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ズル……ズル……ベチャッ。


巨大な魚の卵のようなそこからようやく這い出てきたそれは、随分と衰弱して見えた。

本来は美しい五色の輝きを放つ白銀の体が今は体内から吐き出された毒素を含む血にまみれている。

黄金の瞳も、長い苦痛による疲労が浮かんでいる。

横たわる長く巨大な肢体が淡い乳白色の光を放ちながら縮んでいく。

光が消えた時には、若い女の姿に変わっていた。


「なるほど。こりゃ見られたくねーわな」


彼女が出てきたことを察し、現れた彼はその惨状に苦笑した。

とても彼女1人の体から流れ出たとは思えないほどの血、彼女が入っていた卵形の塊が裂けて流れ出た液体。

それらに浸かってピクリとも動かず横たわる彼女の体を清め抱き上げる。


「よしよし、よく頑張ったな」


ガラス玉のような瞳をそっと閉じさせ、頭を撫でるその手は愛しげで、彼女を大切に思っていることがよく分かる。

彼はしっかりと彼女を抱き直すと、彼が造ったその空間から姿を消した。

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