表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺が神様?  作者: 神取優
第1章 旅立ち
7/184

第7話 クロネコ騒動

 アンジュととおる、もう1年で卒業となった時。とおるの何気ない行動が・・・


 その日 とおるが当番だった。ゴミを集めて・・学校の裏に行き、焼却炉で燃やす。いつもやっている何ともない行動・・その日、とおるは、マッチを忘れていた。戻ろうかと思い、キョロキョロ、周りを見渡すが・・誰もいない。

 体で焼却炉を囲い・・誰にも見えない様に・・手のひらに火を・・素早く中に流し込む・・燃えたのを見てから蓋をしめ・・振り返った。数歩先に、学校のクロネコが見ていた。目と目が合い・・気まずい雰囲気が・・。

 何故かこのままではいけない。とおるの中で警告が鳴り響く・・体の向きを変え・・静かに、近づく・・お互い目と目が合ったまま、距離が次第に・・。

 手を伸ばせば・・まだ届かない。捕まえて、どうしよう?このネコ、いつから学校に居たっけ?確か、入学からいた気がする。そう言えば、先輩たちの雑談で このネコが凄い長生きしているとか。もしかして化けネコ?

 とにかく、普通のネコじゃない事を思い出した。絶対捕まえて・・それからどうしよう?とにかく、捕まえないと。お互いの距離が・・手を伸ばせば・・


 人間とネコ。余程間の抜けたネコでない限り、はい どうぞ捕まえて。とは ならない。とおるが手を伸ばすと、目を合わせたまま後ろに後ずさり・・・。


 「おーい、マッチ忘れてるぞ。」アンジュがマッチを手に持ちこちらに走ってきた。


 アンジュが見たのは、とおるがネコとにらめっこをしている・・あいつ、サボってネコと遊んでいる。あたしも・・ネコはアンジュに気づいていない。うまく回り込んで・・


 アンジュの声が聞こえる・・でも、ネコから目を離せない。ジリッ・・ネコも数歩後ずさり・・手を伸ばす。


 ネコは、向きを変え 脱兎の様に走り・・出せなかった。アンジュの広げた腕の中に吸い込まれていく。


 「とおる、ネコとあそんでいないで・・・」

 そこで気付いた。とおるの真剣な表情でネコを見ている。

 「このネコ、どうかした?」


 アンジュの中で暴れるネコ。どんなに暴れても 逃げられない・・諦めたネコは、静かになった。


 「そうか、見られたんだ。」

 アンジュは、ネコの顔を見る。もう観念したネコは、・・・・。

 「だれにも見た事を 話さないって言っているよ。放していいかい?」

 「?・・?いいけど・・そのネコと話したの?」

 「何となく わかる。このネコ 嘘つかない。」

 「アンジュがそう言うなら・・・。」


 ネコと話せた?いや、何となく・・・分かった。でも・・・前世ではネコの気持ちなんかわからなかった、今は、・・・どうして?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ