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害獣駆除はお任せを! -モンスター退治屋さん繁盛記-  作者: 弐逸 玖
第十一章 西の山の主 ~皇太子殿下、西へ!~
144/183

【設定】ドラゴン、モンスターに言及した古文書に対する考察

※お話には直接関係の無い、どうでも良い設定なので

 読み飛ばしても本筋の理解には全く影響はありません。ご安心を。


 特に今回、やたら思わせぶりなのではありますが

 後のお話に絡んだりは全然しない予定です。

元皇妹ルケファスタ姫にして、ポーラス侯爵領領主であるファステロン閣下より

レンクスティア皇帝陛下への書簡、一部抜粋。



偉大なる皇帝陛下へ



      発   ポーラス侯爵領領主

          ファステロン商事総頭取 

          ルケファスタ・ルンカ・リンディ・ファステロン=ポーラス



 ――前略


 ……頂いた御書簡を読むにつけ、皇帝陛下にあってはご健勝にある様子。

 既に皇籍を返上した身ではございますが、わたくしも喜ばしく思って

 おるところであります。


 さて、此度。わざわざ陛下へとお便りを差し上げたはほかでもありません。

 過日、ご許可を頂きハイランダーの村に調査に赴いた折、約三〇〇〇年ほど

 前に成る文献を発見したこと、これは既にご報告を申し上げております。


 この書簡は、我が盟友で有り大博士の称号を持つポロゥ博士、並びに

 フィルネンコ害獣駆除事務所の協力を取り付け、現在の言語へと翻訳が

 成ったのでその報告であります。


 いわゆる“空のもの”そして陸と水の女王に関する文献である。

 と言うところまではわかったのですが、あまりにも意味のわからない単語や

 表現が多数使われ、既に現場レベルでは文献の扱いについての判断は

 わたくしやポロゥ博士では出来かねる状況です。


 言葉は読めるようになれど、内容はわたくしには全く理解が出来ず

 まずは陛下へとご報告を申し上げるべき、と判断を致しました。

 

 原文についてはフィルネンコ害獣駆除事務所帝都本部に厳重に

 保管をさせております。

 陛下が必要、と仰れば宮廷への運搬はもとより、即座に焼却処分とする

 ことも含めいかようにも対応する旨、所長、本部長にも伝えおきました。

 わたくしの権限は既に越えております故、最終的な取り扱いのご判断は

 陛下へと委ねさせて頂くところです。


 市井にただ保管させるには、あまりにも危険が過ぎる文献である。

 とポロゥ博士も仰って居るところです。

 空のものと規定される一三種と数が符合する点など、門外漢である

 わたくしすらも、畏怖の念を抱くところです。


 翻訳文の写しの一部を同封いたしますので、早急なご確認をお願いいたします。


 ――中略


 ……ご在位一五周年を祝福し、陛下のお力を持って末永く帝国を発展させて

 頂きますよう、末席ではございますが帝国貴族として、元姫として、何より

 あなた様の妹、ルケファスタとして。陛下のご健勝を祈念して止みません。

 なお、先日の……


――後略



※翻訳者

 帝国学術院 大博士 アクリシア・ポロゥ

 ポーラス侯爵 ルケファスタ・ルンカ・リンディ・ファステロン=ポーラス

 アリネスティア伯爵 ロミネイル=メサリアーレ・センテルサイド

 フィルネンコ害獣駆除事務所 帝都本部長 クイーン=パムリィ・ファステロン

 ほか七名 



以下翻訳資料から抜粋


第三回 ドラグーンシステム概要についての会合


 ――中略


5.長期間の監視、調整に耐えうる機材の確保について


 前回の会合において自己発展型、かつバグの増殖を極力抑えるAiの

 プログラミングについては、ある程度の目処は付いたものと考える。

 但しレベル5以下の完全野生化のリスクをどう考えるかは次回以降に

 再度議題とする必要がある。


 そして、それをインストールするハードウェアであるが

 既に新規でワークステーションやメインフレームを作る工業力は

 失われて久しい状況に有り、既存の機器へとインストールを行っても

 最大二〇年前後で故障、運用停止に至るのは想像に難くない。

 既に我々は新規でまともな末端端末を作る事すら出来ないのである。


 今使える技術の中で一番レベルの高いものは生物工学であり

 既存の機械をだましだまし使う分には、作業実行は可能。

 よって、成体メインフレーム。と呼べるようなものを設計、生成し

 自己複製システムを内包して生物的寿命を伸ばす処理を行う。

 と言う過日の会議で示されたプラン2をベースに設計を開始する事とする。


 ――中略


8.必要とされる機能、その他


 以下、各システムの概要(案)である。

 期間があまりにも短いが、一〇年以内にプログラム、成体フレーム双方が

 完成し、稼働開始が求められる事をここに改めて記す。

 以下概要。



ドラグーン01 キングオブキングス

 システムのメインをになう。防御力と攻撃力は高めに設定する。

 但し直接の戦闘介入は基本行わない事を前提とする。

 搭載されるAIは先日の会議で定義された最高レベル、Aを基本とする。

 また記憶容量も設定可能な限りで最大とし、記録の継承を第一とする。

 製作予定一体。


ドラグーン02 リバイアサン

 システムの“実働部隊”として攻撃力は最高に設定する?

 また現場指揮者としてレベル1、もしくはレベル2のAI搭載を基本とする。

 量子通信の概念を成体フレーム間で実現し、02各個体の記憶は全て

 01へとリアルタイムで送信され、格納されるものとする。

 製作予定六体。


ドラグーン03 リントヴルム

 異常増殖や危険性の高過ぎる調整生物が発生した場合にそなえ、

 強制駆除リジェクトに特化した攻撃的フレームとする。

 02との通信が途絶えた状態でも戦闘継続が可能であるように

 レベル3以上のAI搭載が求められる。

 自己複製、増殖システムの実装をどうするか。

 製作予定は予備二体を含めた二六体。


04~12については次回会合で基本仕様を確定する。


※仕様未決 Xナンバーについて

 以下は初期要求仕様の概要もフィックスしていないが、あくまで補機の

 扱いである為、上記一三種の仕様決定後でも良いと思われるが

 完成、稼働時期は全て合わせる必要があることに留意されたい。


ドラグーンX1 フェアリーズ

 機械的処理が故障で不可能となる可能性があるので、対人間用インターフェイス

 としての提案であると同時に、詳細なサーヴェイユニットでもあることに注意。

 ドラグーンシステムとの橋渡しとして、言語でのコミュニケーションが取れる

 ものが好ましいが、大きさや見た目は慎重に議論する必要がある。

 物理的破損を免れるため、450mmよりさらに小型化できるか要検討。

 強化型自己増殖システムを実装するのが妥当であるかどうか、次回以降。

 末端UIとして最初期から一〇〇体以上が必要。

 AIレベルについては今回は未決。


ドラグーンX2 サイレン

 X1とほぼ同じ役割であるがやや高機能型とする。

 X1よりも耐久性、記憶容量ともに大きなものが求められる。

 但し簡易型であるので02、もしくは04、05との接触時にそれまでの

 記録を吸い上げれば良いため、そこまでの容量は不要である可能性がある。

 運用形態を再度検討する必要あり。

 初期製作は一五体前後と仮定。


 初期配置後、自己増殖システムによって個体数を増やした方が

 効率が良い可能性がある。

 必要個体数は次回会合時にAI仕様とともに決定予定。


 ※前回会合からの継続懸念事項

 ・X1よりも形状を人間に近づける必要性はあるか?

 ・大きさを巨大にしないで要求性能を実装することは可能か?

  (X2は専門技術者以外との接触時に圧迫感を感じないよう

  等身大にしたい、との意見があるため)



 ――後略。


 次回会合はWed/Dec /04/'19 pm1:15

 先行して各専門分野にわかれ分科会を行う。

 全体会合はpm4:00からとする


                 本項は以上


    文責 プログラム・機材設計担当

                      アルフレッド・シュナイダー


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