真実2そして神様の性格、そして再開
5話目投下です。ちっとも異世界に行きませんねえ…。
「ここまで偉そうに言っておいて何じゃが―――謝らねばならないの……」
「謝る?」
なぜ?
「すまぬ。さっきの話と矛盾しておるが、お主の両親が死んだのは確かに事故じゃった。じゃがな……」
そこまで言われて大体理解する。
神様は言いにくそうに一瞬躊躇っていたが、覚悟を決めて話しだした。
「その責任問題を突き詰めれば、それはワシら神の失態じゃ。謝って済むとはワシも思うとらん。許してくれとは言わんし、そう簡単に割り切れる問題でもない。しかし、全ての神に代わって謝罪する。すまなかった」
やっぱり神様達も関わっていたのか…。
しかし―――
なるほど……それは確かに神様の失態なのかもしれない……だけど、この神様だけを責めてはいけないんじゃないか?
言いたい言葉をゆっくり搾り出しながら、俺は全て自分達の責任だと言っている神様に告げる。
「それは確かに、あなた方神様の責任だ」
「すまなかった」
「だけど――――俺は少し安心もしています。神様にも失敗はあるんだ、と。それは人と同じと云う事ですよね?親近感が湧きました」
そうだ、この神様はちゃんと責任感があり、神様からしたら蟻みたいな有象無象な存在の命を尊重し、ちゃんと敬意を持って接してくれる。
そんな人…いや、神様だからこそ、この世界の管理人を任されるのだろう。
やっぱり良い方だ。
っていつの間にか神様だと認めているし……
でも、それでもいいな。
こんな方が地球の担当だなんて。安心して任せて生きていけるって思わせてくれる。
事実、失敗したのはこの神様ではなく部下だ。
その責任を取っているのがこの神様だ。
責めるなんて筋違いだろう。
「……神でも失敗することはある。じゃがな、それはあってはならないし、許されないのじゃ。ワシらの失敗は、他の世界に多かれ少なかれ影響を与える。今回の影響は、云うては何じゃが……少しの被害で済んだ。場所が空中だったのも幸いじゃった。過去の事例では世界が崩壊する―――なんて事もあってな」
マジかよ……なるほど。
それは確かに幸いだったな。
「では、運が良かったではないですか。確かに俺はその事に関して許すつもりはありません」
「すまんかった」
「ですが、あなた方を責めるつもりもない」
神様は目を見開いてこちらを見つめる。
止めろよ、爺に見つめられても嬉しくないぞ。
「なぜ…じゃ?お主たちの親が死んだ原因がここに居るのじゃぞ?なぜ責めない?罵詈雑言は甘んじて受けるつもりじゃぞ?」
「じゃあ―――ここで怒りに任せてあんたに当ったら、家の家族は戻って来るのか?」
「それは……」
帰って来る訳がない。
それに今責めた所で、今は良いかも知れないが、結局何も変わらない。
時間の無駄だ。
「帰って来ないでしょう?それなら、そんな事を言ってないで、二度とこんな事が起きないように対策でも考えていて下さい」
「それは勿論じゃ!二度とこんな事が起きないように尽力する。あいつにもきつく言っておく」
この神様は部下の失敗に責任を感じすぎだ。
苦労性っぽいな。
だけど、個人的には嫌いじゃない。
やらかした部下の人に言ってやりたい。
良い上司を持ったなって。
この神様のどこか憎めない性格のおかげかな?気が付くと怒りは不思議と静まっていた。
「それに、誰にでも失敗はある。この言葉も、もしかしたら昔の関係者が言ったのかもしれませんね」
暗くなったこの空気を払拭する様におどけながらそう言った。
「じゃが、神のせいで始まった代償は払わなければ、死んでいった者たちとその遺族に申し訳が立たぬ」
そこまで聞いて一つ疑問に思った事がある。
「その死んでいった者とその遺族の人たちにはどうするんですか?」
「うむ。今ワシらが総出で動いて、出来る限り最大限の対応をしておる」
「具体的にはどういった?」
「まずは、みんなの夢として出て謝罪をする」
「今俺が居るのもそういう事ですか?」
「お主の場合は、ちと違うが…概ね間違っとらん」
少し違うのか?それはさっきの仕事云々と関係あるのか?
「そこで、ワシ等はその人達の避難を甘んじて受けて、それからお詫びになるかは分からんがせめてもの罪滅ぼしとして死んだ者たちと最後のひと時を過ごさせるのじゃ」
なるほど……あれ…?
じゃあ、俺も親父と母さんに会える?
「っ!?じゃ、じゃあ―――」
「遅れさせて申し訳ないの。そうじゃったな。こう云う話をする前に会わせるべきじゃったな。どうする?望むなら今すぐにでも会わせるが……」
確かに今すぐ会いたいし、話したい事もたくさんある。
だけど……
「すみません。その前に、これは家の妹も同じ状態何でしょうか?」
「そうじゃ」
「なら無理を承知でお願いします。妹を……恣意を此処に呼べませんか?話すなら、4人で話したいです」
「しばし待ってくれ……あい分かった。今向こうの担当に確認してもらった。お主の妹も喜んで了承したみたいじゃよ」
ほっ…。あいつらしいな。
最近無理していたのは分かっていたからな。
そんないつものあいつらしい態度を聞くとほっとする。
そのまま少し待つ。
しかし、ただ自分の親に会うだけなのに……妙に緊張するな。
神様はその間にお茶を入れていてくれた。ちゃんと俺達家族の分もだ。
その姿が妙に似合っていて、俺は少し心に余裕を持てた気がした。
そして永遠にも思える様な時間が過ぎて―――、一瞬の光が部屋に満ちた後、そこには、さっきまで家で共に過ごした妹……恣意と久しぶりに見る両親……それと、現実では見た事も無い様な絶世の美女が佇んでいた。
まさかの再開。やっぱり、後腐れなく行きたいですよね。そして、一緒に現れた絶世の美女とは?…あんま期待しないで下さい。プレッシャーが……。
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