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異世界旅行記 メイクワールド  作者: 芥4653
第2章:力を手に入れろ!第1部:始まり
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閑話:少女

テストが終わって解放感に浸っております。

深夜のテンションで書き上げましたので、後日修正が入るでしょう。…ええ。

「……こ…こ……は?」

 ひどかすれたその声が自分の物だと理解するまでに数秒。

 私は辺りを見回す。


 暗い訳ではなく、明るくもない…そんな場所にある硬質な椅子の様な物に私は座っていた。

 両手をそれぞれの椅子の手摺に乗せ、その周りには私を縛っていた物だろうか…鎖の様な物の残骸が散らばっている。


「ど…うし…て?」

 なぜ私はこのような場所に居るのだろうか。

 その疑問に答えてくれる者はいない。


 ここに居ても時間の無駄だと判断した私は、ここがどんな場所なのかを確認するべく立ち上がろうとしてそのままよろける。

 そのまま自分の元居た場所へと座り込んでしまった。


 長く座って居たからだろうか。

 思うように自分の身体が動いてくれなかった。


「ぅ…んっ…!」

 それでもなんとか手摺てすりに掴まりながら立ち上がった私は、そっと手を離す。


 そして一歩…二歩…ゆっくり、慎重に歩く。


 最初はフラフラとしておぼつかなかった足取りも、しばらく歩いていると身体が思い出してきたのか普通に歩ける様になってきた。

 そして少しずつだが歩く速度を速めて行き、問題ないと判断して立ち止まる。


「……ある…ける」

 少しずつではあるが、声が出せる様になってきた。


 そして改めて自分の居た場所を見回す。


 そこは、今まで自分が座っていた‘硬質な椅子の様な物‘とその周りに散らばる‘私を縛っていたと思しき残骸‘しか無く、辺りには石の残骸が散らばっているだけで、特にこれといった物は無かった。


「……ここか…ら…でよう」

 私はここの出口を探す。

 が、それらしき物は見当たらない。


 そんな時、身体中をナニカが駆け抜ける。

 不快になる様なモノでは無く、寧ろ温かい…心の底から安らげる様なモノ。

 それを私は知っている。


 知らない訳がない。

 私をあの場所から解放したきっかけ―――いや、解放してくれたモノ―――


「…これを…たど…れば…」

 不思議と私は確信した。

 これを辿って行けば良いと。

 そしたら―――


「あの人―――諌…に会える」

 私はその何かを頼りに歩き出した。



_______________________



 どれだけ歩いたのだろうか。

 私は目の前に在る瓦礫の山を見て、休憩をしていた。

 足は久しぶりに歩いたのにも関わらず、最初の状態が嘘の様な程によく動いてくれる。

 体力はまだ大丈夫。


 ただ、精神的に疲れた。

 私は瓦礫の残骸の一つに腰かけ、道の示す先―――それを遮るようにしてそびえる眼前の瓦礫の残骸を見つめ、ため息を一つ。


「……困った」

 瓦礫に道を塞がれて進めない。


「…休憩は終わり」

 私はそのまま立ち上がると、目の前の邪魔な存在を見つめる。

 ここを通らなければ諌に会えない。

 しかし、だからと言って、


「……どうしよう」

 私はため息を吐きつつ目の前の物体に手を触れようとして―――


 スカッ


 空振る。


「……え?」

 触れようとした手は目の前の瓦礫の山に沈み込むようにして消えていった。

 慌てて手を引くと目の前には消えた筈の手が元の姿で存在している。


 もう一度手を瓦礫の山に触れようとすると、また私の手は瓦礫の中に吸い込まれた。

 そのまま意を決して、私は身体ごとその空間へと入り込む。


 中には何も無い真っ暗な闇がどこまでも続いていた。

 だが、私に迷いは無い。

 どこに進むべきかは私の中に在るこのしるべが示してくれるのだから。


「…これは?」

 通る道すがら、私の中に色々な情報が少しずつではあるが流れ込んでくる。

 その情報は自分自身についての事が意図的に消されているかの様に無い。


 だが、少しだけ自分の力の事については分かった。

 それがどんな目的の為に在るのかは分からないが使い方は理解した。


 そのどこまで続くと知れない情報が流れてくる道は唐突に終わりを告げた。


 目の前に広がる光景は快晴の青空。

 そして―――目の前であの人が今にも吹き飛ばされようとする瞬間だった。


「……ッ!!」


 ―――危ない!


 私はほとんど条件反射で彼の前に飛び出した。

 守りたかった。

 やっと会えたのに…直ぐに終わりだなんて嫌だった。

 ただその一心だった。


 目の前には今にも私に攻撃を加えようとする影。

 私はぎゅっと目を閉じた。

 せめて、あの人が逃げる隙を…身代わりくらいにはなっていますように…。


 そんな覚悟を決めた私の横を通り過ぎる一迅の風。

 そしてその風は、


「ありがとな」

 私に囁くようにして去って行った。


 そして響き渡る轟音。

 それは、あの人が今にも迫り来ていた影を吹き飛ばした音だった。


「……え?…!?」

 私は驚愕した。

 今にも吹き飛ばされようとしていたあの人が逆にその元凶を吹き飛ばしたのだ。

 どうしてこうなったのか…。

 私には分からなかった。


 だけど、そんな事はどうだっていい。

 あの人が無事だった。

 それだけで十分だ。


 私は吹き飛ばした体勢の彼の背中へ近づき声を掛ける。


「…あの」


「!?」

 彼はひどく驚いたかの様にこちらを振り返る。

 どうしたのだろうか。


 私はそんな彼―――諌に、やっと会えて…直接顔を合わせる事が出来たその嬉しい事実を噛み締めながら話しかける。


「やっと…会えた。…諌」

 

 今までの寂しさから解放された様な安堵感を覚え、私の顔には自然と笑みが浮かんだ。


「なんで君は俺の名前を知っているんだ…?」

 諌の戸惑った問いかけ。


 私の答えは決まっている。


 目覚めた私を救ってくれたきっかけ…それをくれたのは目の前で困惑している彼なのだ。


「……見てたから」


「…見てたから?」


「……うん」

 諌の反復した疑問に答えた私は、肩の力が抜けた。

 そんな心地の良い脱力感を味わうと同時に、私の中から何かが込みあげて来る。


 それは私の目元から溢れだし、これまでの自分を奮い立たせていた糸をプツンと切り飛ばす。

 その勢いのままに私は諌に向かって飛び込んだ。


 ぽふっ…


「!?」

 頭上からの諌の反応を気にする余裕は無かった。

 今はこの温もりをただ感じていたかった。


「……会いたかった……ふぇ…っく」


「……」


 私はそのままの気持ちを素直に表して諌にぶつけた。


「…大丈夫だ。俺はどこにも行かないからな……」

 そう言って諌は私の頭を優しく撫でてくれた。


 っ……!


 その言葉は私の核心を貫いた。


 私は諌にしがみつく力を強める。


 もう離さない。


 そんな心情と共に…。


______________________



「…落ち着いたか?」


「……うん」

 いさの問いかけに頷く。

 涙は直ぐに止まった。


 だが、だからと言って


「…そうか。じゃあさ」


「…うん」


「そろそろ離れてくれないかな?」


「……いや」

 離れる気は無い。


「…どうしてかな?」


「……いやなの」

 これだけは譲れない。


 諌はさっきからため息ばかりだ。

 そうだ。


「……ねえ」

 私は顔を上げて諌の黒い瞳を見つめると、諌の記憶で知った今の状況に相応ふさわしい言葉を述べる。


「……ため息ばっかり吐くと……幸せ……逃げるよ?」

 諌は私の言葉を聞いて何かを言おうとして口を噤んだ。

 ちょっと得意になる。


「っ!!」

 突然の浮遊感の後、直ぐに今まで居た自分達の場所に向かってさっきの物体が攻撃を仕掛けて来たのが理解出来た。

 そして浮遊感の正体は諌に抱え上げられたからだった。


「……ねえ」


 私は諌に尋ねる。


「なんだ?」

 あれは…


「……敵?」

 片手であの物体を指さしながら尋ねる。


「…は?」


「…あ、ああそうだ。端的に言うとそうなるな」

 戸惑いながら諌は答える。


「……そう……分かった」

 私は自分の力を解き放つ。 


 一瞬の光の集束が起こり、それが収まった私は諌の手に握られている。

 それは一振りの剣。


『……じゃあさっさと……倒そう?』

 頭の中に直接声をかける。


 諌の戸惑いの表情を遮る様にして物体の攻撃が迫る。

 それを諌は右に飛びつつ私を上段に構えた。


「倒す?」

 不意に諌が声を出す。


「最初からそのつもりだ!」

 諌は私を敵に向かって振り下ろした。


 私は諌の剣。

 立ち向かう敵は切り捨てる。


 刹那、


 ガキィ!


 火花が散った。







木刀少の閑話です。

どうしよう。このまま翡翠さんのも書いた方が良いですよね…?

正直、早く本編書きたいんですよ。

迷ってます。



誤字脱字の指摘、ご意見ご感想お待ちしています。

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