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使っても無くならない財布の使い道 小心者地味女子の場合  作者: 入間秋生
小心者地味女子 瀬田ミドリの場合
10/16

2年ぶりのボランティア

今日は久しぶりのボランティア。

一緒に遊ぶのが未就学児なので、園庭でお昼ご飯を食べ、近場の公園へ遊びに行く。

出がけに園長先生が声をかけてくれる。

子どもたちもうれしそうに「いってきまーす」と手を振る。


2年たつと子供も入れ替わっていて、知っている子があまりいないけど、子どもたちはそんなこと関係なく、接してくれる。

子どもたちに「おねーちゃん」と呼ばれるのは、ちょっと恥ずかしい。

幼児さんたちにお姉さんと呼んでもらえるほど、若くないからね・・・

でもまぁ、そこでかたくなになっても仕方ないのでお姉ちゃんと呼ばれておく。


年長さんや小学生くらいになると名前で呼んでくれるが、

小さい子でも名前で呼んでくれる子もいて「みどいちゃ」と舌足らずに呼ばれるとうれしくなる。


今日はちょっと暑かったので、公園の帰りにコンビニでアイスを買って帰ることにした。

私はさっぱり目のアイスキャンディ。オーソドックスなソーダ味。

子どもにはアイスクリーム系が人気のようだ。

園庭に座り、みんなでアイスを食べる。


子どもにつられてアイスクリームを買ったボランティアが、私のアイスキャンディを見て

「あー私もアイスキャンディにすればよかった~

アイスクリームだと口の中がベタベタ」

と言って隣に座る。

「暑い時には断然こっちでしょ」

私も笑って答える。

「瀬田さん久しぶり。思ったより健康そうだね」


うん。太ったってことかな。


「仕事辞めってさっぱりしたからね」

思ったのとは違うことを答える。

何人かの子どもたちは、園庭で遊び始めた。

それを見て私たちもアイスを食べ終え、遊具に向かって歩き出す。


16:00頃まで子どもたちと遊び、その後はボランティア同士で飲みに行く。

このボランティアは昼間子どもたちと遊ぶ楽しさと

終わってから仲間とわいわい飲みに行ける2つの楽しみがある。


飲みに行くのは苦手、という人もいるし参加はもちろん自由だが、私は飲み会も好きだ。

飲み会は自然と活動内容や子どもたちのこと、社会的養護などの話になる。


厚生労働省によれば社会的養護とは

「保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこと」

だそうだ。


私は難しいことを考えてこの活動を始めたわけではない。

単純に子供と遊びたかったから始めただけなので、社会的養護という言葉もボランティアを始めたから知った。

でもボランティアの中には色々と理想や理念があって動いている人もいる。

久しぶりに会った友人たちは、相変わらず熱心に語り合っている。

私が参加できずにいた間に動き出したプロジェクトもいくつかあるようで、話す顔が輝いている。


約2年ぶりのボランティアは楽しかった。

みんなと話せたのも。


だけどなんとなく、寂しいような複雑な気分でその日は眠りについた。

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