第6話 屋外授業
異能検査に『屋外活動検査』という項目がある。腕に、ある試薬を一滴・・反応を見る。すぐに反応は出ないので、数日後 判定会が行われた。
アンジュは、68%耐性 とおるは、72%耐性 この2人がクラス最高の適合者。普通、高くて60%程度、低いと数% というのもあるようだ。
「とおる・アンジュは、防護服無しでいい。それでも24時間以上屋外にいる場合は、防護服を着るように。あと、・・・・」
先生は、検査結果の紙を配りながら 防護服の説明をしていく。とおるとアンジュは、クラスの注目を一身に集めている。外に防護服無しで行ける・・なんと魅力的な事だ。
最初の屋外活動の日が決まった。親は、防護服の購入に忙しい、わが子が汚染されないように・・
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最初の屋外活動の日。親たちが歴史を知る日と言っている授業がはじまった。
屋外に出ると・・・一面の荒野・・・わずかに雑草が生えているだけの・・・
屋外の一角に、すこし大きめの段になった階段がある、先生の誘導でそこに座ると・・そこは教室と変った。幾年もここで授業が 行われてきたようだ。
「2022年2月22日、日本の近くの国が戦争をはじめました。その国は、ひっそりと核兵器を作っていたのです。それを知った周りの国は、製造を止めさせようと、輸入・輸出と一切禁止としました。」
知っている生徒も知らない生徒も 先生の話を聞いている。風の音だけが、授業の邪魔をする。
「それでも核兵器の開発をやめない・・経済封鎖は続きます。しかし、経済封鎖を受けたその国の我慢も 限度がありました。国内の反動が次第に大きくなり・・2者択一を・・選択したのは、国内の弾圧と対外国への威嚇でした。」
「日本の基地に向かって来たのは、ホンの小さな核兵器でした。実験レヴェルの核兵器でも、その被害は甚大です。。威嚇の目的で使用された核兵器は、日本の基地の破壊と軍事大国への威嚇です。予想以上の破壊力を持った核兵器は、日本の基地近くにあった軍事大国の基地も甚大な被害を与えました。予定外の方向へと被害は拡大していきました」
「軍事大国は、即応・・その国の軍事施設の破壊を行うと中規模の都市に核兵器を一発・・・これで、戦争が拡大していきました。その国と隣接する国との戦争再開・・日本への無差別報復・・それに対応するためその国の都市が、一つ一つと消えていきました。」
「この世界の最後となる出来事がおきます。・・その国から軍事大国に向けて、大陸間弾道弾が発射されました。迎撃に成功するのですが・・・宇宙衛星より発射された迎撃ミサイルは、高高度で爆発。大量の放射能が世界の地上に降り注いできました。世界は滅亡の日を迎えます。放射能は、人類を直接滅亡する程の量ではありませんでした。しかし、汚染された食物は、生物を次第に苦しめ・・種の維持が出来ません。食物連鎖が破戒され・・次第に死の惑星へと変わっていきました。」
「我々人類は、生き延びようとコロニーをつくりました。」
先生の指が 巨大な体育館を示します。
「この惑星に 幾つものコロニーができました。君たちも大人になれば、職業を選択してコロニーの一員となります。これから学び、人類の発展の為尽くしてください。」
神様の失敗って・・・これ?