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立会人と

いよいよ始動!

様々な人や物資が行き交う海焰広場の中央。その一角にある銅像の前に佇む1人の青年─紅月・アル・インフェルノイド─は遠くから自分を呼ぶ声に気付くと先程まで読んでいた本を閉じ段々と近寄って来る声の主に向かって手を振った


「紅月」


「こっちだよ凪、それにフーラ久しぶりだね。俺が去った後の首都ユナイトでの生活はどう?」


「あまり変わらないさ」


『そうそう変わらないわよ』


凪と呼ばれた翡翠色の髪色が特徴的な青年─凪・イース・シュベルト─と彼の相棒である少女もとい竜─フーラ─は紅月の問いかけにそう答えた。


「そっか。まぁこんな所で立ち話もなんだし俺ん家に行こうか」


「だな」


クスクスとお互い笑いながら人混みの中を目的地へと歩き出した


ここは首都ユナイトから南西に位置する海と火山に囲まれた海焔国。昔から石炭や石油などの天然資源の発掘が盛んでその輸出量は他国を遥かに凌ぐ程豊かで街に住まう殆どの領民は資源のお陰で成り立っている。更にもう1つこの海焔国には五大竜王の内の一体である爆炎竜王が住まうという火山があり各国からその竜王を一目見ようと海焔山に挑む冒険者や学者達が訪れていて街は観光地としても有名なのである


そんな街中から離れた小高い丘の上に紅月の家兼喫茶店はあった。手にしていた本をリビングに置き紅月は庭先にあるテラスへと凪を案内するとお茶を取りに再びリビングへと向かう。予め用意していたティーポットとカップをトレーに置き昨夜用意していたクッキーとマカロンを皿に乗せが凪とフーラが待つ中庭へと向かった


「お待たせ」


「差程待ってはない···ん?今回はハーブティーか?」


「そうだよ。しかも俺独自に新しく開発した紅茶」


「つまり味見役という訳か」


「うん。感想によって新商品として出すか出さないか決めたいからさ」


「ならば戴くとしよう」


目の前に置かれたカップを手にし凪は1口飲む。ほんのりとだが口内に広がるハーブの香りと桃とさくらんぼの甘味。後味も悪くは無い


「商品としては問題無いぞ紅月」


「良かった~なら新作リストに加えておくよ。本題の前にまずあれからユナイトでの話聞かせて欲しいな」


「無論構わないぞ」


ニコニコと笑いながら催促してくる紅月に手にしていたカップをテーブルへと置き凪は笑みを浮かばせながら語り始めた


「へぇ、何気に皆楽しく過ごしているんだ」


「あぁ。それと最近ハクアとリクリスが新たな術技をマスターしていたな」


「そっかそっか~皆頑張ってんだなぁ」


パクっとマカロンを口に放り込み心底楽しそうにしている紅月を凪は真っ直ぐ見やりながら思い出したかのように言葉を紡ぐ


「アレから1年経つが紅月、例の約束は果たせそうか?」


「うん!準備も出来てるよ」


「そうか...だが本当に俺達で良かったのか?」


「勿論だよ凪。お前達が立会人なら大歓迎だよ」


クスリと微笑み紅月は戸棚からその証であるマントを取り出し肩にかける。その背面に記されたるは数多の試練を乗り越え与えられた称号。焔で描かれた竜の紋章で最強の竜使いであり焔の竜王の恩恵を受けし者の証...


「フェル...漸く君に会えるね」


海焔国最北端に位置する活火山としても有名な海焔山。その地下深く蠢く影が一つ...


『漸くか...漸く約束が果たせる』


焔に身を纏いゆるりと頭を掲げ海焔山の主である竜王が笑う


『紅月よ今こそあの日の約束を果たそう!!』


バサッと翼を広げ大地を揺るがす程の咆哮を響かせ爆炎竜は天に向かい飛び立つ。かつて交わした幼き彼の者との約束を果たす為に...


『時は来た─·····!!』

名前が中々愉快だなぁ笑

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