仁義なき「L」VS「G」
「お兄様………。この植物から、静電気が流れてるから駆除したいんだけど」
「静電気?」
近づいて調べて見る。目視すると、それは何か妙にギザギザしていて銀混じりと言うか、鉄っぽい色をしている。なんだか果てしなくイヤな予感がするが、触ってみる。
「う!!」
━━━数年前、太陽光の発電に関する仕事をして家庭用の電源に感電した事がある。
指先から、文字通り身体に向かってビリビリとした感覚と共に激痛が走る感覚だ。
「うぎぃぃいいいい!!」
同じ感覚が走る!
はい。感電しました。
「な、なんだこれ!?」
「ピリピリツタ。200くらいの電気らしいよ?」
「早く言ってよ、ミナ………」
手をブンブンとほぐすように振り、感覚を確かめる。大丈夫だ。
「それより、ミナ………」
「ん?」
「友達、いないなら召喚しちゃおう!!」
「は?」
突拍子もない言葉を考える間もなく、ミナリアは手を引かれ、魔術の間へ。
ニカウとアルスも準備をして待っている。
「で?触媒あるんスか?」
「コレだ!コレは異世界のスマホなる媒体で、異世界の情報を網羅した通信アイテムなのだ!!」
「おぉ~!」と、まばらな拍手する姫、執事、召喚師。なんか微妙な感動だ。ホントにスゴいと思ってない。
「なるほど。それを情報媒体に異世界の生命体を召喚するんですね!さすが王子!」
「すごい!お兄様!これでゴブリン共なんて目じゃないね!」
「で?ミナリア。どんな友達が欲しいんだ?」
それを聞かれるとミナリアはキラキラした瞳で答えた。
「ドラゴン!!」
「「「ど………………」」」
男3人、絶句。
友達にドラゴンが欲しいとは、さすが魔界の姫。斜め上を走る脳だ。このお姫様脳は、きっと友達いなすぎて16年で、友達がどんなものかも見失ったらしい。重症だ。
「は、ははは…………ドラゴンDEATHか。」
「さすがッス。俺には思いつかねぇッス」
「わ、わかった。ドラゴンだな……。すごいなぁ、ミナは。お目が高いなぁ」
その様子を見て、ミナリアは頬を空気で膨らませてムッとした表情になる。
「ムリならいいもん」
「わぁああ!!わかった!わかった!」
「ニカウ!早く準備を!!」
「了解っス!!」
またゴキゲンを損ねてもコトなので、慌てる!
スマホの検索エンジンにワードを入力してみる。
━━検索 : 龍 武将 ━━━━
当然、軍が絡まなければならない。武将がいいだろう。
陣に繋がる別の媒体を置く陣にスマホを設置する!
すると、みるみるうちに陣には光の柱が立ち、そこにシルエットが構成されていく?
「来るぞ!!」
やがて、光が収まると甲冑と尼僧みたいな、かぶりものをした黒い長い髪をした美しい女性が現れた。
「む?」
女性はこちらに気が付くと、辺りを見回した。
「なんだ?私は確か………」
召喚されたのは明らかにドラゴンじゃない。甲冑の武士。しかも女性だ。鋭そうな瞳は何かを見通すような目だ。
「おかしいッスね。」
「えぇ。明らかに。」
「ねぇ、お兄様。これが異世界のドラゴンなの?」
「ドラゴンって言うか………」
見た感じ、明らかにモンスターじゃない。
確かに武将と入れたのは事実だが…………
「どらごんとはなんぞや?それに、そなた達は?」
「ドラゴンとは龍の事だぞ?お姉さん、ドラゴン?」
「いかにも!!」
ミナリアの問いに女性は力強く頷く。腕を組み、堂々たる姿勢で告げた。
「私は越後の龍!!上杉謙信である!!」
魔界の3人は「え?」と首を傾げる中、ヒロだけが「げ!!」とカエルの様に鳴いた!ニカウが魔界の辞書を引っ張りだし、調べ出す中、「ちょっと、失礼!」と自称・上杉謙信を引っ張り、影で話す!
「失礼!あなた、ホントに越後守?」
「おぉ!知っているか!お前、日の本の者か?にしては珍妙な格好だな!どこの者だ?よもや甲斐ではあるまいな?」
確かに、上杉謙信は主に一般には男性として伝わるが実は遺骸が聖域にあり、神の化身とされたので調査隊も介入できない。
しかし、実は諸説の1つに衣類や筆跡、また民衆が「男も敵わぬ大力無双」と謳った跡から女性説がある。馬や刀の逸話もある。夢に美しい姫が出てくると言う刀、姫鶴一文字などだ。
「失礼、その刀は?」
「む?これか?これは姫鶴一文字と言うてな。譲らんぞ?何せ」
「知ってます。可愛い姫が出るんですよね、夢に」
「ほぅ!よくぞ知っているな!」
…………本人らしい




