表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白昼夢のヒメ!!~夢魔の姫とカケラの王子~  作者: ブラボー
偽りのアナタへ
39/64

無効の従者 ~色~

━━━…………。


「お兄様!!」

「大丈夫です。大事ありません。」


あぁ、大丈夫なのか


「少し休まれれば」

「本当に?」


そうだな。ちょっと疲れたかも


「今日は………」

「え~?またぁ?」


…………?


「しかし、お嬢さま………が………ですの……から……」

「でも、お兄様が…………」

「3日目か。やれやれ……に………った……です」


3日?ちょっと寝過ぎだろう!?


「ハッ!?」


目が覚めると、目の前には金髪、褐色肌、紅い瞳の軍服の女性がいた。

体を確認する。


「やれやれ、ようやくお目覚めか。何ともないよ。骨も太く、頑丈な男だ。」

「お前は………」


女性はこちらに会釈する。


「私はエルナ。エルナリーナ・ブレイズ。顔を合わせるのは初めましてだな、王子の継承者。」


間違いない。あの要注意人物のリストの顔だ。

だが、なんだ?


「王子の継承者?」

「あぁ、そうだ。私はお前が王子と公園で会合した場にいた。覚えていないか?王子がお前に任せたのを。」

「ちょっと待て!!アレが?」


確かに、顔は思い出せないが、なんとなくそんな気はする。


「感じられるはずだ。何故なら、王子は最後のカケラをお前の中に刷り込ませ、それが原因でこちらに召喚されているはずだからな。」


「じゃあ、もしかして、ニカウが召喚するのも……」

「織り込み済みだ。今は言えないが、お前にはやってもらわねばならぬ事があるからな。」


「それは………」


緊迫した空気が流れる中、部屋の扉が開いて誰かが入ってきた。


「お兄様!!」

「うおっ!?」


胴回りに抱き着いてきたのはミナリアだ。


「よかったぁ~!」

「ははは、大げさだな……」

「もぅ!大げさなワケないじゃない!!お兄様、5日間も寝てたんだよ!?」


…………え?

思わず、エルナを見やる。


「本当です。襲撃から5日間、この焼却者の基地で眠り続けていました。」

「その間、エルナったら、ず~っと部屋で勉強・格闘術、講義って………変な合宿みたいで私、そろそろ………」

「ところで、お嬢さま。本日のノルマは?」


それを言われると、ミナリアは「げ」と気まずそうな顔をする。

抜け出してきたらしい。

エルナの目が怖い。


「鬼!!」

「鬼です。」


「悪魔!!」

「ここは魔界。不思議はありません。」


「ムムムムぅ~!!」

「お嬢さま、それが終われば今日はいいですよ」


淡々と受け応えるエルナに頬を膨らませていたが、それを聞くと「すぐやるね!」と部屋へ戻って行った。


「いいのか?エルナさん。俺は王子じゃないのに」

「勘違いするな。お嬢さまは泣き虫だ。お前が王子じゃないと知れば、どうなるか。アルスやニカウも、さぞ苦労して誤魔化したのだ。同胞の苦労を無に帰すほど私は無血な女じゃない。」


「そうか………」

「それと…………エルナでいい。」


そう言うと、少しばかり気恥ずかしそうにその場を去った。

照れ屋なのだろうか?


━━━エルナが行ってしまったので、部屋を出てみる。

驚いたことにマギアルやピリピリヒルの城とは違い、扉などはオートの機械式だ。施設内は驚くほど近代的ではあるが、見て回ると施設内は電気が引かれているのではなく、魔法で電気を発生させているのが分かった。故に電線などは全くと言って良いほど見えない。代わりに特殊な線が描かれている。恐らくはアレが電線の代わりらしい。


歩いていると、兵士があちこちにいる。

茶を飲み、休憩している者から書類を手に忙しなく動く者。ミナリアはと言うと、兵士の訓練に混じり、サンドバッグに鋭いパンチを入れていた。思ったよりパワフルだ。汗を流しながら、こちらに気が付くとニコニコと笑いながら大きく手を振り、すぐに訓練に戻る。


「なぁ、知ってるか?」

「あん?何が?」


通り過ぎそうになるが、向こうの角で兵士が会話している。


「総長の主人だよ」

「あぁ、あの……。男の方はハンパねぇ頑丈な体らしいぞ」

「あの女の子、いいパンチ入れてるぜ。流石は総長が教えてただけはある。」

「どうなんだろうな……。強いのか、どうなのか。足手まといにはならなきゃいいんだが……。」

「我々も手段は選んでられないからな。と言うわけで、相棒、こんなものが………」


……………。


「おぉ!?こ、これは!?」

「こないだ河に飛び込んだ後の麗しい総長の濡れ姿だ」

「イイ……!アングルが」

「欲しいか?」

「良い仕事するぜ、相棒!!」


どうやら、エルナはファンがいるらしい。

にしても、盗撮とは………。

ミナリアの時のノースと言い、兵士と言い、なんで盗撮主義なんだ?

エルナに報告した方がいいだろうか?


「………あ!!」

「どうした?相棒。」

「そ、総長!!いつからそこに!?」

「い、いやこれはですね!!大事な資料と言いますか!!」

「流石は色彩のエルナリーナ総長!全然気がつきませ………」


………………。


━━━━━………「ぎゃあああああああ!!」


必要なかったらしい。

あいつはカメレオンか何かか?

平和なテロリストだ。と言うか、テロリストなのか?


その後、すぐに兵士に呼ばれて会議室へ。

会議室にはミナリアやエルナも同席し、他の兵士も何人か揃っている。


「では、お嬢さま………。落ち着いた頃です。本題を。」

「本題?」


2人とも、すっかり忘れていた。

そうだ。ここにはエルナを連れ戻しにきたのだ。


「ミナ、エルナを連れ出すんだろ………!!」

「あ…………!そうだった。」


目を点にしていたが、ミナリアもようやく思い出す。

ミナリアは机を勢いよく叩くと、言い放った!


「本題もなにもないじゃない!!エルナ!!屋敷に戻りなさい!!あんな辞表、認められないよ!!」


しかし、それには場の空気が重かった。


「総長………」

「あぁ、分かっている。無理です、お嬢さま。」


「なっ………!!」


厳かに言うエルナにミナリアは絶句する。


「何を言っているの!?あなたは我がドリミア家のメイド長でしょう!?お兄様の付き人、その任はどうしたの!?放棄する気!?」

「それは……………」


周囲がざわめき、エルナも口を閉ざしてしまう。

ずっと考えていた事がある。この場で言う事を決める。


「あの襲撃集団…………」


そう言うと、周囲は口を閉ざした。


「俺と何か関係があるんだな?」

「………何故、そう思う?」


「不可解な点が多すぎるんだよ。まず第一に、なぜ俺達が狙われる?あの煙幕が撒かれた瞬間、明らかに焦って俺1人、狙っていた。普通なら、重量の軽く華奢なミナが狙われるハズだ。」


…………沈黙が流れる。


「なのに、俺が狙われた。それに襲撃してきたのは明らかにエルフだ。焼却者とは別のな。エルフは外との外交を絶っている点、それにこの技術力。それに、エルナ。お前は聞けば真面目で忠実。帰る前は関係を疑われる程の間ぶり。それが焼却者で総長?オマケに帰れない?なら、疑問は1つ。」


それだけ言うと、他の兵士達が一斉に腰の銃を引き抜いた!


「エルフ一族は何を狙う?俺が狙われる理由はそこにあり、更にエルナ、お前はそのために焼却者を統率しているんじゃないのか?」

「…………………。」


黙ってはいたが、エルナは思う。

(まったく………本当に似すぎていて困る。)


「御明察。その通りだ。」


エルナが片手で合図すると、兵士達は銃を腰に収めた。


「ただ、何を狙っているかまでは定かではないのです。ただ、王子、あなたが邪魔で、抹殺しようとしている。狙いはそのカケラでしょう。」

「本当にそれだけか………?」


そこへミナリアが口を挟む。


「ねぇ?さっきから2人とも変だよ?なんだか、お兄様が偽物みたいな………」


……………。


それに対しては再び沈黙が流れてしまう。


「とにかく、王子。あなたと私は、あちら側で襲撃を受けましたが、恐らくそれはエルフ一族の差し金です。邪魔にされているのはアナタだけではない。このままでは帰れないのです。」


それだけ言われて、会議は散会になった。

おかしい。

エルナは「何を」隠しているのか。


「むぅ~!!エルナったら、あんな言い方しなくてもいいじゃない!!」


就寝の部屋でミナリアは頬を膨らませていた。

部屋がないとかで、寝る部屋はミナリアと同じ部屋だ。


「それより、どうやったらエルナは戻って来るかだ………」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ