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急展開です。

花野香澄16歳。

フロックスさんを愛でつつお城に着いたら殺されかけてます。

このまま床に落ちたら多分死んじゃいます。

死にたくないです!!

 えええ・・・落ちる・・地面に激突・・・死ぬ・・


 死ぬ・・イヤ・・イヤ・・


 ・・・たすけてえぇぇぇ・・・フロックスさん!!・・・





 ・・・・ぇえ?・・・・




「間一髪、セーフって感じ」



 誰?・・知らない男の人の顔が近くにある・・・



 あれ、この人の顔って・・・。


 私と同じノッペリ顔に糸目、ストレートの黒髪・・・・・・。




「・・ヒッ・・ヒッ・・ヒイラギ様・・・。」



 私を階段から突き落としたリザードマンがこちらを見て、土気色で震えている。



「フフ、殺人未遂?傷害罪?婦女子暴行?罪状はなんにしても現行犯逮捕って事で。

 ナスタチウム、逮捕よろしく~。」


「了解。」


 ナスタチウムと呼ばれたオレンジ色の髪を美しく結い上げたブルーの大きな魅惑的な瞳の長身な女性が、階段を颯爽と上がって行く。


 豊満な胸が鎧からこぼれそうで腰の部分は肌が見え、布越しに盛り上がる見事なヒップライン。


 鎧と剣を装備されてるから女性騎士だと思うけれど、何て妖艶な姿。


「ナスタチウム様、違うのです!。私は・・な、何も・・・。」


「煩い!!現行犯だ。観念しな。」


 ナスタチウムが、リザードマンの襟首を持ち引きずって行った。



 ハッ、私、糸目の男性にお姫様抱っこされている。

 この人、階段から落ちた私をキャッチしてくれたってこと。


 糸目の男性がほほ笑む。


「君、この世界では珍しい顔立ちだね。名前教えてくれるかな?」


「助けていただきありがとうございます。名前はカスミと言います。」


 正直に名前を言うと、嬉しそうに


「あ!君、ひょっとして日本人?転生者?僕はヒイラギ。元日本人で今勇者やってまーす。」

「・・・・・・・・・・・はい?・・」


 糸目で鼻筋の通った高い鼻。薄い唇に細面な顔立ち。

 黒いストレートな前髪は真ん中で分かれて眉が隠れるくらいで切り揃えてある。

 身長は170センチくらい?金色の鎧越しだけれど細身なんだと感じる。

 金色の鎧以外日本では普通の人。


 転生者、なるほど。


 ・・・勇者?



 驚き過ぎて無言で見つめてしまう。


「フフ。カスミちゃん可愛いね。

 そんなに見つめられると照れるなあ。」


「ハッ、すみません。失礼を。あの、もう大丈夫なので下ろしてください。」


 知らない男の人にお姫様抱っこされるって、嬉しくないっていうか恥ずかしい。


「カスミちゃんさぁ。今日は(ココ)に何しに来たの?」


「あの、警備隊隊長と会う約束をしていまして・・本当に大丈夫なので下ろしてください。」


 両手を突っ張ってヒイラギさんから体を離そうとするけれど、ヒイラギさんひょろっとしたモヤシ体系っぽいのに全然バランスが崩れない。


「そっかあ、警備隊長ね。

 OK。

 連れてってあげるね。」


「え!?いや、一人で歩けますから、お願いです、下ろしてください。」


 ヒイラギさん、私をお姫様抱っこしたまま歩き出した。


 やああああああああ!恥ずかしい。


 ▽▽▽


「これは、ヒイラギ様。今日は何用ですかな。」


 飾り付けの無い重厚な家具の置かれた広い部屋。


 獣人の警備隊隊長。

 頭と顔下半分は茶色の毛で覆われている。大きくしっかりした鼻に深く茶色の瞳。

 体はかなり大きく熊系の獣人だとスカビオサさんから聞いていた。


「やあ、ブラキカム隊長。

 この可愛いお嬢さんが君に用があるっていうから、連れて来てあげたんだよ。」


 私はヒイラギさんにお姫様抱っこされたまま。


 ヒイラギさん、全く下ろしてくれる気がないので、腰を出来るだけひねり隊長の方を向いて挨拶した。


「警備隊長、この様な恰好で失礼いたします。

 スカビオサ・ヒャクニさんから紹介していただきました、カスミ・ハナノです。」


「ああ、狼について有用な話が聞けると待っていたよ。」


 隊長さんは私に気の毒な顔をし、ヒイラギさんに、


「ヒイラギ様、そこのソファにカスミさんを座らせていただけますか。」


 と、間接的に私を下すように言ってくれた。


「わかったよ。」


 と、ヒイラギさんは私を抱いたままソファへ座った。私はヒイラギさんの膝の上。


 違う。こういうことじゃない!。


「ヒイラギさん、いい加減にして下さい!!。

 いくら先程助けてくれたとはいえ、体の自由を奪われてるこの状態。

 本当に嫌!!」


 足をバタつかせ、両手を思いっきり突っ張った。


 ヒイラギさんはニコニコしてビクともしない。


 と、突然ヒイラギさんの左目が、

 ボッ

 え?燃えた!!。


 ヒイラギさんは私をスッと隣に避けてソファに座らせ、燃えている左目を手で押さえた。


「嫌がる女性を放しなさい。この馬鹿!」


 高く響く美しい声。


 豪華な金の巻き髪をした新緑の瞳の綺麗なエルフさんが、人差し指をヒイラギさんに向けている。

 白く足首まである長いマントを羽織り、マントの隙間から緑色のビキニをつけたあまり凹凸がないスレンダーな体が見える。


「ひっどいなあ、カレンは。

 いきなり目に『火球(ボッデュフー)』投げるなんて。

 僕でなかったら、失明して顔が火傷になるよ。」


「あんたにだからやったのよ。」


「ほら、勇者様。ブラキカム隊長のお仕事の邪魔をしてはいけませんよ。

 向こうに美味しいケーキとお茶を用意しましたので、行きましょう。」


 と、プラチナブロンドをボブカットにした、アメジスト色の瞳の愛らしい少女が誘う。

 身長は140センチくらい小柄だけれど胸の谷間が見えるチューブトップを着け、ショートパンツを履いている。


 ヒイラギさんの周りの女性は布面積の少ない衣装でないと駄目なんですかね。


「ケーキはロベリアにあげるよ。

 僕はここでカスミちゃんから狼の話を聞きたいからね。

 ん?カスミちゃん、どうして軽蔑した顔で僕を見てんの?。」


 勇者ヒイラギを最低男だと思う気持ちからですよ。


 ▽▽▽


 警護隊長の室内にて警護隊ブラキカム隊長、勇者ヒイラギさん、勇者の仲間カレンデュラさんとロベリアさんが椅子に座り、今まで私が狼狩りをして気付いた事を話す事になりました。


 人数多い。緊張する。


 狼の数が突然増え、ある時から急に人間を襲いだした。

 狼達は街道を行き交う人間を襲い、街の中や近くには現われない。

 昼夜関係なく狼達が現れ、狼狩りをしても狼の頭数が減っていない感じがする。

 お金持ちを襲い、お金を持っていない人は襲われない。

 狼狩りの冒険者を回避する知恵が高い事。


 頭の中で話をまとて来たつもりだったけれど、いざ人に話すとなると上記の事をあたふた言って、

「それで、何者かが狼を使い金品を奪っているのではと考えました。」

 と、閉めました。


 子供の発表です。


 ブラキカム隊長は腕を組み目を閉じ考えています。寝てないよね?


 ロベリアさんはメイドさんが持って来てくれたケーキに夢中で私の話は最初から聞いてなく、カレンデュラさんがつまらない話がやっと終わったと


「ふーん、この子がそうやって感じてるだけの話じゃん。」


 って、やはり話の裏付けに資料を作り確証を提示しないと駄目なんだ。


 落ち込んで下を向く私の頭に、ポンと手が乗ってきた。


「カスミちゃん、今まで頑張ったね。」


 隣に座るヒイラギさんが微笑んでた。


 さっきまで軽蔑してたのに顔が熱くなる。


「この街の領主から、狼の被害が大きいっていうのは聞いてたからね。

 いくら狼狩りしても成果が出ないって。

 おかしいよね、狼がそれだけ巧妙に人間を襲いに来るのは。」


 認めてもらえ嬉しくてヒイラギさんに微笑んだら、カレンデュラさんが私にすっごい険しい目線。


 あぁ、カレンデュラさんヒイラギさんのことが・・・。


「僕はカスミちゃんの考えで合ってると思うよ。」


「はい?」

 ヒイラギさんが私をお姫様抱っこして立ち上がった。


 いつの間に抱きかかえられたの?

 体の動きが速すぎてわからなかった。


「ブラキカム隊長、僕が行くから。」


 唖然とする3人に


「狼の件、任せといてね。」


 と、ヒイラギさん軽い調子で言った瞬間、私の目の前から3人が消えた。


 ▽▽▽


 違う、3人が消えたんじゃなくて、私とヒイラギさんがあの場から消えたんだ。


 今、私達の周りには綺麗に整えられた樹木と咲き誇る花々の花壇がある。


「うーん、どこの城も城内は魔法が制限されてるから、僕の移動(スデプラセ)でもまだ場外に出られないんだね。」


「・・・魔法の制限?」


「城内では貴族を守るため、魔法が使えないように隠れた所に魔法陣が描かれてるんだよ。」


 それで私、階段から落ちてる時に風が使えなかったのか。


「まあ、僕くらいのレベルになるとちょっと制限されるくらいだけどね。」


 ヒイラギさんは得意満面で言った。


 と、それはともかく


「下ろしてください!!」


「大丈夫だよ。

 カスミちゃん軽いし。

 このまま移動する方が楽でしょ。」


「楽じゃないです。

 軽くもないし、私異世界(ココ)に来てから着々と太っているんですから。」


「えーこれで。まだまだ軽いよ。」


 私思いっきり手足バタつかせてるのに、ヒイラギさんはキャッキャッと笑って楽しそう。


 絶対この人、私の事からかってる。

 遊んでるんだ。キッ――――――――!!。



「カスミ様!!」



 え?・・・フロックスさん・・・。


 あっここ、お城の中庭。



「カスミ様に触るな!!」


 フロックスさんが今まで見た事ない般若顔になって、突っ込んできた。


「やばっ移動(スデプラセ)


「フロックスさん!」


 フロックスさんへ手を伸ばす。


「カスミさ・・・」

 フロックスさんが私の前から消えた。


















駄文をここまで読んでいただきありがとうございました。

心の広い貴女が美味しい物を食べられますように!!


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