11話 きっと思考が迷走してるだけ
日に日にランキングが上がってニヤニヤして見てる。
「おっ?」
転移して来たのは…会社の入口か。
久々な気がするな。
そりゃあんな濃い時間を過ごしたらそうなるか。
ん?今何時だ?
えーと…
1時!?
ダンジョンに入ったのが7時ぐらいだから何気なく4時間ぐらいいたのか…
「すいません!大丈夫でしょうか!?」
「え?あぁ、はい。」
誰?自衛官の方かな?
流石にガタイが良いな。
勝てるだろうか。
…はっ!?いつの間に俺はダンジョン脳筋思考に染まってしまったんだ。
あたりを見渡してみるとこれから戦争にでも行くのかレベルで自衛官達がいた。
え?ダンジョンから生還して地上で死ぬの?
「ダンジョンの中に入ってしまったと聞いたのですが…」
「はい。無事にクリア出来てよかったですよ…」
本当帰ってこれて良かったな。
「「「「えぇーっ!?」」」」
スゴイリアクションだな。
どうした?
「あ、ダンジョンの映像あるけど見ます?」
「え!?撮ってあるんですか?」
売れると思ったからな。
命の危機でも金のことを考えるほどの守銭奴だからな。俺は。
「ていうか、本当にダンジョンから生還したんですか?」
「はい、本当ですよ。」
確かにダンジョンから生還したやつそんなにいなそうだからな。
「多分あなたは初のダンジョン生還者です。
それを踏まえて事情聴取をお願いしたいのですがよろしいですか?」
あー、確かにそうなるよな。
でも…
「すいません、その前に飯食っていいですか?」
マジで腹減って死にそうなんでお願いします。
「蕎麦うま!」
「蕎麦いいですよね…勤務中じゃなければ私も注文したのに!」
初めて俺に声をかけた自衛官…飯田さんはそう呟いた。
「ご愁傷様です。」
飯田さん以外は報告やその他の仕事のために解散となった。
元々はダンジョンの封鎖が目的で俺は死亡扱いになっていたらしい。
飯田さんは俺の護衛だ。
多分俺の方が強いけど。
…本当に脳筋になっちまった…
「それにしてもサバイバーですか…」
「この職業のおかげで生きて帰ってこれたといっても過言じゃないですからね。」
「なるほど。」
ダンジョンに関する情報は基本公開する事にした。
だって拷問とかされそうじゃない?
緊急事態だから他の国に連れ去られるかも知れないし…
「よし!ご馳走様でした。」
「はい。では行きましょうか。」
あ、そういえば角とか換金出来るんだろうか?
「ダンジョンのモンスターの素材とかって換金できるんですか?」
「もしあるのだとすれば大きさにもよりますが500万円は硬いですね。」
へー。そうなのか。
…え?
「そんなにですか!?」
「はい。世界にまだ出回ってなく研究価値も高い。これからの世界の命運を決める鍵にもなり得る物ですよ?」
たしかにそう言われると納得できる…気がする。
これってダンジョン行けばまた稼げるんじゃね?
…はっ!?
流石にないない。
もうあんな目には会いたくないな。
きっと思考が迷走してるだけだ。