襲来!”黒蝪蝶”2
久々の更新です。キャラが勝手に動く動く
その言葉と同時に外から凄まじい爆発音が響く。急ぎバルコニーへと走り外を見た。そこには真っ赤に燃え上がる城下街とその上空には夜空よりも黒い竜が飛んでいるのが伺えた
「チッ!よりによってこの時を狙って来るとはいけ好かねー連中だぜ…!サウザン!技術室にいる雪芽と雪那を呼んで城の連中と手分けして領民の避難を誘導しろ!!アイツらは俺達が食い止める!!」
「分かった!!後、ダリス達に緊急連絡竜を飛ばしといたから...!」
無茶しないでね…!そう言い残しサウザンはすぐ様兵に指示を出しながら技術室へと走っていった
「フリードさん、その」
「あ?謝罪はいらねーよ。どの道こうなる事は分かっていたからな」
「そうですよ紅月さん。元より氷雪国はユナイトと敵対してたんですからね」
とにかく今は連中の進行を止めることが優先だ─・・・
ゴウッ──
冷たい風が吹き荒れたかと思うと紅月達の目の前には冷気を纏わせたブルークリスタルの竜が現れ咆哮を上げた
「行くぜ雪華」
「了解ですフリードさん」
『"竜輝解放"』
フリードに向かって伸ばされる雪華の右手のサファイアにフリードは優しくキスをする。すると眩い光が2人を包み込み光が収まったその場所に現れたのはフリードと融合を果たした雪華が居た。髪色はアイスブルーへと変わり髪は腰まで伸びていてその額にはクリスタルの角が生えていた。
「毎回思うんですが姿変わるのどうにかならないんですかね」
『仕方ねぇだろ。今この身体は俺様と雪華が共有してる状態なんだからよ』
さり気なく文句を言う雪華にフリードがそう返すと雪華inフリードが空中へフワリと浮かび上がる
「まぁいいですけど...」
『んだよ素直じゃねーな。内心は嬉しそうにしてるくせに』
「っ!少しは黙っててくれませんかね!?」
『照れてんじゃねーよ。俺様は嬉しいぜ?雪華と繋がってるみたいでよ』
「...またアナタはそういう事を恥ずかしげもなく」
何やら夫婦漫才を繰り広げている2人に紅月達は何も見てないフリをする。色々ツッコミたいが今は被害を食い止めるのが先だ。雪華と同様に紅月もフェルと同化すると凪達と共に空へ飛び立った
「2人が緊密な仲なのは分かった。取り敢えず目の前の敵に集中しないかい?」
『そうだぞ』
「すみませんフェルさん紅月さん」
『少しくらいいいじゃねーか』
「そもそも公衆の面前で破廉恥な行いをするのはどうかと思うぞ?」
「凪くんの言う通りですよ」
『何で俺様だけが責められてんだ?』
『1番エロいから』
「...後で覚えてろよ(特に雪華)」
キッパリと言い切られ少し落ち込む素振りを見せるもそれは一瞬でコチラに向かってくる"黒蝪蝶"を雪華inフリードが力一杯殴り飛ばした
『はっ!無駄無駄!!テメーらの動き全部見切っているからな』
「相変わらず物理でいくんですね···”氷塊よ礫となり敵を叩き潰せ”」
殴り飛ばした"黒蝪蝶"にすかさず雪華が言葉を紡ぐと数多の氷の礫が”黒蝪蝶”へと降り注ぎ地面へと叩き落とした。それを見届けた雪華が紅月達の方へ視線を寄越しながら告げる。
「こっちは俺達が引き受けるんで紅月さん達は残りを頼みます」
「分かった!行こうフェル、皆」
『あぁ(確かに黒蝪蝶だが妙な違和感を感じるな···気の所為なら良いが)』
「俺達は正面のヤツを迎え討つから凪達は···」
「ふむ。ならば俺達は西側あの2体を引き受けよう」
「では左側は私達にお任せ下さい」
「こっち側は任せろ!」
「よし、それじゃあ皆ミッション開始!!」
『イエッサー!!』
紅月の掛け声にそれぞれが"黒蝪蝶"へと向かっていく。それを見届けた紅月は唸り声をあげコチラを見下ろす"黒蝪蝶"に不敵に笑ってみせた
「俺達がいる限りこれ以上好きにはさせないよ」
グォオ──
と咆哮をあげ突進してくる"黒蝪蝶1"を軽やかに避け手にしていた刀でその背中を切り付けた。"黒蝪蝶1"は一瞬怯みはしたものの身を翻し黒いブレスを吐き出す。勿論紅月はそれを躱し距離を取るも背後に迫る2匹目の”黒蝪蝶”の気配を感取りすかさず屈み回転しながら刀を振り抜いた
ザシュッ─·····
ギャオ──!
振り抜いた刀の切っ先が”黒蝪蝶”の額を切り裂く。堪らず短い悲鳴を上げ背後にいた"黒蝪蝶2"は赤い飛沫を撒き散らしながら空高く舞い上る
「チッ...!浅かったか」
『そう急くな紅月よ』
「っ、フェル···ごめん」
『こういった戦いの場において大切なのは焦らず冷静に相手を見極めることだ。ただ闇雲に攻撃を繰り出すだけでは意味が無い。サシの勝負ならまだ応用が効くが今回は2:1。状況を見ながらで無いと厳しい戦いだ』
「それは分かっている...けど」
フェルの言い分は分かる。だけど時間を掛けすぎてこれ以上被害が広がる事は避けたい。なるべく沢山の人の命を救いたい。そう紅月は思っている。そんな紅月の気持ちを察してかフェルは優しく言い聞かす
紅月よ何のために俺がいる??1人ではない。お前には俺が付いているだから焦るな余計な心配はするな。必ず勝てる皆を救える俺を自分を信じろ──
「フェル...そうだよね。うん俺は1人じゃない。ありがとうフェル!」
『何、礼には及ばん。さて本来のお前のテンションが上がって来た所で試してみるか?』
取っておきの切り札をな──·····
マイペース更新ですがこれからもよろしくお願いします!