再開そしてぐだぐだ
今回は会話メインです。連休中最後のおやつの合間の投稿です。おやつのお供にどうぞ(o^-^)_旦~
って誰だ?こんな美人さんの知り合いなんていないぞ。
「こちらの人はどちら様?」
再開云々以前にそっちの方に気が散ってしまう。
我ながら薄情だなとは思うが。
だって、こんな美人な人が身近にいるんだぞ?
そりゃ、目移りするだろう?
気が付いたら家の妹様がすっげえ睨んでます。はい。…怖っ。
「兄さん?」
心なしかドスが効いている。
こんな声初めて聞いた。新しい一面発見!
なんて軽く現実逃避しても何も状況は変わらない。
……さて、どうやって乗り切ろうか。
「何だ?」
ここはやっぱり……
「何だ?じゃないよ!何で家族が神様の奇跡で感動の再会!みたいな感じなのに、兄さんはセリーヌさんをじぃ―――――――っと見てるの?!」
なるほど。この美人さんはセリーヌさんというのか……。
というかそんなに見てたか?
「見てたよ!」
あれ?声に出てたか?
「出てるよ!」
まただ。
「そうか。因みにどこら辺から?」
あれ?しまった。
誤魔化すタイミング逃した。
「なるほど。この美人さんは――――辺りからだよ!」
割と最初からだった。
心なしかセリーヌさんも顔が赤い。
やめてくれ―――!!
そんな反応しないで!
こっちも恥ずかしくなるから!
「何照れてんのよ~。初々《ういうい》しいわね、このっ!このっ!照れるセリーヌちゃんも可愛いわ~。お持ち帰りしちゃいなさいな諌」
母さんが追い打ちを掛けて来た。
止めろよその昭和のノリっ!
「ちょっと!お母さんまで何言ってるの!?」
「あら?も~、妬いてるの?可愛いわねえ恣意ちゃんは~」
「なっ!?違うわよ!何でそうなるの?!」
「もう!照れる恣意ちゃんも可愛いわ~」
むぎゅうぅ!
そう言って恣意を抱きしめる天然な母さん。
だけど今はこの天然っぷりに感謝だな。
話が逸れ始めた。
「だ~か~ら~!違うってば!抱きつかないでよ~。見てる!みんな見てるから!」
でも本気で嫌がっている様には見えない。
やっぱり嬉しいんだろう。
相変わらず人の話を聞かない母さんに若干膨れてはいるけどな。
そんな二人のやり取りをみんなで温かく見守る。
良かった。恣意が元気だ。
ここ最近、あんな自然な表情なんて見れなかったし…。
「だって~。可愛いんだもん。別にいいじゃない」
恣意は母さんの説得を諦めたのか、今度は親父に矛先を変えた。
「お父さん!兄さんにビシッと言ってやって!」
「そうだな……諌」
親父が苦笑を真剣な表情に戻すと真剣な声音で俺の名を呼ぶ。
珍しいな。こんな真剣な感じ……
でもまあ、これが最後の会話なんだよな。
真剣になるのも分かる。
だけど、これでやっと話が元に戻る。
注意くらい甘んじて受けよう。
正直…このまま恥ずかしかった空気を何とか出来るのなら、もう何でも良い。
「何だよ?そんなに改まって?」
一応形式としてそう問いかけてみた。
「ああ、お前に言わなきゃいけない事がある」
そう言って親父は重々しく語りだした。
こんな真面目に話し出す親父は初めてだ。
「言わなきゃいけない事…?」
「そうだ」
なんだ?この静かな気迫は!?
思わず俺も身構えてしまう。
何を言い出す気だ?
そして親父は口を開いた。
「男ならちゃんと責任は取れよ」
「そこで話戻るのかよ!あの真面目な感じと静かな気迫は何だったんだよ!」
「ちょ!?お父さん!?」
くそっ、親父まで変な事言いだした。
あーあ、セリーヌさんまた顔真っ赤だよ。
ていうか「うぇ!?」とか可愛い反応しちゃってまあ。
不意打ちだったけどさ!お願いだから止めて!?
こっちまですっげえ恥ずいから!!
あっでも今、初めて声聞いたな。
透き通るような綺麗な声だった。
あの声は天使みたいだな。癒される。
「兄さん……また声に出てる」
「え?」
またかよ……気をつけよう。
あーあ、妹が完全に拗ねた。
後で機嫌直るかな。
セリーヌさんはもう茹でダコの様に真っ赤になって俯いている。
「あぅ」とか小さく言ってるのが聞こえて来た。
こう云うのに慣れていないんだろう。
反応が可愛い。やっぱり癒されるな。
「おほん、そろそろいいかの?」
…あ、完全に忘れてた。
神様居たんだった。
「あ、はい。すいません」
「いや、それは構わんがの。家族と再開出来て積もる話しもあろう?じゃがな、お主はまだこ奴を知らんじゃろうに。じゃからお互いに自己紹介をしてはどうじゃ?」
確かにそれもそうだな。
グダグダでしたね。キャラが勝手に喋るんですよ。そして初のヒロイン?が出て来ました。次回は自己紹介からですね。
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