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なろうケイ  作者: red-panda
2/21

勇者になれって言われたけど

エウレカセブンって面白いよね

黒いローブの一人がこちらに近づいてくる。


「@*@@*@‘*‘++*」


 何かわけのわからない言葉を発している。

 その男は手の平を差し出してきた。その上には二つの指輪があった。 


「つけろって意味かな?」


「多分そうじゃない」


 俺たちはその指輪をはめる。


「聞こえていますか?」


 聞こえてくる声はさっきと変わらなかったが、しっかりと意味は伝わってくる。

 不思議な感覚に驚きを隠せない。

 どうやら、この指輪は翻訳装置みたいだ。魔法だろうか?多分そうだ。


「あ、はい、聞こえます」


「私も」


 その男は、私たちから離れていった。

 その代わりと言っては何だが、王様らしき人がこちらへと歩いてくる。


「召喚されし勇者よ。どうかこの世界を魔の手から守りたまえ」


 そういう系か。


「・・・」


「・・・」 


「・・・」


 なんか気まずい時間が流れる。

 王様は依然として硬い表情したままだ。

 え、何。返事待ってるの。

 俺と由美子は見合わせる。

 お互いいったん指輪を外す。


「どうするよ」


これが本音だった。いきなり勇者になれって言われても、どういたらいいのって話だ。


「いや、私に聞かれても」


 由美子は困った表情で頭をかく。


「だって勇者だろ。なんか魔から世界救えって言われてんだけど。これって戦わないといけないの?」


「いやだから、私に聞かれても知らんって」


「どうするよ。全然わからん」


 お互い途方に暮れそうだ。


「これってすぐ返事しなきゃいけないものなの?」


 由美子が質問してくる。


「わからん」


「わからんかったら聞くしかない」


「王様にか?」


「そう」


「聞くのは提案者に任せた」


 由美子は焦ったのか早口で言い返す。 


「ちょっと待って。さすがにじゃんけんにしよ」


「しゃーないな」


 あんな王様みたいな人間に話しかけたくなんてない。なんか顔怖いし。俺なら勝てる。給食のケーキを勝ち得た男。それが俺。絶対に勝てる。


「じゃんけん、ほい」


 俺は渾身のグーを出す。

 恐る恐る由美子の手を見る。

 手が全開に開いていた。

 完全に負けだ。くっそぉぉぉぉぉ。

 俺があの王様に話しかけないといけないのか。

 ため息が出るぜ。

 再度、指輪をつけて話しかける。

 緊張を紛らわすために、大きく息を吸い込む。

 よし。


「あの、それって今答えを出さなきゃいけないですか?」


 言えた。ちゃんと言えた。

 

「そうか。わかった。そなたたちも急に召喚されて戸惑っているのだろう。従者よ。客室へとご案内しろ」


 とりあえず、よしとしておこう。これからどうするか考える時間稼ぎにはなった。

俺たちは通学カバンを肩にかける。

 メイドに連れられて、石造りの部屋を出た。

スーパーカー クリームソーダ

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