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あなたは知らない方がいい世界  作者: 雀音の涙
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二十二ノ怪 糸数壕、アブチラガマ

沖縄の幽霊スポットとして有名な糸数壕アブチラガマ。そのアブチラガマとは「アブ」は空をブンブン飛び交う…いえ…、深い縦穴?「チラ」はいやん…な、覗き…ではなく…絶壁や崖?そして最後の「ガマ」が万病に効くという噂のガマ油……すいません、嘘をついてました。しかも本当のガマ油は有毒なのでご注意を…。(汗)

…と、半分…どころか、全開で話の線路を脱線しましたが…。ガマは凹んだ場所や空洞が有る洞窟を指すとか。直訳は只の防空壕?…この情報は、しばらく沖縄に住んでいた事があるユウに聞いた話です。

しかし彼は空気の流れが無い、その糸数壕の地縛霊よりも、外に大きな森が点在するらしく。よほど、そちらの方がパワースポット的には危険度が増すらしいのですが…。そしてトークメンバーは自分ケイジと更に地元出身者のパワフルシングルマザー、キンちゃんを加えーー




「ケイジさん。キンさんは、そこに住んでなかったら知らないって言ってるっすけど。行ったら絶対に分かるっすよ…。ハッキリ言って近くの森の方が無茶苦茶ヤバいんすから」


「アブチラガマは知ってますけど…、近隣の森は行った事ないし。わたし、知らなくてすいませーん」


「あははは…。生まれが沖縄のキンちゃんでも知らない幽霊スポットがあるんだね?」


「ケイジさん。違いますよ〜?星の数ほど無数にあるスポットの中の一つです。恐らくSNS上に掲載されてない心霊スポットなんて、沖縄には腐るほど有るんですから。特に北の地なんて謎だらけで…カクカクシカジカ…(エッヘン)」


「気になるのなら、ケイジさんも一度沖縄に住んでみるといいっすよ?」


「あー、けどなぁ…。ケイジさんだったら…」


キンちゃんやユウ曰く。沖縄の人は難しい方々が多く、他の土地からやって来た者を、やたらと拒む習慣が有るとか。その土地の隣近所の団結力は強く、長年住んでいたユウですら阻害された時期があったと言っていました。


「じゃあ、ケイジは住めないんじゃない?彷徨うかの如く、うろうろするし。俺はすぐ半泣きになるからな?ちょっとでも刺激したら大泣きして、後はもう知らないぞ?」


「あははは、見てみたいです。ケイジさんのソレー!」


「ケイジさんっ!遠くで見守っておくっすから、絶対大丈夫っすっ!!」


「泣いてる俺を笑顔で見物しながら、放置しっ放しで。何故遠くで見守ってるんだよ…?ちょっとは助けに来いよっ…。…ん?はっ…、ヤバい…何か興奮してきた…はぁはぁはぁ…」


『あははは…』


と、社内トークでも話は脱線してしまいましたが。道路側からでもユウにはその″森の霊たち″が見えていたらしいです。しかも昔、敵兵に殺されてしまったのか。その因果関係での恨みの念が相当強く、意識が通じてしまい彼らが此方に近付いて来たとか。


「コイツ、マジ見ただけで幽霊っすっ!…ってヤツが、ゆっくりと長い距離を追いかけて来て…。その霊が俺に取り憑こうとするっすよ…」


「う、うん…」


やたら話を引っ張るユウ、そしてドキドキする自分…


「中でもしつこかったのは、敵兵に追い詰められて自爆した…」


「…じ、自爆した?」


「″自爆した地縛霊″っす」


「…………。」


「それと…」


「えーっと。まぁ、はぁ…。はい、どうぞ…」


「″憑かれると、疲れるっす″よ?すっごく」


「……。」


えーっと、これは一体?彼は日本中を旅しているが生まれは生粋の大阪人。駄洒落も一流……って、そんなベタなネタを読んでる人は全く期待していませんからっ!と、ケイジは一人、自分の心の中で叫び。心の中で暴れながら。心の中で次の展開を待っていました。すると


「…いや、マジっすよ?」


「へ…?じょ、冗談じゃなかったの?」


「違うっすよ」


「あははは…、はぁ…」


少し早とちり。その間もキンちゃんは黙ったまま静かに彼の話を聞いてました。そして自分は、その後の話の続きの方がゾッとしたのです…


「それでっすね…。この霊たちは一体何処に隠れていたんだ?…ってくらい、更にゾロゾロと増えて来てっすね…?囲まれてしまって…」


「!?」


「周辺、全ての霊と俺はシンクロしてしまったっすかね?もう、最悪っす…。動かない身体で感じた、あんな重さは初めてで…。ゾンビ映画でも、あるっしょ?アレみたく、見つけられてない死体がまだ地中にあるのか、下からも次々と手が伸びて来るっすよ…。わあっ!!って…」


「きゃっ!?」


と、そこでキンちゃんの悲鳴が…。気持ち的に、単身の霊なら何とかなるかも?…とは、ならないですが…。ただ、大量の霊に襲われるなんて、ゾンビ映画のバイオ◯ザードを彷彿させます…


「…で、…ど、どうなったの?」


「…あとは、目覚めたら病院で入院してたっす。あ、その病室にも地縛霊がいたんすけどね…?それで…カクカクシカジカ…」


淡々とそう話すユウ。その大量の霊たちは、その地に永遠と縛りつけられている地縛霊だとか。今でも苦しみ続け、助けを求めており、その苦しさから解き放ってもらおうと、シンクロする人間を探し彷徨い続けているらしいのです。

さらにオチで病室にも別物の地縛霊ソレがいたらしいですが…。一体、ユウの目には普段からどんな光景が映し出されているのでしょうか?毎日がホラー映画状態だったりするんですかね…?本当にヤバい話でした…





完。

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