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詩集「てのひら暦」

行き違いハイ・ティー【詩】

ガスのほのおに 橙が手をふるのを 見ていた

やかんはまだ だまっている


順番というものがあります

太郎さんと出会ったあとに 次郎さんが来た

あとさきが 逆ならば

今とはちがっていたの


ガスのほのおが しな作るいっぽうで ツノ立てて

やかんを 熱するのを 待っていた


貸し借りというものがあります

私は あのひとに 言葉を貸した

すると 栗のイガだけがかえってきた


ガスのほのおが ほのおでなくなる 境い目をさぐっていた

やかんが 青息吐息 うめいている


思いやりというものがあります

私は この火で 栗ごはんでも炊けばよかったのかしら

でも くやしいから 一人分の紅茶をいれます

2018年10月27日制作。

ハイ・ティーは、英国で夕飯時に飲むお茶のことです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ギブ・アンド・テイク。とても身につまされる詩でした。志茂塚さん、こんばんは!貸してあげた言葉にはちゃんと言葉を持って返す。礼儀として当然で、とても大切ですね。気をつけたいと思います。
[良い点] 「ガスのほのお」や「栗のイガ」など不穏な空気をにじませながら、それでも静的かつポップであるという、何とも面白い詩です。技巧を感じます。
2018/10/27 22:12 退会済み
管理
[一言] むむむ!
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