川津抗争 開戦
技もはいってきました。
戦闘部上官は全員応援に、行ってしまったようで先程までの雄叫び祭りはどこえやら閑散としていた。ぽつぽつと雨が降り始める。
「訓練者は寮へ戻れ。」
業務部から告げられ、俺たちは部屋へ歩をすすめた。
「いやーなっさけねぇ。見事にぶっ倒れたわ。」
俺もである。一瞬で毒と判断し特個を最大現に発揮できる、飯塚たちはとても才能があると言える。さらに雄心あいつは、[御調子者]いかにも彼らしい特個だが、確率操作なんてチートすぎる。笑えないレベルである。
『自由隊に告ぐ!!直ちに基地を放棄し投降せよ!!』
爆音が聞こえる。しかし、教師三士以下の者は現在、強化遠征中であり、今この基地に戦闘部は訓練生しかいない。抗争が2箇所同時に行われる事は過去になく、対策がなされていなかったようだ。
「んーどうする。今は先輩方は出払っている。」
「俺が行くよ。皆は無理しないで」
「やだぁーひろとこわい♡」
「昼ご飯くいてぇ」
「あ、10円みっけー!ラッキィィィィィィィ!!」
それぞれがそれぞれの反応をしている。…個性的な反応もいるが…。廊下から叫ぶ声が聞こえてきた。
「君達、訓練生、現在川津基地は攻撃を受けている。業務部で応戦を行っているが時間の問題だ。既に緊急招集はかけたが、最短で2時間かかるそうだ。君達に頼みがある。希望者でいい。…防衛に参加してくれないか?」
「よし!いこーぜ!」
俺と、翔、柊は立ち上がり
「やだやだやだやだやだやだこわいこわいこわい」
「やだぁーひろとこわい♡もぉー♡」
「…飯は!?」
駄々をこねる3人を引きずり出して雨の中、煙の場所まではしった。他にも同じ思いで走っている仲間が数多くみえる。
「戦闘部訓練生です。応援に来ました」
「あぁ。ありがとう。この基地には…」
爆音が上官の声を遮る。
「…指示は[巨眼鬼]の私がだす。全員散ってくれ。」
特個の階級は神 皇 鬼 特質 一般とあり鬼階級の特個はかなりの力の、持ち主だ。
心に響く指示。念話の類なのだろう。回復系は北館入口 攻撃系は第二北門に出よとの事だ。翔は後ろである。俺らは第二北門へむかった。
着いた瞬間飛んでくる矢。
「[話術士]発動。《物理話術》!!」
「…くっ効かねぇ…ぐはぁ」
目の前で人が倒れていく。許せねぇ。[正義感]を発動する。
《守護の剣士》
俺の手に、かするだけで相手を無力化させる事のできる剣が出現する。
目の前に居た委員会の奴へ切りかかる。
「《魔矢の雨》。ふっ、しねぇ!!!」
俺の体に矢が降り注ぐ。くっ避けきれねぇ…
あたる!!
「ふんっ。《確率操作》で命中率を下げた。俺に感謝しろよー望月ージュース奢りなドヤッ」
感謝っと行きたいとこだがなんかむかつくな…すぐに雄心は目の前の恐らく毒使いの方に体を向け直していた。
矢が飛ぶ。[正義感]の効果《脚力上昇》で一気に距離を詰める。決まった…だが剣は弾かれた。矢を剣のように持っている。《硬貨矢》彼は一言そう呟いた。諦めるなまだ諦めるな。俺はもう一度切りかかる。