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ビンタされた!

 父さんの実家を出発して、今度は母さんの実家へ向かう俺とソフィアは、また馬車で移動しているのだが……


「ソフィア……起きろよ……おい……むぐぐっ!」


「く、くぅー、くぅー……」


 寝たふりヘタクソだな! 何だ!? ……たぷたぷっ、たぷたぷっ


「そ、ソフィア……」


「う、うーん、すやぁ~」


 寝たふりが長いな! たぷたぷっ、たぷたぷたぷっ!


「もう……いいや……」



 サクラばあちゃんの家を離れて、馬車に乗ってからソフィアが何か変だ。


 いつもより距離が近い。

 

 馬車の中だから狭いのは当たり前だが、それでも何か近い。

 とりあえず体がくっついていて、さらにちょっとこちらに体重をかけてくる。

 狭いのかと思いスペースを空けようとすると、またこっちに寄ってくる。

 おかげでこっちは壁とソフィアに挟まれてる。


 しまいにはこちらに寄りかかったまま、寝たふりまで始めた。

 ソフィアのいい香りがするし、馬車で揺れるたぷたぷスイカが俺にぶつかる。


 寝たふりも止めないし身動きも取れないから、もう寝よう……




「お客さ~ん、着きましたよ!」


「ハル起きなさい、着いたみたいよ」


「んぁ!? もう着いたの!?」


「もう! ぐっすり寝てたわよ♪」


「そうか……って! ソフィアごめん!」


「別に良いわよ♪ あら? ヨダレ付いちゃってる!」


 着いたと言われて起きたら、目の前にはたぷたぷスイカがあった……何か気持ちいい枕だな~と思ってたら……


 しかもたぷたぷの上の方にヨダレまで付けちゃって……どうやって寝てたんだ俺?


「もうしょうがないわね♪ うふふ♪」


 ソフィアどうしたんだ? やっぱり様子が変だ……


「ソフィア……変なもんでも食べた?」


「食べてないわよ!」


 ビンタされた! ……いつも通りか……




 ソフィアは怒ってるが、しっかり手は繋いでるから大丈夫かな? しばらく歩いていると……


「やっと見えてきたな~!」


「久しぶりに来ちゃったわね……」


「やっぱりまだ嫌なのか?」


「嫌ではないんだけどね……どうも苦手で……」


「もうすぐ着くし、別に悪い人達でもないだろ?」


「もちろんいい人達よ? でもね~」


「じゃあ別にいいじゃん!」


 そして俺達が玄関の前に立つと……



「ハル~! よくきたのぉ~♪」


「久しぶ……ぐぇ! ちょっ! 苦しい……」


「久しぶりじゃな~! 来るのを心待ちにしておったぞ~♪」


「苦し……苦しいからちょっと離れて!」



「コテツじいちゃん!」


 玄関から飛び出して来たのは、母さんの父親で俺のじいちゃんのコテツだった。


 コテツじいちゃんは俺の事を溺愛してくれているのか、やたらスキンシップが激しい。

 姉ちゃんにもこんな感じだが、姉ちゃんにやると殴られたりする事があるので、ほとんど抵抗しない(出来ない)俺には特に激しい。


 じいちゃんは見た目は細マッチョでイケメン、そして鬼の一族の末裔なので、とにかく力が強い。


 今も出会い頭にハグされているが、こっちが振りほどきたくても力が強すぎて、逃げる事が出来ない。


「ハル~! 遠いところまで疲れたじゃろ? お菓子食べるか? じいちゃんと一緒にお昼寝するか?」


「大丈夫だよコテツじいちゃん! それよりリージアばあちゃんは?」


「ダーリン、ハル坊を離してあげて? 久しぶりねハル坊♥️ よく来たわね、ウフフっ♪」


「リージアばあちゃ……むがっ、もご!」


「ハル坊は相変わらず可愛いわね♥️ 食べちゃいたいくらい♪」


 コテツじいちゃんが離してくれたと思ったら、今度はリージアばあちゃんにハグされた……


 リージアばあちゃんは本当に母さんにソックリで、姉妹と言われても疑わないくらいだ。


 そしてなんといっても、リージアばあちゃんはサキュバスなので、凄い色気がある。


 孫の俺は別にいつもの事だし、ハグされたところで何とも思わないが、普通の男だったら、失神するか昇天してしまうんじゃないか?


 母さんと同じ赤い髪に白い肌、いつも露出の激しい服を着てるところは母さんにソックリだが……


 1部分だけ全く違う……それはソフィアよりも大きな、たっぷんプリンだ。


 そして今、俺はそのたっぷんプリンに顔を埋めている……息が……!


「リージアばあちゃん……もう苦しくて限界だから離して!」


「あら? ごめんねハル坊♥️」


「じゃあ次はじいちゃんの番じゃな?」


「とりあえずもういいから! 今日は話をしに来たの!」




 ハグ地獄から解放された俺は、とりあえず本来の目的、父さんの所で働く事を伝える。


「そうか……ハルも大人になったのぉ~! 今日はお祝いじゃ! 何が食べたい? お小遣いは足りてるか?」


「私は2人で来たから、結婚の挨拶かと思ったわ♪」


「お小遣いは足りてるから大丈夫だよ! というか、リージアばあちゃん、何言ってるんだよ!」


「そうよリージアさん! 私達はまだ……」


「「「まだ?」」」


「何でもない!」


 とりあえず挨拶も終わり、リビングでくつろいでいるが……コテツじいちゃんとリージアばあちゃんがベタベタしてくる。

 2人を見てると、やっぱり母さんと親子なんだなぁ~と思うよ。


 するとリージアばあちゃんが何かを思い出したようで


「ハル坊、今日は泊まって行くのよね? それなら明日手伝って欲しい事があるんだけど……」


「別に構わないけど、何やるの?」


「ウフフっ♪ それは明日のお・た・の・し・み♥️」


 イヤな予感しかしない……



 そして次の日……その予感は的中する。






 その頃マリーは……



「許さない……ハルちゃんは渡さない……」


「マ、マリー! 落ち着いて! 1週間くらいで帰ってくる……ひっ!」


「……あなた、覚悟しなさい……」


「マリー! こんな所でその魔法は!」


「……うるさい!」


「うっ! ……でもあの冷たい目……出会った時みたいな、凛々しい目で……凄くいい!」


「……黙れ! くらいなさい!」


「だまっ!? マリ…… ぎょえぇぇーー!!」




「……パパ、ママ、ただいま…………パパ!!」


「……」


「ママ! パパが!……ってママ?」


「……」


「ハルに知らせなきゃ!」

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