第9章で名前の挙がったモンスター
※お話には直接関係の無い、どうでも良い設定なので
読み飛ばしても本筋の理解には全く影響はありませんのでご安心を。
第四親衛騎士団アブニーレル副長の行動報告より抜粋。
○月×日
――前略
そのまま移動。
フィルネンコ害獣駆除事務所にて所長以下数名と今回の依頼の
内容について懇談。
依頼自体は快諾を頂く。
宮廷に帰投後、総団長に報告。
親衛騎士団本部において副長会議。
――後略
・以下資料
フィルネンコ害獣駆除事務所に依頼した「地域の二」については
帝国王朝内でも特に「聖獣」と呼ばれるものが多く居る地域である。
依頼中に名前の無かったものも含め、打ち合わせ中に名前の挙がったものを
以下に記載する。
※捕捉
聖獣、と言っても神に近い。とか神の使い、と言う訳では無く
帝国設立時に初代皇に力添えをした、とされる一部のドラゴンに
近い位置にある、とされるモンスターである。
当然に、全てがインテリジェントモンスターであり基本的に人が
駆り立てたりは通常行わないが、一方。闇のマーケットでは死骸で
あってもかなりの高額で取引が行われる。
これらに意図的に手を出すことは、フィルネンコ所長に曰く
「キングスドラゴンの配下に手を出す以上は、人類が自身の存在を
軽んじている。と感ずる可能性が有り、ひいてはその事実のみで
帝国存亡の危機に発展する可能性すらあるので、扱いには注意をされたい」
との御助言を頂いた旨、付記する。
フェニックス
炎に包まれ、不死鳥とも呼ばれる翼長二mの大きな鳥。
数年に一度、身体を燃やし尽くして新たな身体を作る。と言われる。
その燃えかすは“不死鳥の香”と呼ばれ
裏の市場では高値で取引される。
今回の殿下の視察の原因となったモンスターでもある。
一般にはその炎に包まれた見た目から、捕まえることは不可能であると
思われている。
実際には本職であればその方法はあるらしいが
専門家の秘密である、としてフィルネンコ所長は、懇談の中では
その方法についての言及はしなかった。
その方法を使用して捉えたり、囲い込んだりした場合、リジェクタの業界から
チームごと追放されることはもちろん、その家人までもが命を狙われるほどに
苛烈な、業界挙げての制裁が待っているのだ、とのこと。
ユニコーン
額に長い角を生やした馬の姿のモンスターで見た目より数段気性は荒い。
一般の馬の五倍以上の速度で走ると言われ、過去には飼い慣らして使役した
と言われる英雄もいる。
人語を完全に解し、自らも話すことから意外にもコミュニケーションは
普通に成立することが多い。
処女が好きである、と言う風説があるが専門家の意見に寄れば
人間からの恩恵は受けたいが危害を加えられるのは困るので
少女であれば危害を加えられることは無いだろう。と言う妥協の
産物で有るのだ。とのこと。
ペガサス
天馬とも呼ばれる、背中に翅を持ち空を駈ける馬。
その性質は清廉にして潔白、話をしたことのあるものによると
まるで賢者のようである、とのこと。
特に争いや戦を嫌い、捕まえて軍馬に採用しようとした国では
議会で決議した次の日には、一頭残らず全てのペガサスが国内から
姿を消したという。
キリン
オオカミの頭と爪、シカの胴体と蹄、ワシの翼に牛の角と尾を持つモンスター。
言葉で書くとピンとこないが、その姿はとても美しく、わざわざ絵を描くため
だけに法国へと移住した絵描きがいるとのこと。
実際には人間の前に出てくることはまれで、姿を見る事が出来た物には
幸運が訪れると言われる程。
アルミラージ
かなり数多く生息している、角の生えたウサギ。
見た目と違って非常に攻撃的な性格で、生息地に足を踏み入れるときは
注意が必要となる。
狭い場所に閉じ込められることを嫌うため、飼うことはほぼできない。
ザラタン
巨大なカメでその甲羅の延長は大きなものでは一〇mを超える。
背中に木が生えて至るほどの巨大さで、過去には気が付かずに
島だと思ってそのまま甲羅に住んでいた者がある、との逸話がある程。
法国の公園内には三匹が生息しているらしい。
鳳凰
赤い身体に極彩色の羽を持つ。とても美しい鳥の姿をしたモンスター。
但し、体高は普通に立てば三mを超える。
公園内に居ることは確認されているが、専門家以外がその姿を見ることは
ほぼ無い。
羽を一枚拾うと一ヶ月暮らせる、と言われる程に希少。
リントブルム
トカゲの姿に蝙蝠風の翅を持つ、いかにもな姿のドラゴン。
全長はしっぽまで含めて5m前後しか無いが、その攻撃力は絶大。
法国内では二匹居るものとされている。
人間の近所に生息する珍しい種類でもあり、人の目に触れる機会も
多かった為に貴族家や国家の紋章などになっている事も多い。
長寿である上、聡明でその知識も絶大。会話が成立できた場合には、
意外にもじっくりと話を聞いてくれるという。
かつて帝国勃興の以前に、力を誇示しようとリントブルムを狩ろうとした
人口一〇万を誇った国家がたった一匹のリントブルムに一夜にして滅ぼされた。
と言う恐ろしい逸話が残っている。
リヴァイアサン
水に住む巨大なドラゴンで事実上大きさの確定出来る目撃情報はない。
人間の生活や風俗などには興味を示さないようである。
専門家の推測によると、法国の湖に現れるものは約20m前後とのこと。
公園内の湖で数年に一度、目撃されることがある。
具体的な姿や、どのような生態であるのか。名前は有名なのだが
ほぼわかっていない。
わかっているのはリヴァイアザンの生活圏へ入り込んではいけない
と言う事だけである。
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