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いつもより何倍もおいしい♪

 今日も見回り、明日も見回り……


 特に 何かあるわけでもなくたまに荷物運びとか困っている人の手伝いを頼まれるくらいだ。


 だから街の人からしたら毎回ソフィアと手を繋いでブラブラしてるんだと思われてるかもしれない。


 実際、俺達を見かけると冷やかしたり、中には舌打ちして「リア充爆発しろ」とかボソッと言ってくる奴もいる。


 ソフィアには見回りを減らした方がいいのでは? と提案するけど


「ダメよ! せっかく定期的に見回りしてるのに! それにもし減らして、休みにした日に何かあったら大変じゃない! あっハル! あそこのクレープ屋さん新作出してるみたいよ! 行ってみましょう♪」


 という感じで断られてしまう。


 見回りの日は減らしてくれないし最近は寄り道も多い。


 まあ、こないだ休みの日にデートしてからソフィアは少し変わって、なんか肩の力が抜けたような気がするから特に何も言わずに付き合っている。


 だがそうなると冷やかされる事も多くなるけどな……


「いらっしゃい! あらソフィアちゃんとハルくんじゃない? 今日もデート?」


「いや今日は見回り……」

 そう言いかけると横に居るソフィアの表情は少しがっかりしたような顔になる、多分俺にしか気が付かないだろうけど。


「今日は見回りデートだよ……」


 するとソフィアが嬉しそうな顔になる。

 ……よっぽどこないだのデートが楽しかったんだな……デートと付けるとソフィアの機嫌も良くなるし、口うるさい事も大分減るから俺にとってはいいけど……


「デートだなんて……見回りついでのようなものよ♪ ってこれ何? カップル限定セット?」


「ああ!新作出したから始めたのよ♪ 新作のクレープ1つと、もう1つ好きなの選んで買うとカップル限定で少し安くなるってセットよ! ただ同じの2つはダメだから両方の味食べたかったら仲良く食べさせ合いっこしてね♪ ってやつ♪」


「安くなるならこれにしないか? ソフィアが新作食べればいいだろ? じゃあ俺は……」


「ち、ちょっとハル! いいの!? カップル限定セットよ! そんなの私……」


「何だっていいじゃん、わざわざ別々に買うよりまとめて買った方が楽だろ?」


「ま、まあそうだけど……カップル限定……カップル……」


「じゃあ新作1つと俺はバナナクレープで!」

「はいよ! 良かったねソフィアちゃん♪」

「うううぅ~……」


  ソフィアが顔真っ赤にしてモジモジしてるけど何恥ずかしがってるんだ?


 クレープを受け取り、近くの飲食スペースで食べることにした。


「あー! うまいな♪」

「……そ、そうね!」


 さっきからモジモジしていたが、何かを決意したようで


「ハル! あの……これ一口食べる!?」

「……じゃあ貰うかな?」


「えっ! 食べるの!?」

「いや、ダメならいいけど……」

「だ、ダメじゃないわよ! あ~ん!」


「あーん、お! これもうまいな♪ こっちも食べるか? いつもソフィアが頼んでるやつだけど」

「! ……いいの?」


「いいよ、こっちも好きなんだろ? ほら、あーん」

「あっ、あ~ん、うんおいしい! いつもより何倍もおいしい♪」


「いつものやつと変わらないと思うんだけど……」

「そんな事ないわよ! いつもとは全然違うわ!」

「そうか~?」


 そんなやり取りをしてると周りから


「あらあら、仲良しね~♪」

「けっ! イチャイチャしやがって!」


 ……別に昔も食べさせ合いとかしてたし別に普通だろ? ソフィアだって2種類食べれてニコニコ嬉しそうにしてるし……


 とりあえず今日の見回りは終わりにして家に帰ると、父さんと誰かが話してるのが聞こえてきた。


「昨日うちの村が襲われました、その前はシボリー村、何とか犯人を捕まえてもらえないでしょうか? また襲われたらと不安で夜も安心して眠れません……」


「すいません、一刻も早く捕まえたいんですが、犯人はかなり厄介でしかも具体的な人数が分からなく下手に動けないでいるんですよ、下手に動いて失敗すると捕まった人の命が危ないので……」


「そうですよね……私達が犯人を追いかけた時もバラバラに逃げて、しかもその先にはそれぞれ仲間が待っている、そしてまたそれぞれが違うとこに逃げて……結局盗まれた物も誰の手に渡ってどっちの方向に行ったかも分からなくなってしまいましたし……」


「とりあえず私の部下も十数人いるのに誰も追い詰められていない、せめて大体の人数がわかれば……」


 なんか大変な話してるな……俺達の街は特に大きな事件は起きてないけど、オズク村か……大変だな……


 その後、俺は父さんに呼び出されて


「ハル、さっきオズク村の村長さんが来てたんだけどな……」


「あー、帰ってきた時にちょうど話してるの聞こえたよ、大変みたいだね」


「そうか説明する手間が省けたな、ハルに仕事をしてもらいたい、まずはオズク村に行って被害の状況を聞いてきて欲しい、父さんが動ければいいんだが今はこの街を離れられない」


「聞きに行くのはいいけど、何で離れられないの?」


「実はオズク村を襲った奴らを追いかけてた父さんの部下からの報告で、犯人の一部がこの街にも居るかもしれないんだよ」


「ええっ!? 大丈夫なの?」


「考え過ぎかもしれないが、この街でも何か被害が出そうな気がしてな、この前のホテルの事でソフィアも言ってただろ? もしかしたら何か関係あると思うんだ、そしてここで父さんが動いて街を出ていくタイミングで何か起きたら……」


 確かにあのホテルで騒ぎを起こしたチンピラは父さんを見て慌ててたな……ソフィアが気にしていた事を考えると下手に動けないな……


「本当はクリスに行って貰おうと思ったけど犯人の追跡で人が足りなくなった上に街も警備しなきゃいけない、だから追跡に行ってた部下を何人か戻した代わりにクリスに引き継いでもらったから人が足りないんだ、だから悪いけど頼むぞ!」


「ああ、分かったよ! とりあえず出発の準備してくるよ」


「ハル、危ないと思ったらすぐ逃げるんだぞ? また村に犯人が来ないとは限らないからな?」


「言われなくても逃げるさ、戦うなんて無理だよ」


 そして準備をしてるとソフィアがやって来た。


「ハル! 私も着いていくからね! ユートも許可してくれたわ!」


「ソフィアも来てくれるのか! 助かるよ」


「ハル1人なら危ないからね♪ それに多分ハルを1人で行かせるとマリーが騒ぐから」


 するとドアの向こうでなんか騒いでる

「マリー! 落ち着いて! ハルはオズク村の状況を見に行くだけで危ない事はさせないから!」


「何言ってるのよ! それでもハルちゃん1人で行かせて何かあったらどうするの!?」


「だからソフィアも一緒に行ってくれるから!」


「ええっ!? またソフィーだけハルちゃんと2人きりでお出かけ~!? ズルいズル~い! じゃあ私がハルちゃんと2人で行く~!」


「ダメだよ! マリーは目立つし有名だから犯人が何か仕掛けてくるかもしれないし……」


「ソフィーばっかりハルちゃんを独占して~! 近所の人から聞いたけどいつも見回りって言ってるのにショッピングしたりご飯食べさせ合いっこしてるって! 私もした~い! だからハルちゃんと行く~!」


「……いや遊びに行くわけじゃないよ!?」


「そうやってハルちゃんと一緒に出かけるの邪魔して! ユートなんか嫌~い!!!」

「……! き……!!!」


 何かが崩れ落ちるような音がしたが俺達は気にせず用意を続け、そして


「それじゃあ行ってくるよ!」


「マリー、ハルの事はまかせて! それとユートと仲直りしときなさいよ?」


「ソフィーズル~い! ハルちゃん! ママを置いてかないで~~~!!!」


 泣き崩れる母さんと、放心状態で座り込む父さんに見送られ、俺達はオズク村へ出発した。

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