代役のお兄様
━━━━大魔界・マギカニア。
獣、魔物、悪魔、妖精、天使、堕天使、エトセトラエトセトラエトセトラ!!
渾沌の縮図の様なマギカニアでは戦乱などと言う言葉は辞書にはない!
何故なら、ここは地獄の釜の底。
大魔界・マギカニア……。
そんなマギカニアにも、一流悪魔達が集う大悪のセレブリティ~なエリアがある。
マギカニア大都市・マギアル………!
………の辺境の!!
更に隅っこの!!
魔界 (廃)城 ・ ピリピリヒル!!
そこに我らが姫はいた!!
「集まったな、お前達………」
「ハッ……!」
薄暗い部屋にロウソクの火だけが灯る。
「クックック!!ではこれより、大魔界ミーティングを始める。」
「………………。」
「なんだ?何か言いたいのか?申して見よ!」
「その中二くさいの、やめませんか?姫。」
「あと、大魔界ミーティング、名前ダサいっす。2人しかいないし。」
「なっ!?なにぃ!?文句があるのか?」
テーブルを勢いよく、拳で叩く首領。それには2人も、「え?あぁ、はい」とだけ。
「ぬぬぬぬ!!私だって!暗いの苦手なんだぞ!!雰囲気、大事だろう!!」
「じゃ、灯りつけましょうよ姫。」
従者の1人、召喚師のニカウがロウソクの火を消す。
「わぁ!ば、ばかぁ!!先に火を消すな!!暗いだろう!!」
騒ぐ姫をよそに、もう1人の従者、執事のアルスが電気を付ける。魔界でも電灯があるのだ!!
「あぁ、すみませ……」
「あ、あれ?姫?」
2人が灯りが着いた部屋で、改めて姫を確認する。
「暗いだろうっ!!お兄様もいないのにどうするんだっ!!」
姫はテーブルの下で、頭を手で守るように縮こまっていた。しかも涙目だ。
「ひ、姫、何して……」
(あ、可愛い………)
「チキンッスね。」
「こ、こら!ニカウ!姫に失礼だろっ!!こんなに可愛い姫、魔界にいないぞっ!!」
「アルスさんがロリコンすぎるんスよ。俺はピクリとも来ねぇッス」
「お、お前ら!!私を無視するなぁっ!!」
姫の名はミナリア・フォン・マギアル・ドリミア。
通称・ミナリア姫。御年16才の割に幼女くさい、胸の発育をちょっと(?)気にする、ややちっこい、あらゆる意味で微妙な夢魔の姫である。