仁義なき「L」VS「G」
「ねぇ、私、ドラゴンが呼びたかったんだけど」
「おぉ!良く見ると、そこな娘!」
「え?」
謙信はミナリアに近付くと、まじまじと見つめて髪に触ったりし始める……。
「白銀の髪、きめの細かい美しい肌……」
仕舞にゃ、なんだかウットリした瞳で見つめ始める。
「イイ………。名前は?」
「え?ミナリアです………」
「みなりあ?そうか、みなりあ………」
「お兄様、なんか、怖い、この人……」
何だろう、果てしなくイヤなニオイがする。
「い、いけません!!姫に近付くな!アバズレ!」
察してか、急にアルスがミナリアを引き離す!
「貴様!さてはレズビアンだな!?いたいけな姫に近付くな!!不埒なビッチ!!」
「れずび?びっち?分からんが、私は男になんぞ興味はないぞ?」
アルスも言い過ぎだ。筋金入りロリコンめ。
しかし、堂々過ぎるだろ。さすが武士。
確かに、上杉謙信は女性説があり、異性を抱かない不犯の誓いを立てながら、女性との恋愛談があったりする。
しかしまさか、男性に興味が無いレズだったとは……。
「アルス、放せ!どうでもいいけど、私はゴブリン退治に協力してくれるお友達が欲しかったの!!」
それを聞くと、謙信は「ふむ」と、ひとしきり何かを思考し始める。
やがて、答えが出たのか、真面目そうに切り出した。
「あい分かった。ならば、協力してやろう。困っているのであろう?」
「え!?いいの!?」
ミナリアの瞳がキラキラと輝く。
「その代わり、今夜一緒に……」
「イヤ!!」
「まだ何も言ってないぞ!?」
この後、「お友達から」と言う名目で上杉謙信が仲間になった。今のメンバーはブラコンなロリくさい姫に、ロリコンな執事に、毒舌な召喚師……。
あとレズビアン軍神。
(不安だ…………)
結局、極論として数が足りないので後日、再び召喚する事になる。何を?もちろん。姫のお友達である。もはや当初の予定とはズレているが、仕方が無い。
だが、もちろん謙信は人間なので風呂に入ってニオイを消さねばならない。問題はそこだった。
「あぁ、姫!大丈夫でしょうか?」
「落ち着けよ、アルス。そのために張ってるんだ。」
ニカウは準備がある。再び明日の召喚に備えて、謙信の情報を調べたり、陣を整えたりしてるらしい。ヒロとアルスはと言うと……
「流石に女湯の入り口で槍を片手に張り込むのは初めてだが……」
「何言ってるんですか!あんなアブなそうな女と一緒に!!純情な姫が汚れます!!」
(俺としては、おまえみたいなのが執事な時点でかなり危ういと思うんだが……)
「そのために今、こうしてるんだろう」
城には女がミナリアしかいないため、匂い消しのための沐浴をミナリアが同伴した。最初はアルスが猛反発して、謙信が刀に手をかけた時は本気で全員が殺意と危機を感じた。
しかし、ミナリア自身も謙信に何かを感じるのか、アルスとヒロの2人に入り口で「待機するように!覗いたら八つ裂きにしてやる!」と言い残し、謙信と2人、風呂場へ……。
「大人しそうに入って行ったが、大丈夫………」
「シッ!静かに!!」
アルスに言われて、浴場に対して静かに聞き耳を立てる。
会話が聞こえてくる。
「わぁ……すごい」
「ん?何がだ?」
「綺麗な髪。普段、何してるの?」
「別に何もしてはおらん。この身は神の代行だ。毘沙門天の加護であろう。」
━━━………。
女子らしい会話だ。
「ほらな?別に何も………」
「静かに!!」
アルスの目が必至だ。なんだか、自分までやましい気分になる。
━━━━…………。
「スタイルいい……。おっぱいも大っきいし……」
「胸か。そうだな、確かに私は大きい方かもしれん。私は異性を抱かないし、そう誓いを立てたから、赤子に乳もくれぬが。触るか?」
「ふわ………すごい。いつか私も……」
━━━………。
ゴクリと思わず2人で生唾を飲んでしまう。
だんだん会話内容が………。つうか、何してんだ。
「いかん!!姫ぇえええ!!大丈夫ですかぁあああ!!」
「このバカ!!」
思い余って、アルスが突入しかける!しかし、スコォン!と小綺麗な音がしてアルスの顔面に木製の風呂桶が直撃する。
「アルス、うるさい!!」
そのままヒットした場所が良かったのか、アルスはくらりと身体を揺らして倒れた。気のせいか、出血しているのは鼻だが、それは何らかの欲情か、先ほど直撃した桶のせいかは定かでは無い。
「こ、これがウワサの名誉の戦死………」
と言うより、風呂桶が飛ぶなんてアニメでしか見たこと無い。
そもそも、すごい飛距離だ。さすが魔界のお姫様。パワフルだ。




