増えるものの検証
まずは旅行に行くことにした。
旅先で今後の計画を立てよう。
何ができそうなのか、何がしたいのか。
うーん
旅行かぁ。久しぶりだ。
どこに行こう?
海か街か、国内か海外か。
お金があるから荷物は少なめで、足りなくなったら現地調達。
今までは予算ありきだったけど、1泊10万とかでもいいんだなぁ・・・
そういえばこの財布、日本円以外にも対応してるんだろうか?
うん。海外にしよう。
フィレンツェ。
デザインの専門学校で行った研修旅行で、フィリッポリッピの「聖母子と天使」に衝撃を受けた。
時が止まる、動けなくなる、くぎ付けになる、息が詰まるような衝撃。
あの絵を観に行こう。
ネットで「フィレンツェ 高級ホテル」と検索する。
大邸宅と修道院を利用したホテルを見つけた。
おお!宮殿に泊まるみたいな雰囲気の部屋!
よしここにしよう。
6泊で100万くらいのプランと700万超えのプランがあるのは、部屋のサイズのちがいかな。
2週間後の6泊100万の部屋を予約する。
ちょっと腰が引けてしまったのと、一人で泊まるには広すぎるだろうという予想から、
700万のプランはやめた。
驚いたのはこんな金額のホテルでも、予約で埋まっていること。
世の中お金のある人ってたくさんいるんだなぁ・・・と変なところに感心してしまった。
ファーストクラスの往復チケットが80万くらい。
移動と宿泊だけで180万!
すごい大金だけど、3億あるんだからこれくらいの贅沢しても大丈夫だよね!
あ。3億じゃないんだ。
もっと出てくるのか。残金計算しちゃったけど、残金計算する必要ないのね。
その後私は、銀行の外貨の両替ができる支店へ行き、ユーロを手に入れた。
財布が日本円以外にも対応しているかどうか確認するのだ。
ついでにしばらく使うためのカードに300万入金してきた。
両替したのは10万。
100ユーロを8枚財布に入れる。
財布をしめる。
財布を開け800ユーロを取り出す。
財布をしめる。
財布を開けると、800ユーロ入っている。
日本円以外にも対応しているようだ。
何がどこまで増えるのか試したくなって、自作デザインの紙幣的なものを作ってみる。
ミドリ通貨。
円の感覚で1万ミドリ。
イラストレーターで製作し、両面印刷。
やっぱりもっとスペックの高いPCを買おう。
プリンターも買おうかな。
ミドリ通貨を4枚作製。
A4に印刷するのに、余白がもったいなく4枚印刷してしまった。
カッターマットを出してきて、きれいに切る。
なかなかいい出来。
両面の印刷がちゃんとそろっている。
デザインは適当だけど。
ミドリ通貨を4枚財布に入れる。
財布をしめる。
財布を開け4万ミドリを取り出す。
財布をしめる。
財布を開けると空だった。
切手、名刺も試してみたけど、増えなかった。
どうやらピンポイントで「広く流通している紙幣」だけが増えるようだ。
財布はどうやって通貨を見分けているんだろう???
いろいろ考えてみたけど、この財布自体が不思議なんだから考えるだけ無駄だな、と思い検証を止めた。