第一〇章終了時までの登場人物
※お話には直接関係の無い、どうでも良い設定なので
読み飛ばしても本筋の理解には全く影響はありません。ご安心を。
大シュナイダー帝国 レクス皇太子付き宮廷騎士代理人
宮廷騎士は最大四人まで代理人を立てることが出来る。
レクスは三名の代理人にそれぞれ、分野毎に仕事を割り振っている。
それ故、同じ主に仕える三人だが、全員が揃うことは年に数回しかない
ターニャに対してまるで代理人としての仕事を振らないリンクや
同じようなタイプ二人をそばに置いたリィファ姫と比べると
レクスが合理的にも思えるが、もちろんレクスのあり方が本来である。
皇太子代理人筆頭 政治経済担当
スティーブン・ウォルター・チャールトン(スティーブ) ※本編未登場
議会開催時に皇太子の名代として議会に参加するのを主な仕事に
している。
主である皇太子より二つ年上で、口ひげにオールバックの如何にもな姿だが、
本人はそこまで堅い人間ではない。
元々は経済関連の学者であり、政全般に関してレクスが便りにする相談役でもある。
証の剣はショートスウォードだが刃は付いていない。
これは、剣の扱いをしらない人間が刃物を持ちあるいてはかえって危ない。
と言う本人の希望による。
通常は彼にも親衛第三から、護衛が一人か二人付く。
内政担当代理人
モルゲニヒト・フィッシャー(モルゲン)
宮廷内の事務や祭事全般をレクス不在時に取り纏めるのが彼の役目。
やや癖のある赤毛を長髪にして後ろでまとめ、背の高い優男の見た目。
この為、男性に免疫の無い親衛第四のリアや親衛第六のメルなどは
苦手にしているが、実は彼もそこまで砕けた人間では無い。
意外にも剣術を得意とする彼の証の剣は、銀に輝くスティレット。
実際にここまで二度、その剣で直接、暗殺を防いだことのある実力者でもあるが
あまりその事について触れたがらない。
仕える主人と同じく、イメージ戦略なのだろう。
軍事担当代理人
エレノア・ステシニーア・ノボセリオーバ(レナ)
栗色の髪を短くまとめ、空色の瞳に陶器のような白い肌、他の二人より低いとは言え
女性としては長身で一七〇を軽く超える、スラリとした長身。
帝国軍軍師総代の肩書きを持つ女軍師で、本国の帝国軍が動くときは
彼女がレクスのサポートにまわる。
軍人の家系の出ではあり本人も優秀なのだが、女性であることを理由に
家督を継ぐのはどうやら無理があるようだ。と言う話を聞いたレクスが
拾い上げた。
証の剣はやや曲がりのキツイサーベル。
女だてらに剣の腕前はレクスの代理人のなかでは一番。
戦場でそれを引き抜き指揮を執る姿は、勝利の女神として兵士たちの尊敬を集める。
大シュナイダー帝国 宮廷親衛騎士団 総団長
シャルロッテ・アイシンガー (シャル・オババ様)
親衛騎士団をまとめる総団長。
やや白髪交じりの金髪に、上背はあまりないが制服越しにもわかる
プロポーションの良さ。
実際に孫がいる彼女であるが、言われないとそうは見えない。
仕事を離れた彼女は、料理が得意で掃除の好きな、家族想いの女性。
元々騎士の家系であるが、それでも女性が総団長に就任するのは初めてのこと。
リンクやレクスに対しても、“ナンバーズ”の団長に対する総団長として
直接意見具申を許されておりレクスやルゥパは苦手にしている。
但し、親衛騎士団の運営以外の政には、立場上意見を述べることは
問題はないのだが、彼女が口を挟むことは一切ない。
平民出身の新人親衛騎士は、彼女の家に住み込みで貴人の生活全般を身をもって
教えられることがある。
オリファとアッシュはこの“プログラム”を受けたせいで彼女に対しては
口答えが出来ない。
彼らにとっては帝都のお母さん。でもあり、彼女自身も莫迦息子達と呼んでいる。
あまり力こそないが、剣をとらせれば一級品で、親衛騎士随一と言われるオリファが
――そのお年でそこまで動けるとは……!
と絶句するほど。全力で先読みされるとオリファでさえ危ういほどの腕を誇る。
第六親衛騎士団
ルゥパを団長とする親衛騎士団。団長の歳に合わせて若者が選抜されているが
超エリート集団であるのは他の隊と同じ。
彼らを年齢だけで見ると痛い目を見ることになる。
先日、最年少のリックを加え全五名態勢となった。
副長は、ルゥパよりも年かさで一五才の少女が務める。
副長代理 アメリア・ロックハート(メル)
親衛第六では副長に次ぐ、事実上のナンバーⅡ。ルゥパと同い年。
幼少期に傭兵団に拾われ隊商の護衛を主な仕事にしていた。
その為、周りの動きを見る目と、見た目にそぐわず鋭い剣捌きが彼女のウリ。
“客”に“高貴な方々”が多かった為、立ち居振る舞いもそこそこ騎士に見える。
総団長シャルロッテが将来性を絶賛する逸材。
ルゥパが最大限の信頼を置く彼女なので、フィルネンコ事務所との連絡役として
事務所居残り部隊に抜擢。
これは自身での来訪を禁じられているため、以降のフィルネンコ事務所との
連絡役としてルゥパが期待している面もある。
アッシュでさえたじろぐ、かんしゃくを起こしたルゥパを前に
ものが言える胆力を誇る。
その為にルゥパの出かける際は護衛に付くことが多い。
ロミと再会したときにも彼女のかんしゃくを気にせず話を進めている。
親衛第六 見習い レキセドル・バートン(リック)
大平原を住処にする狩猟民族出身の11才。
どうやってルゥパが彼に目をつけたのかは謎。
親衛騎士団全体はもとより、親衛第六でも当然最年少。
帝都の暮らしにはなかなか馴染めないが、槍や弓の扱いに長け
軍師としても教育を受ける前から高いレベルにあった。
出自故、モンスターにはそこそこ詳しいのでフィルネンコ事務所居残り部隊に
抜擢された。
方向音痴であり、仲間内からは本気で心配されている。
シュレントタウゼン法国 法王親衛隊 聖騎士団
親衛騎士とは別枠で法王を守護する騎士団。
法王自体は血筋では無く、託宣と前法王からの指名により決まるので
皇位継承権を持たない故に親衛騎士は配置されず、親衛隊の枠組みが必要になる。
団員達は宗教上の位も高く、内外から信頼を受け尊敬される立場。
第一隊、第二隊合わせて一〇名、少数精鋭のエリート部隊である。
聖騎士団 第2隊副長
カイル・フロンデル
幼くも見えるがオリファよりも一つ下でしかない。若くして聖騎士団の副長に
推挙された出来物。
オリファとは幼馴染みで、幼少期は日暮れまでいつも一緒に遊んでいた。
その彼が宮廷に入ると数ヶ月後、修行のために法国に入り出家し、法国政府入り。
真面目な態度が評価され、聖騎士団に拾い上げられることになった。
オリファを尊敬すると言い切るあたり、やはり真面目の虫であるらしく
元々は経済担当の官吏として法国政府で勤めていた。
現在は聖騎士なのであるが建築にも精通し、政府が大掛かりな
普請をするときの現場監督でもある。
偉大なる皇帝によるシュナイダー帝国王朝連合
帝国三公家 シュナイゼル公国
シュナイゼル公王 シュナイゼル七世
シュナイダー帝国の属国、シュナイゼル公国を収める公王。
リンク達の祖父にあたる前皇帝とは従兄弟の間柄。
大シュナイダー帝国の皇位継承権を持つが二〇番台後半。
あまり恰幅がいいとも言えず、見た目通りに剣や武道も得意では無いが
政治的手腕はめざましく、彼の即位後には公国内での犯罪率は目に見えて低下した。
シュナイゼル公国にあっては公王が死去しないと代替わりが成されない上
父にあたる前公王が若くして逝去したため、帝国王朝内でもかなりの長期政権だが
国民からの人気も高く、非常に理想的な王であると言える。
ロミの母親が彼の娘の元公国第二公女であり、彼はロミからみて祖父にあたる。
センテルサイド家没落後、すぐに手を回しロミの母親と妹を自信の庇護下に
引き入れた。
ロミはセンテルサイド家の総領であることを理由に、あえて庇護下に入る事を拒み
そのせいで、餓死寸前まで追い込まれてターニャに拾われることになる。
音信不通となったロミのことはとても心配していたようで
再開を果たしたときは手放しで喜んでいた。




