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21話 血も涙もねぇじゃねぇか。

では、今日も張り切っていきましょう。


 話は少し前まで遡る。


 SP節約のために出来るだけモンスターと戦わないように慎重に進んでいると階段があったわけだよ。


 そして降りてみるとこうなった。


 …は?って思った人も多いと思う。

 それを踏まえて言わせてくれ。




 


 ……は?



 



 「はぁー、やっと反応してくれたよ!」


 「そりゃいきなりこんな状況になったら声もでねぇわ!」


 「ここは宿泊層!宿泊か帰還か選べるよ!」


 「話を聞…ちょ、今なんつった?」


 「ようこそ宿屋、楽座へ!」


 「そりゃ最初だ!」


 なんか調子狂うな。

 白い猫がチェックのベスト羽織ってメガネかけてるんだから当然ではある。


 「じょーだん、じょーだん。ここは宿泊層。

 宿泊か帰還か選べるよ!」


 「つまり帰れるってことか?」


 「そうだよ!まったく!理解力のない人だね!」


 「失礼な猫だな!」


 はぁ、まともに取り合うのやめよう。


 「宿泊はどうやって出来るんだ?」


 「専用のお金…ゴルっていうのがあってね?こういうのなんだけど…」


 そう言って見せてきたのは精巧な作りをした銅貨だった。


 「これはどうやったら手に入るんだ?」


 「ダンジョンの宝箱とか、あとモンスター素材の換金もここでやってるよ。」


 「これでも良いのか?」


 手渡したのはサンドゴーレムからドロップした砂とサソリからドロップした尻尾だった。


 「うーんと…うん!換金可能だよ!でもこれじゃ宿泊は出来ないかな!」


 「マジか…じゃあいくつか質問いいか?」


 「無理なものは無理って言うよ。」


 「オッケー。じゃあどうやって帰還するんだ?」


 「宿の裏に帰還用の魔法陣があるからそれに乗ればいいよ。」


 「あとは…この層はこの先にもあるのか?」


 「うん。3層ごとに出現する仕組みになってるよ。その都度宿泊か帰還か何もしないかが選べるよー!

 ちなみに他の多層型ダンジョンも同じ仕組みだよ。」


 「多層型?」


 「多階層型って言うのは自然なものに輝石がぶつかると生まれるダンジョン。逆に人口的なものにぶつかると単層型になるよ!」


 「なるほどなぁ。」


 「じゃあ金にならないならとっとと帰ってねー!」


 「酷すぎやろ。」


 血も涙もねぇじゃねえか。


 「まぁ、魔法陣ぐらいまでは案内してあげるよ。」


 そうして裏口まで歩いて行く。


 最初は日本らしい宿かと思ったがこうしてみると砂岩が使われてたり砂丘要素もあるのな。

 他のところもそれぞれ特徴があるのだろうか。


 魔法陣の前にたどり着き魔法陣の中に足を踏み入れる。

 すると猫がこっちを向きコホンと、咳払いをしてこう言った。


 「最後にちゅうこーく。今は平気だけどそのうちダンジョンからモンスターが溢れ出すよ。

 最終的にはモンスターが地上にも湧き始めるようになるから頑張ってねー。」


 「は!?ちょ、まだ聞きたいことが…」


 「バイバーイ。」


 あの猫やろう!白い光に包まれ地上に無事帰還することが出来た。


 とりあえず報告からだな。

 この報告怠ればマジで世界が滅びそうだ。

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