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10.魔物討伐と洞窟探検

燃え鼠バーニングラット

名前の通りに、よく燃える鼠である。

燃え鼠は大量の油を体中の油線から出すため、よく油灯の油に使われていて、取引も盛んだ。


そのため、冒険者達からは感謝されている収入源として重宝されている。


また、松明の油としても有用であり、明かりをなくしてしまった冒険好きの冒険者達からもありがたがられている。


燃え鼠は、間違いなく冒険者産業を支える魔物だろう。


―――「これは新時代の魔物図鑑だ!」と✕✕博士も絶賛!

  「覚えておきたい便利な魔物100選」

「ファイア!」

「クケェー…」


「ファイア!」

「ガウゥ…」


「ファイア!」

「ジャアァ…」



「よし、だいぶ当たるようになってきた」

「最後、何倒してたの?」

「さあ?」

「さあ?って…大丈夫かなぁ…」


僕とシルは、「ファイア」の練習がてら、魔物の討伐をしていた。


ここは森の中なので、いろんな生き物がいる。

そんな中魔物だけを見つけて倒すのは、なかなかに大変だ。


と思うのだけれど、シルは慣れているからか、素早く魔物を見つけて僕に指示を出す。


「あ、あそこのあれ魔物だよ」

「え、どこ?」

「あの木の下のところ…」

「あ、あのでっかいヒルか…。ファイア!」


森の魔物は炎に弱いらしく、ファイアは効果覿面だった。


「ところで、火事とかにならないの?」

「多分…」

「多分って…」


正直に言うとわからないが、これまでに僕の「ファイア」が

延焼したことはないので、大丈夫なはず。


ちなみに今のシルは、盾を持っている。

この盾、実は特製で、様々なところに刃がついていて…


「あ、枝の上に魔物が」

「あ、本当だ。えい!」

「おお〜…枝ごと魔物を両断した…」


シルが振り回すことで、武器として使うことができるのだ。

斬新だなあ。


「よくそんなこと思いつくよね」

「え、そう?ありがとう。本当は武器系の紋章が欲しかったんだけど、盾だったから…盾でもいいから攻撃したいと思って試行錯誤してたんだよ」


なるほど。

それでそんなことをするようになったのか。

女子の発言とは思えないけどね!


「いや、私だって普通にままごととか好きだよ?」

「子供っぽくない…?」

「そういう話じゃなくて、ええと…裁縫とか、料理とか女の子っぽい趣味もあるよと言いたかっただけ」

「うーん、別に一般的な女子と照らし合わせただけだから、別に悪口でもなんでもないよ?」

「あー、まあ、そうだけど…まいっか」

「ところで…さっき僕、口に出したっけ?」


頭の中で考えてただけだったんだけど。


思考会話(テレパシー)じゃない?」

「だとしたら不便だなあ、思考会話(テレパシー)…」


迂闊に物も考えられないよ。


「あ、魔物いるよ」

「ファイア!」

「あっちも」

「ファイア!」

「あ、向こうにも」

「ファイア!」


色んな方向に火の玉を飛ばす。

最初こそ小さくてしょぼかった火の玉も、練習の成果か、今では西瓜ぐらいの大きさで、問題なく魔物を倒せるようになっていた。


練習って大事。


「それにしても…魔物、多くない?」

「そうなの?」

「うん。いつも討伐隊で行くときはもっと少ないよ」


そうなのか。

僕は魔物の討伐が初めてだからよく分からないが、シルに よるといつもより魔物が多いらしい。


「…それって、結構な問題なんじゃ…」

「うん、私もそう思う。帰ったら報告しないとね」

「へー、報告ね…どんな対策を取ってもらえるの?」

「…」

「何故お黙りに…?」

「…お父さんが、みんなに『気をつけろよー!』って言う…」


…それで何が変わるのだろうか…

黙るのにも納得。


あの人、作戦とか下手そうだし…


「ほんと、そうだよね。どうにかできないかなぁ…」

「ああぁ、ごめん。また聞こえちゃってた?」

「いや、別にいいよ、本当のことだし…」


本当なのか…

シルが気落ちするって、相当なんだろう。

今日のシル、なんか疲れ目で反応悪いし。

だからまあ、そっとしておいた。


そんな感じで歩いていると、目の前に洞窟が現れた。



「あ、洞窟だ」

「い、本当だ」

「う、どうしよう?」

「え、入る?」

「お、じゃあそれで」


変な会話の結果、僕達は見つけた洞窟に入ることにした。


「洞窟の中は真っ暗だけど、明かりはどうするの?」

燃え鼠(バーニングラット)にファイアを撃ってどうにかする」


燃え鼠(バーニングラット)は油っぽいネズミ(ラット)の魔物で、火を付けるとよく燃えるためにそう呼ばれている。


幸いにも洞窟の入口にいた燃えネズミ(バーニングラット)を捕まえることができたので、ファイアで燃やして明かりにする。

準備ができると、シルはこう言った。


「なんか、ちょっとわくわくするよね、洞窟探検って!」


お、シルに「!」が戻ってきた。

僕としては元気なシルのほうが一緒にいて楽しいので、ちょっと嬉しい。


それに、僕も洞窟楽しみだし。



「じゃあ行きますか、洞窟探検に!」

「おー!」


◇◆◇◆◇

…この判断に「名もなき村」の存亡がかかっていたとは、

このときの僕達は知る由もなかった。

人生で一度は使ってみたい構文、個人的第一位

「〜とは、知る由もなかった」


もし、もしも「続きが気になるかもしれない」とか「もっと面白かったらなぁ」とか思っていただければありがたいです…!


そう思っていただけたならば、ぜひとも助言、アドバイス、誤字報告、いやもうなんだって構いません!書いていただけると嬉しいです!自分にできる全力で活かしますので!

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