訓練
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じりりりりりり
起床の音も共に皆もぞもぞとベッドからでてくる。どしーん。という音が聞こえ2段ベットの上から雄心が落ちてくる。断末魔が聞こえる。まあ大丈夫だろう。
「あさごはっんーあさごはっんー」
うきうきとしているのは飯塚だ。昨日風呂でも話したが凄くいいやつだ。
すると全員の体が急に光をおび、気づけば外にいた。
「なぁに!もたもたしてんだ!!それじゃ、誰も守れない
ぞ!腹筋100かぁい!!」
大丸教官が叫んでいる。
「やっだぁーひろとねむいぃー」
「えっ朝飯は!?」
その2人には教官のギガントパンチを食らわされていた。
しっかり右手を巨大化させてちゃんとパンチしていた。
雄心がすぐに腕立て伏せを始めている。えらいやつ…腕立て伏せ!?
「話をきかんかぁい!!」
雄心は遠くに吹き飛んで行った。
結局問題なく腹筋を始めたのは俺、柊、翔、だけである。
他の部屋の人はなんの問題なく腹筋をしている。全員死に顔なのはいつまでもない。
腹筋のあとは走り込み、そして朝食だ。
「朝から随分とハードだったね」
柊は汗を拭きながらいう。
「それ!まじそれ!きちぃー」
翔も答える。2人ともいつからこんなに仲良くなったんだろう?横では誰かとは言わないが2人が飯にがっついている。
「ちょっとぉー♡にんじんむぅりぃー♡」
ひろとはくねくねしている。顔がかわいい雰囲気だから言いもののオッサンになったらどうするんだろ…
「あら、優馬じゃん!おっひさー」
「もう、朝くらいのんびりご飯食べさせてよ美月」
隣の机から声がかけられる。前の高校の知り合いだが2人とも父が自由隊かなにかで入隊したらしい。久しぶりの友達に気分はよかったが、すぐ後ろのイケメンに目が釘付けになっていることに、気づくまでにそれほど時間は必要なかった。
朝飯も終わりとうとう本格的な訓練。
「よし!!貴様らまずは特個を発動してみろ!!」
『はぁい!!』
俺は[正義感]を発動する。ただし、守るべき決まりも守るべき人も居ないため、発動は出来ない。俺は粘りに粘る。ここでへこたれる訳にはいかない。体に力を入れ脳に血液を送る。くっそ全然できねぇ。
「もぉー、ひろときついー♡毒やぁだー♡」
「ほお?斎藤。貴様は[中和者]をもっているんだな。性別も中和されてるけどな。はっはっはっは は…は…は?」
「あっちなみにいまここ毒まいてるから発動して自分の身を守らないと気絶するぞー」
え!?ちょまてまてまてえぐいて
「ふぅー僕の[優雅舞]じゃあちょい厳しいかな。えっとー。
ん…うっ…バタッ」
柊が倒れる。
「あー毒とかでも結構いけるじゃん。[美食家]はだてじゃねーな。さぁて昼ご飯昼ご飯。」
飯塚は美味しそうに深呼吸している。恐ろしい食いしん坊だ。
「おいー望月ー俺の[御調子者]で毒の危険度0パーまで下げちった。」
急に息が楽になる。他の数人の隊員も目を覚ましたようだ。
名前はふざけているがとんでもない特個の持ち主だ。
「ふぅ、大丈夫か?治療するか?[医療術士]で今のダメージ治せなくはないけど…」
すぐさま翔が回復にまわっている。俺の部屋の人達は皆凄い能力をもっている。なのに俺は発動もできず…
「よぉし!!素晴らしいぞ!!今年の隊員は優秀だ!!」
『本部より緊急伝達。現在、田沼中学校にて大規模抗争が発生。当基地、川津基地への応援要請により戦闘部教育士長以上の者は至急出動せよ』
放送でけたたましく流れる。
「何!?貴様ら1度訓練休止だ。戻れ。」
そういうなり、恐らく飛行系特個をもった人を連れて今にも雨が降りそうな真っ黒な雲へと飛んで行った。