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来た。


なぜかはわからない。けれど突然確信した。

その確信だけを頼りに駆けだす。

心よりも体が先に動いていた。

何かに呼ばれるように、全力で駆けた。

そして、辿り着いたそこに、確かに彼はいた。

血まみれの姿で力なく木の下に体を預け、辛うじて意識をつないでいた。

傍にしゃがみこむと、目が合った。


やっと、会えた。


言葉にはなっていなかったけれど、彼はそう言って微笑んだ。


降り注ぐ木漏れ日がまぶしくて薄く目を開ける。

明るい光が目に痛い。思わず目を細めて、ふと考える。

気を失う前に見た光景。あれは、現実だったのだろうか。

そういえば、血の匂いがしない。頭から血を被って血みどろだったはずなのにどうしたことだろう。

それに、体のどこも痛くない。

ただ、まるで自分の体でないかのように重くて全く力が入らない。

ぼんやりしていると、ちょんちょん、と肩をつつかれた。

そちらに視線を向けて思わず息をのむ。


そこにはずっと思い続けていた、「あのこ」がいた。

透ける白銀の髪も、艶のある黄金の瞳も、現実だったのだ。

そのことが嬉しくて、ほっと息をついた。

ずっと傍を離れずに不慣れな手つきで世話をしてくれた。

身体が動かないことがもどかしくて仕方がなかった。


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