仁義なき「L」VS「G」
「人は殺すより使え。」
「は?」
「偉い人の言葉だよ。それに俺も必死だった。500人のチンピラに、ミナリアの友達に。みんな何とかしてやりたかっただけだ。」
「ふ~ん。じゃ、お兄様、私のためなら何でもしてくれるの?」
「限度はあるがな………」
ふふ、と笑いながら茶をすする。
玄米茶に似てる気もする。菓子はカリッとしていて甘いが食感は煎餅にも似ている。
「じゃ、今日は一緒に寝てくれる?」
思わず口に含んだ茶や菓子を吹き出してしまう。
「げほっ!!ば、ばか!!謙信がいるだろ!!」
「ウソだよ♪」
ペロリとウィンクしながら舌を出すミナリア。
俗に言うテヘペロだ。
「はぁ~………まったくお前は」
「だってお兄様、部屋にエッチな本とかあるってミコさんが言ってたよ?」
もはやプライバシーもないのか………。
ミナリアはニヤリと笑う。
「もしかして、エッチな事考えた?」
「バカ、からかうなよ。もう助けてやんないぞ?」
「いいも~ん!もう謙信ちゃんがいるし、次からはお兄様じゃなくて、謙信ちゃんに頼むもんね~♪」
「……………それはそれで寂しいぞ」
「えへへ~!これもウソ♪」
ミナリアはお茶を一口飲むと、屈託の無い笑みをこちらに浮かべる。
「最初は、カケラとか言われて心配だったよ。」
「え?」
「お兄様、私の事はちゃんと覚えててくれた!ちゃんと私を見てくれてる!」
「………当たり前だろ?」
「だから、お兄様大好き!!」
「そう言う言葉は、お嫁に行くときに取っておきなさい。」
紆余曲折あったが、まだ何とかなりそうだ。
ミナリアにもバレてない。
時折、心が痛いがアルス達に聞いた「彼女の兄が不在の寂しさ」を埋めるためなら、なんだかまだやっていけそうな気がする。
━━━━この時、おれは忘れていた
現世の復讐心。憎む心を。
これが…………
これが狙いだったのか?
なぁ?ハルト。
ハルト・フォン・マギアル・ドリミア伯爵。




