仁義なき「L」VS「G」
「………と言うワケなんだが」
後日、報告会が行われる。
報告会のお茶は相変わらず気泡がボコボコと発生し、カオスだ。ちなみに味は抹茶とリンゴを掛け合わせたみたいな味だ。美味くない。
「それはマズいなハゲよ。」
「そうだな、無駄乳。」
「奴らはどうやら、刹那的な快楽。つまり、その場だけの楽しさを求めているようなのだ。後先を考えている様子は無い。」
「ただし、意思は弱い割に仲間意識が強い。応報に来る可能性がある。その点に置いては行動も早いのぅ。」
応報…………。
そうか、仲間意識。昨日も通りであんなにすぐ集まるワケだ。
「いつ来ると思う?」
その問いには謙信、信玄も口を揃える。
「「今日にも」」
参った。
この戦馴れした2人が言えば間違いない。
屋敷を囲われる前に何とかせねばならない。
「仕度しよう。出陣だ。」
「お兄様………」
「ニカウ、兵は召喚できたのか?」
「サーセン……。それが………」
それだけ聞いて分かる。失敗だ。
何か策を講じなければ。
「アルス、武器は?」
「大砲、瞬間転移の陣、刀槍類。銃もわずかですが………」
武器は問題ない。だが、肝心の兵がいない。
煮詰まった様に報告会に沈黙が走る。
「………アレやりましょう!」
沈黙を裂くようにミナリアがそう言う。
「アレやるわよ」
「ま、まさか!アレですか!?」
「本気ッスか!?」
「やると言ったらやるの!!お兄様、任せて!!」
騒ぐ2人に命じるミナリア。何か策があるらしい。ニカウとアルスは何やら納得しきらない感じだが、城をただ囲まれて袋叩きにされるよりマシだ。
「分かった!信玄、謙信!!奴らを迎撃するにふさわしい場所を!!」
「分かった!」「おうとも!」
━━━こうして、5人は彼らを迎撃すべく城と街の中間にある谷へやって来た。
谷底には熱湯の河が流れ、大きな石橋が架かっている。空には猛禽類と見られる鳥獣が飛び交い、獲物となる肉に目を光らせる。
「スゴい数だな………」
さっそく、鉄パイプや角材で武装したガラの悪そうな連中がバイクみたいなものに跨がり、やって来る。その厳ついマフラーから出た轟音で、存在をアピールする辺りは人間界と変わらない。
「最悪はワシらがなんとかしよう。」
「なんとも、魔界の馬はやかましい限りだな」
謙信、信玄も武装し、待ち構える。
「大丈夫!!任せて!!」
ふふ~ん!と自信満々のミナリア。余程の自信らしい。手には拡声器と見られるものが持たれている。
「ミナ、何する気なんだ?」
「空爆よ!」
「く…………!!」
思わず絶句する。空爆だと!?
そんなもの、こんな至近距離で撃てばどうなるか!
思わず、ニカウとアルスを見る。
「はい、空爆です………」
「空爆ッスね………」
信じられない………
「あ~、コホンコホン!本日は晴天なり~。うん、オッケーオッケー!」
橋を挟んでいよいよ、賊共が足を止める。
橋には一応、バリケードがしてあり、容易には突破出来ない。
「おいコラ!ガキ!なんじゃこりゃ!」
「どけろやカス!」
賊共の罵声が飛ぶ中、ミナリアは続ける。
「え~、本日は非常に天気も良く、空爆にはとても良い日ですネ!この良き日に、君達に……」
「うるせぇ~!」「黙れやクソが」「貧乳が!」「ぷっは!幼女おつ!」「何あれ、舐めてんの!?」
「うるさいうるさいうるさいうるさ~い!!」
……完全にバカにされている。
「さっきから聞いてれば!おっぱい小さいとか幼女とか言うなぁ~!!気にしてるんだぞ!!それと私は16歳!!大人だぁ~っ!!」
思いっきり叫ぶと、手にした何かのスイッチを押した!
「これでも喰らえ~!!」
すると………
賊共の上空に大きな陣が浮かび上がり、そこからゆっくりと何かが出現する。あのシルエットは、どこかで見たような。
「お、おい!!アレ!!」
賊共が指さして騒ぎ出す。それは風船みたいにゆっくり落下しながらだが、シルエットは姿を現す!
間違いない………。
「ボヨォ~…………」
声も鈍いし、かなり巨大だがアレは屋台にいた……
白くて丸い………
「ポヨポヨだぁあああああ!!」
賊共は一気に、手にした武器や石を投げ始める!
「ダメだ!めっちゃポヨポヨしてやがる!!」
「にげ………」
混迷を極めた賊共はそこから逃げようと試みる!
「アルス!!」
「ハッ!!」
そこへアルスが姫の合図を以て、空間から大砲を一撃放つ!!
それは、まっすぐ空へ放物線を描くと、ポヨポヨに思いっきりめり込みポヨポヨを破裂させた!!
「ボヨォオオオオオ!?」
鈍い断末魔を上げながら、巨大ポヨポヨは破裂する!!
アツアツの柑橘系な味のジュースが、大量に賊共に降り注いだ!!
「ぎゃああああああ!!」「うぎゃあああああ!!」
「あちぃいいい!!」
「はぁ~っはっはっは!!お前達など糖尿病になっちゃえ!!」
胸を張るミナリア。
魚の目をした他の4人の顔にも盛大にジュースが飛び散り、舐めるとほんのり甘かった。
「うべぇ!!」「鼻からポヨポヨドリンクが………」
「シャワー浴びたい」「キモチワリィ……」
こうして文句を口々に、賊共は動かなくなったバイクを押して逃げ帰っていった……。
とりあえず、第一陣は勝利である。




