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白昼夢のヒメ!!~夢魔の姫とカケラの王子~  作者: ブラボー
偽りのアナタへ
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無効の従者

さて、次は魔術の間を……と思ったが


「あれ?」


誰もいなかった。廊下を歩いていると、ニカウが何か水晶を持ってうろつく後ろ姿が見える。


「ニカウ、何してるんだ?」

「あ、いや、陣の整備はいいんスけど、変な魔術反応を感じたから調べてるんス」

「変な魔術反応?」


「盗撮かもしんねーッス」


盗撮………。ミナリアも貴族だ。オマケに最近は500も兵を備えている。もしかしたら敵対勢力がいて何らかのアクションを起こしているのかもしれない。


「一大事じゃんか!もしも、どこかの勢力だったりしたら」

「だから探してるッス。万が一、何かあったら王子や姫に示しがつかねぇっス」


念のため、部屋から木刀を持ってきてニカウに同行する。水晶の中には淡い光が灯っており、段々と反応が強くなる方へ向かう。

それはある場所で光が赤くなる。


「ここみたいッス」

「こ、ここは!?」


そこは女湯だ。試しに隣の男湯にも試すが、光は女湯で赤く激しい反応を示している。間違いなさそうだ。


「赤く光るって事はどうやら、この中に術の行使者もいるみたいッス。」

「そうか。」

「じゃ、頼むッス」

「あぁ。」


水晶を受け取ると木刀を手に中へ………


「って!ちょっと待て!!」

「何すか?」

「何で俺が行くんだ?」

「俺はもし姫や早まったアルスさんが来たら止めるッス。それとも、あのアルスさんを止められるッスか?」


それを聞いて謙信やアルスの戦いぶりを思い出す。


……………。


無理だ!!仕方なく、中へ突入する。謙信やミナリアは庭で茶をしているハズだ。今はいない!今はいない!

いないはずだ!落雷とか八つ裂きとかはない!

ない!ない!ない!唱えながら脱衣場へ。


「ふぅ………」


誰も居ない。

よかった。こないだみたいに巨乳が堂々と仁王立ちしたり、シャンプーハットかぶった幼女顔が飛び込む事件はない。

見回してみると、洗面台には「バストアップ」と書かれた薬品の様なものがあり、脱衣を入れるカゴにシマシマのパンツが引っかかっている。


「ハッ!いかんいかん!」


にしても、なんで魔界の言語が読めるのか。あとなんで書体が日本語に似てるんだろうか。素朴な疑問でやましい気持ちを押し殺し、浴場へ。

造りは男湯とは違う。岩で出来た温泉みたいな作りで、室内なのに竹の様な植物が生い茂っている。花も弱冠咲く、そんな竹藪。

水晶は赤く光り、さらにその光を増している。

ここには違いない。


「ふむ………。」


しかし、どこにいるのか。


「でも隠れるなら………」


とりあえず、竹藪に向かい木刀を投げ付ける!

なんのことはない。カンだ。フルスイングで投げた木刀は軽快な音と共に何かにぶつかり、弾かれる。


「ぎゃぁああああ!」


いた。

竹藪からは男が1人、血を流しながら出て来た。

ふらふらとして気絶寸前だ。


「な、なんでバ」

「ニカウぅぅう!!変態がいたぁあああ!!」


男は倒れたので、とりあえずニカウと秘密裏に城の地下へ運ぶ。

拷問室である。

さすがに、あまり穏当にはいけない。

男に水をかけて起こすと、問い詰める!


「名乗れ!」

「ヒッ!わ、私はノースです!」

「所属は!?」

「み、みみみみミナリア様ファンクラブ、会員ナンバー6の奇襲隊です!」

「は………?」


それだけ聞くと、裏で鉄の棒を火で焼いていたニカウも無表情のまま、それを水の入ったバケツに突っ込んだ。


「今なんて?」

「ミナリア様ファンクラブ、ナンバー6。奇襲隊長・ノース。お、お、お主にミナリア様の周辺の情報を……」

「いや、もういい………」


「ただの覗き魔ッスか」


本当にタダの盗撮だったらしい。


「お前なぁ、俺が誰か」

「異世界の人ですよね!人間の!ハルト王子の代役!」


…………。

時が止まる。


「待て。なぜそれを知っている。」


そうだ。ただの、のぞきにしては知りすぎている。もしもハルト王子がいないなどと知れたら、ミナリアも街もどうなるか分からない。

ニカウが爪を剥がす道具を持ち始める。


「ひ、ひぃぃい!だ、だって私見てましたから!!」

「なに?」

「ずっと見てたんです!ミナリア様ファンクラブ奇襲隊長として隠れて見てたんです!」


驚いた。

恐らく、誰も彼が隠れていた事に今まで気付かなかったのだ。


「どこまで知っている?」

「ミナリア様、最近は謙信さんが来てから胸を仕切りに気にしてますね!胡散臭い塗り薬まで使ってます!たまに謙信さんの胸とか揉んで、いいなぁいいなぁ!とか言ってめちゃくちゃカワイイ系ですね!あと、アックマ人形が増えましたね!あのデザインはどうかと思います。でもアレですね!さすがに目測でもあんなに大きな」


内容はミナリアだけに比較的限られるが、かなりの情報を収集している。

次第に内容にはムカついてくるが、1つ閃く。


「おい、お前」

「は、はい?」

「黙ってておいてやる。見逃してもやる。ただし、条件がある」

「な、なんでしょう」


「俺の密偵になれ」


そう、密偵。スパイ。隠密。

これだけの能力を有しているのに、ただのファンクラブの、のぞき魔ではもったいない。

ノースは承諾した。もちろん裏切りや再び城の覗き魔に走ったら拷問にかけると脅した。代価は比較的安価だが本人も「ミナリア様のためなら」と快諾。

現状から何か使える情報を問い詰めると、アッサリとネタが出た。

あまり良策とは言えないが………


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