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夢か現か現か夢か
誰かの夢だと思った。
自分の夢ではない、誰かの夢。あまりにも心地よい眠りだった気がして。
これは、確かな物語。これは確かな物語。
「三つの国 手伸ばす時、二人の青年落ちる。
青年、負けを知らず術知らない。
青年、その術知った時、戦乱は静寂のなかに。
交わされし三つの器、色とりどりの種は何処へ。
五つの種よ、嘆いてはならぬ。
五つの種よ、恐れてはならぬ。
五つの種よ、汝の罪は何色か。
恐れることなかれ。全ては尊きものの為に。
恐れることなかれ。全ては己が為に。
散りゆく運命よ、抗いたくば――――――」
名を捨てた吟遊詩人は弾き語る。
二人の勇者と憐れな五人の戦士の物語を紡ぐべく。