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使っても無くならない財布の使い道 小心者地味女子の場合  作者: 入間秋生
小心者地味女子 瀬田ミドリの場合
11/16

買い物をする

引っ越すため新しい部屋を探す。

今より広くて新しい物件、キッチンとバスルームが広くてきれいな方がいい。

新しく家具も買おう。

あのホテルにあったような家具も、今の私なら手に入られるのだ。


住んでいる町が庶民的な町であることもあって、なかなか思うような物件がない。

広さを求めるとファミリータイプになってしまうのだ。

ファミリータイプだと、考えている間取りとちょっと違うんだよね。


いくつか内見予約を入れ、買い物に出かける。

久しぶりに洋服や化粧品を買おうと思ったのだ。


いままで手の出なかった憧れのブランドでも問題なく買える。

ダイア一粒のシンプルなピアスも欲しい。

高いから手を出せなかった、使ってみたい化粧品もあるんだ。


洋服屋さんで「ここからここまで全部」


昔友人と一度言ってみたいよねってキャーキャー言い合っていたあのセリフも、今ならいえる。

大量に買い物しても全部送ってもらえばいいから、帰りに話題のレストランにでも行こうかな。

タクシーで行って、タクシーで帰ってきてもいいんだ。


まぁ都内を車移動は渋滞に巻き込まれそうだから、とりあえず行きは電車で行こう。


その日私は買い物三昧、高級レストラン、電車の動いている時間なのにタクシーで帰る

の三つを実行したけれど、それでも使ったお金は200万ちょっとだった。


憧れのオードリーヘップバーンが着ていたトレンチコートは155cmの私には長すぎた。

着慣れない高級ブランドのワンピースは、完全に洋服負けしていた。

ダイアのピアスとファッションリングも、私に似合うものを選ぶと石が小さくなった。


家に帰って暗い部屋に座り込む。

この間のボランティア後の飲み会で感じた、よくわからない寂しさ。

あれがなんだかわかってしまった。


努力なしに手に入れたお金で贅沢をすることのむなしさだ。

みんなやりたいことがあって、それを実行して楽しそうだった。

私にはやりたいことがないんだ。

だからむなしいんだ。


もし手に入ったのが無限にお金の出てくる財布ではなく、

3億円のあたりくじだったら、一番初めに寄付しようと思っただろうか?


私のことだ。

「生涯年収 平均」を調べて平均よりちょっと多いくらいを貯金しただろう。

残りでマンションを買う。

そしてちょっと旅行に行ったかもしれない。

でもあんなに贅沢な旅行ではなかっただろう。

そしてその残りを見て、もしかしたら寄付を考えたかもしれない。

寄付の前に、今日のような贅沢をしたかもしれない。


やりたいこと。

私のやりたいことって何だろう?

リストに書いたことは本当にやりたいことじゃないような気がしてきた。

一日一話投稿は大変ですね。

昼休みにチマチマと書いているのですが、土日分の書きためできませんでした。

無念ですが、力不足ですね。


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