ソーセージはお好き?
『11時着の飛行機に乗るね』
昨日送られてきた凛からのLINEを何度も読み返しては、1人にやける…。
俺が日本を発ってから、すでに1ヶ月以上が過ぎていた。やっと、会えるんだ。
到着ゲートで凛を待つ間も、そわそわと落ち着かない。俺、時間間違えてないよな?
――そのとき、ゲートから乗客の列が出てきた。
1人1人見ていると……、いた。
「凛!!」
彼女もはっと顔を上げて、俺を見つけた。とたんに満面の笑み…。
キャリーバッグを引っ張りながら、俺のところへ走り寄ってくる。
「大斗さん!」
凛はまるで子犬みたいに、まっすぐに俺の胸に飛び込んできた。俺もその愛情表現に応えるべく、両腕でしっかりと凛を受け止める。
「すっごく会いたかったよ」
「私も…。なんだか、感激して泣けてきちゃった」
凛の顔を見ると、たしかに目が少し潤んでいた。あまりの可愛さに胸が苦しくなる…。
「俺も同じ気持ちだよ。嬉しいっていうより、感動とか感激のほうが近いかも」
「ふふっ、大斗さんまで目が潤んでるよ?」
「えっ、うそー?涙腺緩んできたのかな…。まあ、行こっか!うちに荷物置いて、お昼ご飯食べに行こう」
「うん!」
俺は凛の大きなキャリーバッグを引き、もう片方の手で凛と手をつないだ。そして、久しぶりの彼女の手のぬくもりに、安心感を覚えながらしばし酔いしれるのだった。
「わー!さすが本場だねー。すごくおいしい!日本のとは全然違うなあ」
凛をつれてきたのは、白いソーセージ・ヴァイスブルストが食べられるお店。この店は以前、黒川さんや同僚たちにつれて来てもらったことがあって、ぜひ凛にも食べさせてあげたいと思っていた。
俺は凛がおいしそうに食べているところを見るのがとても好きだ。見てるこっちまで、なんだか幸せな気持ちになる。
「あ、なんか私ばっかり食べてない?大斗さんも食べて!」
そう言って、俺のお皿にもソーセージを乗せてくる。
「あはは、ありがとう。俺は起きるの遅かったから、そんなにおなかすいてないだけだよ。凛こそ、もっと食べて。ちょっと痩せたみたいだし…」
さっき空港で抱きしめたときに気づいた。凛のもともと小さい体が、さらに少し小さくなってる。ノースリーブでむきだしの肩だって、前はこんなに骨が浮いてなかったし…。
「それは大斗さんもでしょ?日本にいたころは、もう少しがっしりしてたもん」
「じゃあお互いさまってことだね。この一週間、2人でおいしいものいっぱい食べよう」
俺がそう言うと、凛は嬉しそうににっこりと笑った。
「うん!日本の食材少し持ってきたから、和食も作るね」
「ほんと?嬉しいなあ。やっぱり、凛の作ってくれる料理が1番好きだよ」
照れて赤くなる凛のお皿にもう1本ソーセージを乗せてあげて、俺は追加でポテトサラダをオーダーした。




