第八章終了時までの登場人物
※お話には直接関係の無い、どうでも良い設定なので
読み飛ばしても本筋の理解には全く影響はありませんのでご安心を。
偉大なる皇帝によるシュナイダー帝国王朝連合
宗主国 大シュナイダー帝国皇家
帝国ナンバーワンリジェクタで有り、一応貴族で、代理人でもあるターニャだが、
本来はここまで皇家や宮廷の人間と直接、個人的な接点が持てるものでは無い。
リンケイディア=バハナム・ミレカルロ・ド・シュナイダー
(リンク皇子・若旦那)
※ターニャが皇子、と言うときは皇太子ではなくリンクのことである。
帝国の第二皇子で皇位継承権第二位。ターニャとは同い年。
皇室きってのモンスター通でもあり、王子としての公務の傍ら、
王立アカデミーモンスター学会名誉総裁や魔獣対策会議(MRM)の
議長職を務める。
身長はターニャよりほぼ頭一つ大きい。ロミとは幼なじみでクリシャとも
面識があった。
初めて会った時から、飾らないターニャを最大限意識しているが一方、
彼女が儀礼やしきたりを嫌う上、リンク自身も皇位継承の近い微妙な時期である為、
あえて距離を取っている。
制服でも私服でも襟元にスカーフを巻いているが、これ自体は特に意味が
ある訳では無く、なんとなくやっているもの。
元々スカーフを止める金具は、先々代皇帝妃の遺品である髪留めだったが
ターニャに渡した「証の剣」に加工してしまった。
後に、ターニャから銀の丸い髪留めを貰い、以降はそれを使っている。
レンクスティア=ドルミラム・デカルロ・ド・シュナイダー
(レクス皇子・皇太子・レクスの旦那)
帝国皇太子であり、皇位継承権第一。ターニャより5つ上の二十三才。
金髪のオールバックに碧眼、精悍なマスクと鍛あげた身体。
ターニャから見ると見上げるような身長差がある。
政治経済は勿論、剣の腕も軍師としての計略も帝国一との誉れも高い皇子で
即位前ではあるが「雷帝」の二つ名を持つほど。
金に輝く巨大な剣を身の証として帯剣する。彼の持つ「証の剣」は儀礼用ではなく
完全に実戦を意識したもの。
公務上にあっては剛健で冷徹な人物として評価され、保全庁総督は勿論、
ルカでさえ恐れて一歩引くほどだが、ターニャ曰く。
――間違い無くルカや皇子の兄さんだよ。うん、間違い無いな。
とのこと。
リジェクタとしてのターニャについては全幅の信頼を置き、王家の試練
に関しても護衛として彼女のチームのみを連れて行くほど。
女性としての彼女にも興味があるように見えるが、誰も確認しないのでわからない。
オルパニィタ・スコルティア・デ・シュナイダー
(ルゥパ第二皇女・末姫様・ルゥ)
帝国第二皇女で、皇位継承権四位。一三歳。
背丈はロミより頭半分低い。見た目は前髪を真っ直ぐに揃え、多少幼さが残る。
宮廷内では知る人ぞ知るかんしゃく持ちで、直接接する侍従達には有名。
姉であるルカことリィファ姫のことは無条件で尊敬し、唯一の理解者と感じている。
その為、(彼女から見ると)理由も無しに宮廷を出てしまった現状は謎であり
自分のせいだとは思って居ないものの、心を痛めている。
全世界で二人だけの称号、
高貴なる姫君
と呼ばれる資格の有るルカ以外のもう一人。
母親譲りの輝く黒髪と、美しく住んだ黒い目を持ち、見た目通りに優しく気高く、
国民人気は皇族一。
見た目に反して剣を握らせれば一級品で母の形質を受け継ぎ、魔法剣士でも
あるため、持ち歩くサーベルには刃が付いていない。
これは、魔法で状況に応じた属性の刃を形成するので不要なため。
特にアイスソードを得意にする。
剣指南役にアリネスティア伯爵を指名し、ロミは兄弟子で事実上の師匠でもある。
伯爵家没落を、それを止められなかった自分も含め、心から憂いている。
ロミには話していないが没落の原因となった伯爵家の元執事とその一派は、
時間をかけて全員居場所を洗い出し、自ら一人一人を手打ちにして廻った程に
責任を感じている。
あまり政には積極的でなく、姫の立場もあいまって周囲も
それについては何もいわなかったのだが、ロミと再会し考え方を一変。
凍結されたアリネスティア伯爵位を自らの手でロミに返すことを目標とし、
最近では積極的に政に関わるようになってきている。
フィルネンコ事務所への来訪が禁じられているため、ロミ以外との接点はない。
大シュナイダー帝国 宮廷親衛騎士団
現在は第六までの騎士団が存在。
建前上は皇帝の近衛騎士団で第三はレクス、第四はリンク、第六はルゥパが団長。
事実上団長を務める皇族個人の近衛であり、側近でもある。
第一、第二は各々約二〇名、その他は五~七名で構成されるエリート集団。
第五は本来リィファが団長であるが“大公国へ無期限留学”しているため現在は
リンクの預かりになっている。
第一は皇帝夫妻、第二はその他皇族全員の近衛である。
第三親衛騎士団
アストリゼルス・イルサム
(アッシュ)
第三親衛騎士団ではレクスに次ぐ副長であり、事実上の親衛第三の長。
親衛騎士全団の中でもオリファと共に一,二位を争うと言われる剣の使い手。
筋骨隆々で髭面のいかにもな風貌だが、一方で細かいところにも気が付く
人物でもある。
第四親衛騎士団
オリファント・アブニーレル
(オリファ・副長)
第四親衛騎士団副長であり、こちらも事実上の親衛第四の長となる。
器用で気が回り、官吏としても優秀なうえ、剣を取らせても超一流。
リンクよりは一才年上。礼儀には煩いが実は平民の出で、宮廷にあがったのは
十二歳の時。
ターニャをたてて、パムリィに気を使う苦労人。
クリシャのことは気になっているが、主に負けず劣らずの堅物さ加減で
その想いが伝わる事は当面無さそうである。
マクサリス・フォリエンテ
(マクサス・代理)
オリファに次ぐ第四親衛騎士団副長代理の地位にある。
元々騎士の家系の出で、リンクとは同い年。
官吏としてはオリファと同じく優秀なのだが、あえて主の先回りをしたりはしない。
口うるさいが部下達には好かれている。
アリアネ・マルチナ・ヴィーグマン
(リア)
第四親衛騎士団第三位。小柄な体に真っ赤な髪が印象的な少女だが、
髪型は長さも含め結構頻繁に変わる。
年齢はルカと同じく一六歳。
騎士としても皇族の側近としても優秀なのだが、相手がフィルネンコ事務所の
面々となると、多少挙動が不審に成る。
若いが、戦の現地指揮や作戦立案などに長け、実務レベルではマクサスが
とても頼りにしている。
実家は猟師であるらしい。
デイビッド・ケイヒル
(デイブ)
第四親衛騎士団見習い。見た目は金髪を短く刈り上げた少年。
優秀なのには間違いがないが、親衛騎士としては新米。
リアと同い年で仲も良いが、仕事上は彼女が教育係でもあり一緒に
行動しているときも多い。
元々官吏の家の出身で、宮廷内の人間関係などにも詳しいが
恋愛などの噂話には疎い。
帝国政府 環境省 環境保全庁
総督
環境保全庁を統括する四〇絡みの中年男性。独身。
元フィルネンコ事務所でターニャの父と共にリジェクタとして活動していた。
モンスターの知識については当時は学者にも勝ると言われ、ターニャの父の時代には
クリシャに近い立場にあったらしい。
専門家としての知識を買われ、政府がモンスターを所管する環境保全庁総督のポストを
つくったうえで、フィルネンコ事務所から引き抜いた。
当然、ターニャのことは生まれたときから知っているので、娘のように感じている。
ターニャからはおっさんと呼ばれる。
ヴァーン商会
会頭 兼 害獣駆除部門長
ウィリアム・ヴァーン/リアン ※ターニャは姉御、と呼ぶ。
肖像画作成 宮廷絵師カ・スミ
帝国最大の商家であるヴァーン商会の会頭にして、子爵でも有るヴァーン家の
長男で事実上のヴァーン家当主でもあり、帝国唯一の妖精の専門家でもある。
二十代後半。
身長は一八〇を超えるが普段から女装し、一〇cmはあるヒールを履いている。
事情を知らないものは、本当の女だと思っており、背は高いが結構な美人として評判。
自分でもウィリアムやウィルとは名乗らず、普段は女性型の略称であるリアンを使う。
女性と噂になったことはないが、男性に興味があるのかどうかは不明。
さすがにパムリィは理解がおよばず、彼女のみウィリアムと呼ぶ。
激高しやすい性格だと思われているが、言動に反して大概冷静であることが多い。
かつて弟と共にリジェクタとして一時フィルネンコ事務所に籍を置いていた。
その後、会頭就任のため、フィルネンコ事務所を離れヴァーンの家へと戻り
自身を長とするリジェクタディビジョンを立ち上げた。
優秀で商才にもあふれ、これで見た目が“まとも”だったら。とは側近の弁。
帝国害獣駆除組合総本部
ロジャー・ヴァーン:組合長
ヴァーン家の三男に当たる。二〇代前半の優男。イメージよりも上背はある。
家系であるのかリアンと並び立つほどの体術を使うが、全くそうは見えない。
帝都学術院でモンスター学を学んだ事もあり、クリシャとは学友に当たる。
一時期、フィルネンコ事務所で、現保全庁総督に師事していたことがある。
ヴァーン商会の頭取の座を蹴って組合長に納まる変わり者でもある。
帝国本国のリジェクタを事実上統括し、仕事を割り振る立場にある。
リジェクタを全てまとめた場合の潜在的保有戦力は帝国軍の一個軍団に匹敵する、
とまで言われ、帝国政府からも組合長は伯爵相当位の扱いを受けている。
帝国王朝内にあるほぼ全てのモンスター関連の組織と繋がりがあり、領土をまたいだ
リジェクタの貸し借りなども実は彼の仕事。
クリシャと同等、と言われる程にモンスターにも詳しい、組合の長に相応しい人物。
兄であるリアンとは、良くないことを言う親族が多い中、意外にも折り合いが良い。
一般人
ハルトジェンナ・シルヴ・デ・メサリアーレ・センテルサイド
(ハル・お母様)元アリネスティア伯爵婦人。
元々はシュムガリア公家の第二公女でロミの母親でもある。
かなり器用な人物であるようで、分けても庭造りはプロの庭師並みと評判だった。
アリネスティア伯爵家崩壊後は、娘と共に実家でもあるシュムガリア公国で
隠遁生活を送っている。
アルピネイラ=ワイト・メサリアーレ。センテルサイド
(ルピィ)アリネスティア伯爵筆頭家センテルサイドの長女。ロミの妹、十歳。
少し早いですが、本年の投稿はこれで終了とします。
次回は一月第二週の水曜日から、となります。
今後もよろしくお願い致します。