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プロローグ
こつこつこつこつ。
規則正しい二人のローファーの音。
「あのさ」
「何?」
「兄貴って智花先輩のこと好きだよね」
こつこつこつこ。つつつ。
あ、乱れた。
「えちょ、ななな何言ってんの空⁉そ、んなわけ」
「あるでしょ…。いっつもいっつも寝言でともかーともかーって言ってるくせに」
「え⁉うっそだっていやまさかそんな…!」
「あ、うん。嘘。」
「えええー⁉」
ほんっと、分かりやすいなぁ。
兄貴こと玲丞凪は、三崎智花のことが好きらしい。弟として心配になってくるな、この兄…。すぐ誰かに騙されてつれていかれそうだ。怖。
俺は一つため息をついて言った。
「で?」
「ん?」
「告白とか、しないの?」
「あ、えーっと」
いつもヘタレな兄貴のことだ。てっきり、こ、告白なんてまだ早いよー!とか言ってくると思ったのに。意外だ。
目を背けながら凪は答えた。
「その、明日、します。」
な。な。な。
「なんだってぇぇええー⁉」
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