コード
「私達には、記憶と感情が欠落している。」
「果たして取り戻せるだろうか。罪深き人よ。」
・記憶の一部欠落。
→共通欠落点、独自欠落点
・感情の一部欠落。
→補い合う関係。
⇒男主人公は孤独を失い、女主人公は興味を失った。
興味を失う→相手への関心がない。共感できない。故に、孤独から逃れられない。
孤独を失う→寂しくならない。常に前を向かなければならない。積もりに積もった心の傷はいつまでも癒されない。孤独は自分を見つめ直す機会をつくる。そこにぬくもりが生まれて、自分というものが生まれて、初めて本当の意味で孤独じゃなくなるんだ。
もし孤独がなければ、自分に関心が持てず、人にも本当の意味での関心を持つことはできない。
偽りの前向きさと、自己肯定感のない偽りの自信に、
次第に興味を持つことすらやめてしまう。
《登場人物》
医師→この世界で唯一の医師。この世界の謎について迫ろうとしている。『太陽』というものの存在に強い関心を抱いている。
少年→外の世界を夢見る少年。この世界で唯一何というか心に余裕を持ち合わせている、でもドジで考えなしによく突っ込んでいく、チャレンジ精神旺盛な男の子。
少女→この世界に違和感を覚える。前世?の記憶がほんの少しずつ甦り、本来あるはずのものがこの世界には欠けていることに気づく。
おじさん→この世界で1番の善人。人々を助け、親なき子を養い、来るべき日まで戦い続ける。
泥棒→物を盗むが、人を助けたりもする、一見するとよく分からない人物。自分の信念や、欲望を第一としており、敵になったり味方になったりする。
超常的な現象として誕生した『Air』。それは意識が宙に浮かぶ、実態のない生命体。Airは世界の滅び、人間の滅びを確信し、仲間と共に助けられる人間だけを巨大な施設に収容し、自分は世界の修復に努めた。
この世界の人々はデータ化されたものが具現化され、再構築された人間。Airが来るべき日まで、待機させている。
ドームの外では、Air対人を滅ぼした機械が戦争を繰り広げており、結果Airは敗れ、操られ人類の敵になる。
街の中央では大樹(バオバブの木)がたたずんでいて、その大樹にはおじさんの恋人の魂が込められている。Airはおじさんの親友で、3人で世界を守ろうって強い決意をした。
大樹は人々のデータを集積していた、大樹が倒れれば人々の形状は瓦解する。つまり、大樹が倒れれば人々は死んでしまう。
《能力の目覚め》
過去の記憶の復活とともに、主人公たち一部の人々には、『創造する』力が宿る。それは心に深く根付いた記憶によるもので、人によって創造できるものは違う。そして、それが機械文明に対抗できるただ一つの武器になる。
《機械文明》
人間に作られ、人間に失望し、人間を滅ぼそうとする機械人類はしばらくして心を宿し、個々の機械に差異が生まれ始めた。人間を残らず滅ぼそうと考えるもの、現状でよしと考えるもの、人間と共存しようと考えるもの。ドームの中の人間は認識されていて、日々処置をどうするかについて議論されていた。また、あまりにも強力な力をもつAirについての処遇は保留されており、地下施設に収容されていた。(人間文明では考えられないほど、技術や知識が発展しており、Airに形がなくともその存在としての収容が可能になっていた。)
《最終決戦》
機械文明とも和解を果たし、いよいよ人類と機械が共存の道を歩もうとしていたときAirの暴走が始まる。
Airとは『存在意義』として、当時1人ずば抜けた技術と知識を有していた博士によって人類と機械が手を取り合う未来のために生み出された存在だった。自分の存在意義が不確かになった今、Airは消滅することに恐怖し、取り乱し、結果暴走した。
隔離して、放置しておけば自然と消滅するであろうAirに対して主人公やおじさんたちはそこへ向かう。(おじさんの恋人も機械人類の技術によって人としての形状を保ち生還を遂げている。)
そして、Airとの最終決戦が始まる。
勝負に敗れたAirは、今やその存在が消えかかろうとしていた。だが、その時みんながAirを手を取り合って囲む。みな目を瞑り、ただAirのことを想う。すると、Airは過去おじさんやおじさんの恋人と過ごした日々を思い出した。幸せな日々を思い出す中で、Airは『自分という存在』を思い出す。
『記憶の世界』。
真っ白に綺麗な世界の中で、おじさんとAirは初めて
『対面』したような気がした。おじさんは歩みを進め、Airを抱擁し、背中を優しくポンポンとたたく。
Airはその時初めて、涙を流した。彼は人になることができた。
《後日談》
機械と人間が平和に暮らす世界で、Airは普通に幸せに暮らしていた。自分の家を持ち、たまにおじさんの家に遊びに行ったり、また主人公たちと超能力をつかってたくさん遊んだりした。毎日が楽しく、めっちゃハッピーに過ごしましたとさ。