ジュールズ――どうしようもない愚弟6
陽光が降り注いでいるかのような、淡く優しいプラチナブロンドの髪。冷たいアイスブルーの瞳。長身の体を黒い僧服に包み、彼だけに許されたローブをまとっているのは、年の頃三十代半ばの迫力ある美形だった。
「お初にお目にかかります。リュカ・グランディディエと申します。閣下、この度はドラージュ公の保護、及び育成の労をお取りいただき、誠にありがとうございました」
美しい男は胸に手を当て、私の父に深く頭を垂れた。
グランディディエ家と言えば、私でもその名を知っている、ダルメス名家中の名家だった。
父に着席を促され、彼は一揖して優雅に腰を下ろした。
対面の椅子にはそれぞれ父とジュールズが座り、少し離れた長椅子に母と私、グザヴィエも部屋の隅に控えている。グランディディエに随行してきた神官たちは、誰一人としてジュールズが入室を許さなかった。はっきりと表明された拒絶の意思に、美しい神官長は顔色一つ変えず、「仰せのままに」と従った。
「ドラージュ公、ご立派になられて」
「はて、ドラージュ公とは? 私は幼少の折にダルメスを離れて久しい。家督を継いだ覚えもないが」
対するジュールズの態度は山の岩塩よりも塩だった。随行員の入室を拒否されている時点で、ジュールズのこの反応は予測していたであろうに、こうも親しげに語りかけてこられる神経がすごい。
「これは失言でした――陛下」
ジュールズの顔が引きつる。言い直してもっと失言する人も珍しかった。
彼はジュールズに構わず、隅で畏まるグザヴィエに冷ややかな目を向けた。
「フラ・グザヴィエ、申し開きはあるか」
「待て、グザヴィエが何の――」
「この者は時満ちた後も、あなたをダルメスにお連れすることをしませんでした。職務怠慢と言わざるを得ない」
「……ドラージュ公が自らお戻りになるのを、お待ち申し上げておりました」
「相変わらず甘い男だ」
呆れたような笑みを浮かべるグランディディエだが、その目は決して笑っていなかった。
「山ひとつ越えただけの辺境伯領に、亜麻色の髪をした綺麗な子がいる、などと。気づかれぬとでも思ったか。いち早く事態を把握した我らが、水面下で公の保護に動いていなければ、今頃どうなっていたと思う」
グランディディエの叱責に、その場にいた者全員がうなだれた。
「だが、ライスターにて鍛えていただけるなら、これ以上の環境はない」
彼は満足げにそう言って、ジュールズに向き直った。
「公、どうかご帰還を。今こそドゥミリューヌもて厄災をお倒しください」
ジュールズはにっこりと笑って言った。
「グランディディエ――だったか。お前は強いね? 私ほどではないが」
グランディディエもにっこりと笑う。
「王族殺しも辞さぬほど、争うことが大好きなダルメスに、お前のような手練れが一人や二人しかいないということもないだろう。お前たちがその勇猛をもってして、束になって掛かれば厄災の一頭くらい、倒せぬこともないのでは?」
突き放すような口調だった。
ああ、そうか、と私はこの時、ようやく気づいた。
彼はもう、ダルメスを母国と思っていないのだ。
当時十歳だった彼にとって、ダルメスとは、彼自身を亡き者にしようとしただけでなく、彼の両親の命をも奪った憎い敵の国だった。
――ダルメスの為に、体を張って戦う義理はない。
ジュールズは言葉と態度ではっきりとそう告げていた。
当然と言えば当然である。彼をこんな風に扱っておいて、さあ母国の為に奉仕せよなどと、今更誰がどの口で言えるだろう。
これが父や私の世代ならば、求められるまま大人しく帰還し、大人しく責務を果たしたことだろうが、ジュールズは今どきの子だった。
「私はライスターに婿入りして幸せに暮らすので、お前たちと共に行くことはない」
待て、ジュールズ。それはお前を匿う為の方便だ。
「もし厄災がここライスターを襲うことあらば、私は愛するライスターの為、迷わず剣を取るだろう。この身果てるまでライスターの為に戦うことを、父母より授かった名に懸けて誓う。だが、ダルメスのことは知らない。お前たちで何とかするがいい」
ジュールズは白銀の剣を具現化させ、グランディディエに差し出した。
「ドゥミリューヌはダルメス王にお返ししよう」
その瞬間、ドゥミリューヌは抗議するように激しく明滅した。
「え、そういう話をしただろう……?」「いや、そういう意味で言ったんだよ……」とジュールズが聖剣と会話し始める。
「聖剣が守護者のおそばを離れることはありません。思うに、あなたの言うダルメス王と、ドゥミリューヌが理解するダルメス王に、若干の齟齬があったかと。ドゥミリューヌにとって、ダルメス王とは他の誰でもなく、あなたのことでございますから」
グランディディエが落ち着き払って解説し、ジュールズは悔しそうに奥歯を噛んだ。
「時に、現国王と王太子でしたら、お二人とも突然の病を得、現在は離宮にて静養中でございます。病は篤く、もう二度と、あのお二方が表舞台に出てくることはありますまい」
ジュールズが驚愕の表情を浮かべた。
グランディディエがたった今、さらりと言い放った言葉の意味を、額面通りに受け取るほど彼は愚かでも子供でもない。
彼の王に一体何が――そう思いかけて、すぐに気づいた。
厄災の発生まで、今の時点でもう一年を切っていた。周辺諸国にも、そのことはとうに周知されている。この段階で今なお守護者の差し替えに成功していないという事実が、ダルメス王にとって意味することはひとつだった。
彼は自身が始めた下らないゲームに負けたのだ。
「先のドラージュ公ご夫妻のことは、心よりお悔やみ申し上げます」
グランディディエが唐突に言った。
「ご自害でございました」
ジュールズの目が見開かれた。
「お屋敷に押し入った賊は、お二人を拘束し、あなたを呼び戻す為の人質とする算段だったようでございます。お二人はそれを察し、その場でご自害を。お二人が用いられたのは、王族にのみ所持が許されていた、とある毒でございました。眠るような、穏やかな死であった、と……」
「何故、今そんな話を……」
「お知りになりたいかと思いまして」
当然だ。ずっと知りたかったに違いない。
ジュールズには可哀相なことをしたが、力で押せ押せの我が領は、諜報分野があまり得意ではなかった。老獪なダルメスが秘匿すると決めた、二人の死の真相は結局最後まで分からずじまいで、彼は両親が何故死ななければならなかったのか、どのような死にざまだったのか、知ることも叶わぬまま今日まで生きてきた。
「賊の正体も判明し、処刑も済ませております。驚くなかれ、何と王の側近中の側近、ラモンド伯爵でございました」
「ただの実行犯を処刑して、それで手打ちにしろと?」
「何のお話でしょう? 罪を犯した者が罰を受け、正義が成された。それ以上でも以下でもないお話でございます」
ジュールズが再び頬を引きつらせた。
勿論、こんなことでジュールズを懐柔出来るとは、この男も思っていないだろう。だが、いちいちこの言い方。怒らせたいんだか連れ帰りたいんだか。
ただ一つ確かなことは、グランディディエが彼なりの筋を通し、手ぶらでのこのこ迎えにきた訳ではないということだった。
美しい男は深々と頭を下げた。
「公、伏してお願い申し上げます。ドゥミリューヌもて厄災をお倒しください。そして王とおなりください」
ジュールズが冷ややかに尋ねた。
「倒せなかったら?」
「ご安心を。今まで倒せなかった守護者はいません」
あちゃー……。
ジュールズが目に見えて引いていた。今まで誰もしくじった者はいないが、難易度は決して低くないミッションなど、彼が一番嫌がりそうなものだった。
それまで黙っていたグザヴィエが口を開いた。
「ジュールズ様、どうか」
ジュールズはキッとグザヴィエを睨んだ。
「水に流せと言うのか、すべてを。父母を奪い、それまでの暮らしを一方的に奪った国を救えと、お前まで言うか!」
「いいえ」
グザヴィエは胸に手を当てて言った。
「あなたを守り、死んでいった我が兄弟の為に、どうか世界にしばしの平穏を」
普段と何ら変わらぬ、穏やかな口調だった。
ジュールズの目がふっと凪いだ。
「そうか」
その時、ジュールズの胸に去来したのは、どんな思いだったのだろう。
今までの頑なさが嘘のように、ジュールズは優しく笑った。
「ならば――行かぬ訳にはいくまいな」
その瞬間、グザヴィエとグランディディエがジュールズに恭しく跪いた。
彼らの王はたった今、ダルメスへの帰還に同意した。
「二人とも、楽に」
行くと決めたらジュールズはあっさりしたもので、さっきまでの難色が嘘のように、さばさばとした口調で続けた。
「参ろう。だが、ひとつ、はっきりさせておきたいことがある。――クロティルダ」
急に名で呼ばれ、驚いたが、私は呼び寄せられるまま彼のそばに行った。先程からずっと王族っぽい喋り方をしているジュールズの威厳に呑まれた感は否めなかった。普段は意識していなくても、彼は本来、大国ダルメスの王族で、私は一辺境伯の子である。
「あっ」
くいと手を引かれたと思ったら、私はそのまま横抱きにされ、彼の膝の上に納まっていた。
「ジュールズ? 急にどう……」
「こちらはライスター辺境伯がご息女、クロティルダ・ライスター」
小声で尋ねる私を無視し、ジュールズが何故か私をグランディディエに紹介した。グランディディエが呆気に取られたように私を見る。分かっている。「女だったんだ……」と思っているんだろう。だが、これに関しては言わせてもらう。急にやってきたあなたが悪い。事前に来訪を伝えておいてくれていたら、私だって女の恰好で出迎えることが出来たのだ。女の装いというものは、出来上がりまでに多大な時間を要するものなのである。
私の首筋に顔を寄せながら、ジュールズは喉を鳴らす猫のようにすうっと目を細めた。
「私の最愛の人だ」
――ジュールズ? お前はお前で一体何を⁉
私は驚いて身を離そうとしたが、ジュールズの腕にしっかりと固定されていて、彼の膝の上から抜け出すことが出来ない。
ジュールズはひとつ息を吸い、意を決したように告白した。
「――私は姉上のおみ足を見た」
おっ、おっ、お前…………!
私はジュールズの上で気を失いそうになった。
勿論、心当たりはある。あの鍛錬場でのことだ。
だが、問題は言い方だった。
淑女は夫以外の男に決して足を見せない。
「足を見た」というのはつまり、「男女の仲になった」という仄めかし、否、貴族社会においては、仄めかしどころかほとんど公式発表であった。
「私は守護者として、それ以前に一人の男として、不誠実な振る舞いをする気は毛頭ない。こうなった以上、クロティルダを娶るのが私の……」
「ま、待てッ、ジュールズ……」
ジュールズは切なげに眉を寄せ、じっと私を見つめた。
「姉上はよもや、軽い気持ちで私におみ足を見せたのですか」
だから、言い方!
これでは双方合意の上で事に及んだ感があり、しかも、何なら私の方が積極的だったかのように聞こえてしまうではないか!
私は何とか立ち上がろうとしたが、動揺のせいか、足に力が入らない。
あ、あ、と私は焦りと羞恥で頬を火照らせてしまい、不覚にもジュールズの言葉に妙な信憑性を与えた。
「姉上、愛しています……」
ジュールズが私を抱きしめ、父が呆然とし、母は目を潤ませて「お前たち、そうだったのか……」と呟いている。
ジュールズは熱に浮かされたように言葉を続けた。
「姉上、一生大切にします。どうか断らないで」
断らないでも何も、ここでジュールズに引き取ってもらわなければ、私はただの傷ものである。先程からジュールズの頭越しに、グザヴィエがせっせと私に「うんと言え」とサインを送ってきていた。彼はグランディディエにも、前に手を突き出すような仕草で「この線で押せ押せ」と合図している。忙しい人である。
ジュールズの膝の上で固まっている私とは対照的に、グランディディエの反応は早かった。
「勿論です。ドラージュ公の誠意、しかと見届けたり。大任を果たされた後は、即座に婚礼を。――閣下、構いませんか? ご令嬢をダルメス王妃とさせていただいても?」
「えっ? そりゃ、クロティルダはどこに出しても恥ずかしくない、立派な娘に育てたが」
何だかんだで親馬鹿な父が、まんざらでもない様子を見せる一方で、冷静な母が冷静に待ったをかけた。
「我が娘は確かに王妃の器であるが、ライスターの大切な跡取りでもある。差し出せと言われ、すぐにはいとは申せぬ」
「その点はご安心を。守護者の妻となる者は皆、不思議と多産の傾向があるのです。陛下とクロティルダ妃がもうけるお子の一人を、養子にお取りくださればよろしいかと」
母はふーむと頷いたが、私はいきなり突き付けられた、出産という人生の大仕事に恐れおののいた。女性の責務と一応理解はしているが、物凄く痛いと聞く。大丈夫だろうか。しかも一度と言わず、何度もとは? 正直、怖いどころの話ではなく、出来ればこのまま逃げ出したかった。これが魔獣なら何頭でもかかってこいと思うのだが。
「――姉上、大丈夫です。万事私にお任せください」
「うん、ありがとう……」
よほど怯えた顔をしていたのか、ジュールズが心なしか顔を赤くして、小声で励ましてくれた。
男の彼が産屋で一体何を任されてくれるのか分からなかったが、その気持ちが嬉しかった。
「跡取り様が成長なさるまでは、閣下が引き続き領を治めればよろしいでしょう。それともまさか、早々に隠居なさりたいと? これはこれは。勇名を天下に轟かせる当代ライスター辺境伯、フランツ・フェルディナント・ライスターともあろう方が!」
グランディディエに煽られ、「誰がじゃあ」と父がいきり立つ。完全にグランディディエの手のひらの上だ。
母は優雅に眉をひそめて尋ねた。
「ダルメスはライスターを乗っ取る気ではあるまいな……?」
「逆でございます、奥方様」
美しい男はにっこりと笑った。
「ライスターが、ダルメスを乗っ取るのでございます」
その回答は、大いに母の気に入った。
――ジュールズ、話がある。
ジュールズは鍛錬場まで大人しくついてきたが、私に頬の一発や二発、はられると覚悟しているようだった。
「卑怯な真似をしてすみません。どうしても断られたくなくて」
「いい。ジュールズ。お前が好きだ」
「はい、本当にすみま…………あ、あああッあッあねうえッ、い、いいいいい今何と」
今頃気づいた私は馬鹿だ。
ジュールズは早晩、ライスターを去る。
「でも、これだけは言っておく」
「はははははい」
私はジュールズに背を向けたまま言った。
「お前は私に縛られる必要はない」
「え、姉上? それはどういう……?」
「たとえお前が、今は私を好きだと思ってくれていたとしても、先のことは分からない。……私はお前の負担になりたくない」
「――姉上」
「離れている間に、も、もし他に……思い合う方が出来たら……私のことは……気に……気に……気にせ……」
ダルメスにはきっと、ジュールズに負けず劣らず色素の薄い、儚げな美女が星の数ほどいるだろう。男なら皆そっちがいいに決まっている。私との約束に縛られて、ジュールズにつらい思いをさせるのは忍びなかった。
――私のことは気にせず、思う御方と幸せになれ。
そう言わなくてはならないのに、涙があふれて声にならなかった。そんなのは嫌だと心が叫ぶ。
「姉上……」
後ろから伸びた長い指が、私の涙を優しく拭った。
「私がただのジュールズで、本当に縁あって姉上の婿となる為に、引き取られた身であればよかったのに……」
ジュールズが後ろから私を抱きすくめた。
「違うでしょう。どうか姉上、目移りは許さぬとおっしゃってください。私を姉上に縛りつけてください」
ジュールズの腕に力がこもった。まるで私の心と体を、彼に縛りつけるように。
「……三つも年上で、男女の私でいいのか」
「構いません問題ないです姉上がいいですッ!」
はあ、と私の首のそばで、ジュールズが切なげにため息をついた。
「本当は、このまま連れていってしまいたいけれど……あなたをお迎えするのは、務めを果たした後と決めている」
ジュールズはくるりと私を方向転換させ、私が泣き止んでいることを確かめた。
大人の男のような顔をして、ふっと優しい笑みをこぼす。
「――姉上が私を信じて待っていることが出来たら、ご褒美を差し上げます」
ここに、とジュールズは私の唇の横に指を当てた。
――姉上、ご褒美をください。
私は思わず笑ってしまった。
随分と言うようになったものだ。私たちの関係は、いつの間にかお前が私にご褒美をくれるまでになっていたのか……。
「その代わり、私が見事厄災を退けましたら、私にもご褒美をください」
あ、お前へのご褒美も、それはそれでやっぱり要るんだ。
「いいよ」
「――ここに」
彼は自分の唇をとんとんと指した。
「いいですね」
えっ、待って――。
「約束しましたよ」とジュールズがにんまりと笑い、私は一度「いいよ」と言ってしまった手前、撤回も出来ずにうんと頷いた。
数日後、出立の準備を整えたジュールズは、私たちとの別れの挨拶を終え、父から餞として贈られた駿馬に飛び乗った。
既に騎乗していたグランディディエたちが、絶妙の配置で彼を取り囲む。守っているのか確保しているのか、微妙な線だった。
最初のうちこそ強く反発していたものの、武装神官たちに囲まれて旅をするのは落ち着くのか、ジュールズは目に見えてリラックスしていた。
ああ、いよいよお別れだ……と思っていたら、ジュールズは人馬一体、驚異的な動きで武装神官たちをかいくぐり、一度は別れの挨拶を済ませた私の前まで再び戻ってきた。
彼はひらりと馬から降りて言った。
「姉上、私が不在の間、他の男に目移りしたりしないでください。姉上の男は私だけです」
「そんな心配、無用……」
「いや、違うな……。姉上、姉上がお強いのは私もよく存じておりますが、それでも例えば不意打ちとか、薬を使ったりとか、とにかく卑怯な手段で姉上を襲おうとする輩もこの世にはいると思うので、くれぐれも警戒を怠らないでください」
「お前、誰に向かって……」
「あと、就寝中の姉上を襲おうとする卑劣漢もいるかもしれませんから、寝ずの番は最低でも毎晩十人、屈強な女騎士で固めて……」
「――いいからさっさと行けェッ!」
ジュールズはぎゅうっと私を抱きしめ、嫌そうな顔で再び馬に飛び乗った。
グランディディエが前方から優雅に頭を下げて私に謝意を示す。
馬上のジュールズが一度振り返り、私に口づけを投げた。
彼が前を向き、亜麻色の髪がさらさらとなびく。
ああ、彼はやっぱり綺麗だな……。
まるで、気分の乗らない試験でも受けにいくような気軽さで。
後ろ髪を引かれるように渋々と。
私のどうしようもない弟は、世界を救う為に旅立っていった。
次回から義弟視点になります