32話 ダンジョンが生まれた世界を…
プロローグ回と繋がりました。
やっとか…
時刻は5時50分。
現在校庭で準備運動などを行なっている。
「流石に緊張しますね…」
「まぁ初戦闘だし無理もないだろ。」
そういえばこいつもう一般人だしな?
なんで俺の傍みたいな危険地帯にいるんだ?
お人好しの極みだな。さぞモテるだろう。
「一発殴っていいか?」
「……?モンスターにですか?」
「…そうするか。」
流石に話の流れで伝わるわけないよな。
伝わったらテレパシーのスキルを持ってるか疑うレベルだ。
とりあえずモンスターをスプラッタにして気分を晴らすことにしよう。
そんなことを考えてると前の方から自衛官の方がこちらに向かって歩いてくる。
「すみません。もしよろしければぜひ戦い前の鼓舞をしていただけないでしょうか?」
あー、そういうのも必要があるのか。
正直なところもう放送だけでお腹いっぱいなんだが…
「わかりました。引き受けさせていただきます。」
5時55分になった。
自衛官の方に先導されて小学校にあったボロい台の上に立つ。
さて、そうは言ったものの言いたい事は放送の時にあらかた言っちゃったんだよな。
同じような内容になるけどいいか。
自分らしくいこう。
考えるのを放棄したわけじゃない。
「いいか!こっから先は戦いになる!怖いだろう!当然だ!俺だって怖い。死ぬのなんて怖いに決まってる!」
そうだ。
覚悟なんてしてもしたらないくらい怖いさ。
「だからこそ生き残れ!生き残ることだけを考えろ!」
生きていれば丸儲けなんて無責任な事は言えないが死ぬよりかはマシだと俺は思う。
では生き残るためにはどうするか。
「その場その場の最善を尽くせ!お前らが死んだら悲しむ人がいるだろ!」
この24時間でさまざまな交流があっただろう。
少なからず仲良くなった人がいるはずだ。
その人達のためにも生き残らねばならない。
時計の針が6時を指す。
遠くから怪物達の声が聞こえる。
近くに黒いモヤが発生し中からパイセンや狼、サンドゴーレムなどのお馴染みの連中が出て来る。
最後に目一杯声を張り上げる。
「さあ!行くぞ!人類の力をアイツらに見せてやれ!」
「「「「オオッ!!」」」」
一瞬で先頭に踊り出た俺は近くにいたパイセンを殴り飛ばす。
ダンジョンが生まれた日の俺はこんな英雄じみたことを俺がしてるなんて思ってなかっただろう。
だが……こんな人生は最高だ!
最前線を駆けながら次の敵に狙いを定める。
ダンジョンが生まれた世界を元社畜が駆け抜ける。
こんな終わり方ですがまだ完結じゃないですよ。