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ランニング・ウォリアー  作者: 0・The Fool
1年インターハイ
3/32

意地とプライドとその先にあるもの

このお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。




「山道! あんたに電話よ!」


 自分の部屋で漫画を読んでいたボクに母さんが声をかけてきた。


「はい。かわりました。」


 誰だろうと思いながら出ると会ったばかりの人物だった。


『よ。昼間はすまなかったな。』


 どうやら自転車競技部の部員だった。声からして、ボクを縛って運んできた人のようだ。


「いえ。もういいです。それよりどうしたんですか?」

『明日日曜日だろ? 何か予定あるか?』

「無いですね。アキバに行こうと考えていたぐらいで。」


 ボクの答えにホッとしたような感じの声が聞こえた。


『ならよかった。明日の8時頃にきゅぽら広場に来てくれないか? 見せたいものがあるんだ。ついでに昼飯もおごるよ。』




 ボクが指定された広場につくとすでに先輩がコンビニ袋を片手に待機していた。

 ボクと同様に自転車で来たようで、変わった形の自転車がそばにおいてあった。

 ボクのと違いカゴがない。ハンドルも両側に横にしたUが着いている。そのほかにも、泥除けもチェーンカバーもスタンドさえもついていない。


「んじゃ、行くか?」


 先輩はボクの自転車のカゴにコンビニ袋を押し込んだ。中身はドリンクに携帯用の補給食が2つだ。


「俺の分は取ってあるから好きに飲み食いして良いぞ。」


 どうやら、ボクの分らしかった。言われてみれば、リュックサックで気づかなかったが、来ている服の腰が膨らんでいる。




 先輩の案内のもとたどり着いたのは、戸田市からさいたま市を跨がる彩湖という荒川調整湖の広場だ。そこの柱にチェーンロックで固定してしばらく歩くと、湖の側が封鎖されている。何故か封鎖している柵にものすごい数の人が集まっている。


「なあ。お前。俺の自転車を見て変わった形だと思っただろ?」

「え、えぇ。」

「あれは、カゴ、泥除け、チェーンカバー、スタンドなどの走るのに邪魔な機能を全て排除して、速く走るのに徹底的に追求した走り屋の為の自転車。ロードバイクだ。

そして、コレがそのロードバイクの操り手の意地とプライドをかけた戦地(バトルフィールド)。勝者には名誉と喜びを。敗者には屈辱をもたらす悲劇と喜劇の舞台。

ロードレースだ。」


 視界の端っこで何かが動いたと思った次の瞬間、目にも止まらぬスピードでロードバイクに跨がった選手が疾走していった。


「なあ。登坂。昨日お前が言ったよな? 自転車は楽しく乗るものだって。俺も同感だ。だけどさ、自分達の意地とプライドをかけねば得られない楽しみもあるんだ。」


 ボクはその言葉に対して何も言えなかった。魅了されたかのようにレーサー達の戦地をじっと見ていた。

ボクはそのスピードの世界を知らない。だからこそ魅力的に写ったのかもしれない。そして、その世界を体験してみたい。その世界の風を肌で感じて、風の声を聞いて、世界が流れゆく様をこの目で見てみたい。ボクはロードレーサー達を見てそう思った。

 


 その後、ロードバイクやマウンテンバイクの試乗体験させてもらったりお昼ご飯をごちそうになりその場は解散となった。

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