」


行くぞお前ら!!勝つのは俺様達"革命軍"だ!!


おぉ───!!


「あの時の借り返させて貰うぜ"狂王"」


響く歓声の中央、”氷雪国”最強の氷の竜王”ブルースノウ・ドラゴン”ことフリード・インフィニティはニヤリと笑い外へと歩き出した



色々名前出て来て大変···笑

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